大地震

　一日たった今も余震で揺れた。経験したことの無い恐ろしい揺れを感じたのはなんとトイレの中、ただひたすら収まるのを待った。耐震基準が上がる前の家だから倒壊もあり得ると覚悟したが、本棚の上に立て掛けてあった額が一つ落ちた位で何とか無事におさまった。あんなすごい揺れでも前橋の揺れはまだ大したことのない部類だったのだろう。家族や親族も無事だったようだ。
　その後のテレビで中継される津波のライブ映像にはまいった。まさに被災している人達がそこに居るのに、はらはらしながらお茶の間でそれを見ている。流れる船、津波に飲み込まれる家や町、美しい田畑、津波が迫っているのに知らぬげに道を走っている車。神の定めは不条理としか言いようがない。明日は我が身かもしれない。だから許されるのだろうか。
　それにしても非常用発電機が役に立たなかった原子力発電所は窮地に立っている。背筋に寒いものを感じる。現場で担当している当事者は必死だろうが、あのような設備の中で電源が落ちてしまったら、誰が何処で何を計測し、何をコントロールしているのだろう。ことの成否は世界を変える位重要だ。英知の結晶が窮地を脱し得るのか、まさに神に祈る思いだ。