2017年06月09日(金) 吉祥寺の裏山
(寺山遊歩道)
川場村


 天気がいいので例によって妻が洗濯物を干し終わってから、川場村の吉祥寺へ出掛ける。前回来た時、吉祥寺の裏山を歩く寺山遊歩道案内図というのが駐車場前の登山口に掲示してあるのを見付けた。ぐるっと一回りして距離は約2km、標高差は約100m位で我々でも2時間もあれば歩けそうだ。下から草刈りされた公園のような山頂も見えていて、吉祥寺のお花を見てから(あるいは見る前に)裏山を一回り散歩というのも悪くないと思っていた。

コース
 吉祥寺P12:10→愛宕神社12:25→山頂12:40-12:50→林道終点13:05-電気柵の出口を探す-13:30→山頂13:50→吉祥寺P14:20 (所要時間2時間10分)

 電気柵で林道が閉じられていて周回コースはとれない。
吉祥寺駐車場の青空


 川場田園プラザに寄って買い物したり宅急便の手配などしていたら、結構時間がかかって吉祥寺の駐車場に着いたのは12時に近かかった。本当は山頂で食べるはずのコンビニのおにぎりを駐車場で食べてから歩く。先回来た時は大型観光バスが何台か駐車して賑わっていたが今回は時間が遅いせいかガラガラ。


裏山(寺山遊歩道)への登山口
 正面の石段が登山口。中央に見える小さな白い看板が寺山遊歩道案内図。
 
 吉祥寺本堂の屋根の上に公園のような、なんとなく楽しげな裏山の山頂が見える。


 ツリハナシノブの咲く登山口から歩き始めると、すぐ十二様の祠がある。赤城自然園にも十二山神が祀ってあるね。赤城山、子持山、十二ヶ岳と十二様は何処にでもある信仰らしい。山神だから山の神様らしいが根っからのサラリーマンにはあまり縁がない。
 ところで、十二様の十二というのは何処から来ているのだろう。これがインターネットでちょっと検索したくらいではよく分からない。で、真吾説=ホモサピエンスが最初に気付いた大自然の摂理をあらわす神聖な数、それが十二だったのではなかろうか。=彼等が自然と共生している時、長く暗い夜は何時も星や月を見ていた(だろうね)。そして気付いた。月の満ち欠けが十二回繰り返されると季節が元に戻ることを。季節が月に支配されているという発見は驚異であったに違いない。十二という数に対する信仰は、ホモサピエンスがアフリカを出る以前から共通認識として持っていた根源的な信仰だったのではないだろうか(根拠はまるっきりなし)。


ツルハナシノブ  十二様


 
用水とそれを渡る橋 


 15分ほど歩くと愛宕神社に出る。立派な社である。お賽銭を入れて覗いてみたが、中はがらんとして真っ暗で何も見えなかった。 


愛宕神社 イチヤクソウ? 


 愛宕神社のすぐ裏の巨岩の露頭の上に青麻(aoso)宮という石の祠が何基か並んでいる。麻の栽培が盛んだったのだろうか。これを過ぎるとすぐ戻り道という小さな矢印の案内がある。戻ると青麻宮の祠の前を通り、大岩をまわって愛宕神社に戻るだけで下へ下る別の道がある訳ではない。 


 
青麻宮   林道(ハイキングコース)


 青麻宮から道はあまり踏まれていない新しく整地された感じの広い林道となり、30分ほどで山頂の一角、展望広場に着いた。展望はよく赤城山、子持ち山、その影に榛名山など、なじみの山を裏側から見る感じになる。川場村の田園風景もよい。山頂は広い展望広場とその先に少し下がってからまた登る小さな山頂と二箇所ある。


  赤城山
子持ち山と榛名山  


 お花はあまり咲いていないがニッコウキスゲが数本咲いていた。もう昼食も済んでいるのでしばらく展望を楽しんで反対側に下る。



  ニッコウキスゲ
 



上州武尊山  ニガナ


 小さいほうの山頂から肩に下る。道に沿って植林の中に電気柵が設置されている。触ると危険の注意書きもある。岩観音と、吉祥寺に下る道の分岐があり案内の矢印がある。 


直下の肩から見た山頂 


 肩から広い林道を下る。周りは手入れされた杉林である。


 
杉の美林    イトトンボ


 林道を抜け目の前に田んぼの広がる平地へ出た。田んぼ一枚を隔てた先に舗装された広い農道があり、林道はその道へ真っ直ぐつながっている。その農道をのんびり下れば吉祥寺へ戻れるはずだが、なんと田んぼの山際の畔に設置された電気柵が林道をしっかり塞いでおり農道に出られない。何処かに出口があるのではないかと電気柵に沿って数百m歩いてみたが出入口はない。電気柵は田んぼの畔の山際すれすれに設置されているから、電気柵に触れないように歩くのは苦痛で、場所によっては藪こぎして歩いたのに無駄だった。管理している農家の人でもいないかと思って探しながら歩いたが誰もおらず、結局林道まで戻り、山を登り直して来た道を吉祥寺に戻った。よたれの我が隊にとって登り返すのが無理と感じる山だったら電気柵を突破するしか選択の余地はないけどね。


 川場村は商売上手な村である。テレビなどでの話題作りもうまい。吉祥寺も商売上手な観光寺である。だが少なくともこの遊歩道を歩く人は村人に歓迎されていない。自分の商売に関係なければただの邪魔者なのだろう。害獣扱いである。


  忌々しい電気柵



 吉祥寺の参道の上まで戻ってきた。やれやれ。コアジサイがなぐさめてくれる。   


 吉祥寺


 昔、日光の帰りに寄ったときから、山門前のクリンソウと六地蔵さんの佇まいがすっかり気に入ってしまって、クリンソウの時期になると出掛けたくなる。山門も建長寺派の山門というだけあって鎌倉の建長寺を思わせる。まだ横須賀にいたころは北鎌倉で横須賀線をおりて歩いて建長寺へ、巨大な山門をくぐって半僧坊から天園へのハイキングコースは何度か歩いた。やがてそのコースも鎌倉の住宅地開発で破壊されて歩く気を失ってしまった苦い思い出がある。吉祥寺の裏山にはそんな思いもあって期待して歩いたのだが何かちぐはぐな苦い思いが残った。


  山門
 仁王様も立派。二階も自由に上がれて、文殊菩薩様と16羅漢像を拝むことができる。
     


六地蔵とクリンソウ  
     


 
ヤマボウシ   ヒョウタンボク?
 
オダマキ   オダマキ
 
カキツバタ   クリンソウ
   
ミヤコワスレ    


 山門より中は観光寺の面目躍如で、いろいろ趣向を凝らして一年中飽きさせない仕掛けがちょっと賑やか過ぎる位。本堂も開放的で お釈迦さまに手を合わせた後は、風通しのいい廊下でお抹茶と季節のお菓子で疲れをいやす。


   
    聖観音像


 お庭を眺めながら・・・
   
お抹茶と6月のお菓子



  ツボサンゴ(ヒューケラ)
カキツバタ 
 


 川場田園プラザ


 川場田園プラザ
カキツバタ 





トップページへ 前へ リストへ 次へ





inserted by FC2 system