2015年07月15日(水) 日光戦場ヶ原−小田代ヶ原 奥日光


 戦場ヶ原から小田代原の木道歩きは歩きやすいのでよく行くが、大抵は紅葉の秋が多い。高原とはいえ炎天下の真夏に歩くのはちょっとためらいがある。秋に戦場ヶ原を歩くと花のないホザキシモツケの群落があって、花の咲殻がいっぱい付いている。一度この花が咲いている時に来て見たいねと言いながら行けなかったが、今回初めてホザキシモツケを見に行くことができた。


 コース:赤沼車庫P9:25→泉門池11:25-12:00→小田代原バス停12:45→赤沼車庫14:10 (所要時間 3時間45分)


 標準コースタイムは約2時間。木道の全面的な改修が行われている。
戦場ヶ原


 赤沼車庫の広い駐車場に車を入れる。駐車場はガラガラでそれでも2〜30台程度の車が、木陰の日陰になりそうなところを選んで駐車している。バスのエリアにはピカピカの大型バスが3台位入っている。千手が浜行きのハイブリットバスの係員が”バスが出るよ!”と手を振って呼んでいる。間違われたかな。


 歩き始めると駐車場の前の舗装道路の道路わきにホザキシモツケがずっと咲いている。ホザキシモツケの群落のある場所と、それが咲いている花のイメージはとっくに頭の中にあるのに、いきなり駐車場の道のわきから咲いているとちょっと気が抜ける。
ホザキシモツケ


   湯川に沿って続く木道は新しく作り直されて、ウッドデッキのように広くなった。車いすでも散歩できる広さがある。
新しい木道    


 木道近くに新しい風倒木があった。湯川の河畔の木は深い根が張れないらしく大きくなると風で倒れる運命にあるようだ。また風倒木はほとんどそのまま放置するのが原則らしく、木道の邪魔にならない限り湯川の中、戦場ヶ原の中、泉門池の中など目に着く。これらは何十年もかけて少しずつ姿を変えながらその時の風景を作っている。 


新しい風倒木 
 古い風倒木


 ホザキシモツケは期待した場所ではまだ花がほとんど開いていなかった。代わりにホザキシモツケがあることを意識もしていなかったところで沢山咲いていた。戦場ヶ原と小田代原の湿原にはほどんど何処でもホザキシモツケが咲いているんだね。 


 
湯川畔のホザキシモツケ


 新しくなった木道はけつまずく心配も無ければ踏み外す心配もない。よそ見しながらのんびり歩ける。イチモンジチョウが多く、ひらひら飛んでいるがこのチョウはほとんど止まらにようだ。このチョウは羽根の裏と表で同じチョウとは思えない色をしている。


 
イチモンジチョウ   イチモンジチョウ
 
 クロヒカゲ   ウツボグサ


 
ミズチドリ   ノイバラ


   青木橋を過ぎると木道のスタイルもちょっと変化があるようだ。戦場ヶ原から小田代原一回りというと、遮るもののない日差しのイメージだが、実際歩いてみるとほどんど河畔林の中を歩くことが多く、遮るものがない場所は全体の30%も無いかもしれない。森の中に花菖蒲の湿原がある。
     



 
ハナショウブ   タカネサギソウ
 
ノアザミ   コチャバネセセリ


  泉門池到着。ウィークディなのに大変な人出。学校行事で来ている中高生位の”最近の”子供たちが多いね。青い目の外人さんのファミリーも居る。勿論中高年も多い。最近こういう場所の人ごみもあまり気にならなくなったが、泉門池の休憩所は手を入れるなら入れるでもう少しすっきり出来ないかな。なければなくたっていいのに中途半端は何処まで立ち入っていいのか分からずかえってよくない。何とか空いたベンチを見付けてお昼にありついた。


泉門池 
 泉門池


 泉門池のベンチを次の人に譲って少し戻って小田代原への分岐から森の中を歩く。ここはまだ木道はなく土の上を歩ける。


 
ヤグルマソウ?   キツリフネ
 
サワギク   クルマユリ


 森を抜けると小田代原の内回りと外回りの分岐に出る。ここからまた新しく設置された木道が始まる。内回りはまだ木道の工事中で今は通行止めになっている。外回りを歩いて小田代原バス停へ向かう。


   素晴らしい木道だね。バリアフリーで脱落防止のガードレールがあり、車いすでも全く問題なさそう。これで障害者も我々高齢者も安心して小田代原を楽しめる。私達もこれからまた来ることができる。だがこの国立公園の貴重な自然を守る木道のために、どれほどの森が伐採されたんだろうね。こういう際限のない立派な施設を見ると、戦後の貧乏性が出て、何となく違和感を感じてしまうんだ。
小田代原の木道    
   
    男体山と小田代原のホザキシモツケ


 変な顔のハナアブ。
ピカピカだね 
ホザキシモツケとハナアブ


ホザキシモツケと豹紋蝶


 戦場ヶ原も小田代原も花にあふれているが、ニッコウキスゲはここだけだった。小田代原はひと頃湖になっていたが少なくとも見た目は何事も無く復活するものだね。  
  小田代原のニッコウキスゲ 


 小田代原のアザミとトンボ
トラフシジミ? 
小田代原のアザミ


 イブキトラノオとコチャバネセセリ
ハナアブとモンシロチョウ 
 ?タテハ
イブキトラノオ


 小田代原バス停に着いたら、次のバスまで1時間以上待つことになるらしい。同じように時間を確認に来たご夫婦は歩いても同じような時間に着いてしまうから赤沼車庫まで歩くと言う。我々は倍も時間かかるからなあ、と迷ったが、結局歩くことにする。


小田代原の貴婦人 
 小田代原を後に


 舗装道路をしばらく石楠花橋側に歩く。ほどなく赤沼への分岐がある。ここからはまた森の中を歩ける。分岐から小田代原内周りコースの木道工事が行われていて、ちょうど休み時間の終わりごろで10人程の作業者が工事現場へ向かうところだった。


クガイソウ 
 シシウド


  我々は鹿ゲートを出たところの切株ベンチでホットコーヒーで一休み。その先でバードウォッチングをしている5人ほどのグループに会ったが、ちょうど通り雨が降り出し、向こうも機材をかたずけるのに忙しく何を見に来たのか聞き損ねた。先ほどからざあざあいっていたのは風の音かと思っていたら雨だった。陽も射しているのに。


丸太のベンチで一休み 
 小田代原⇔赤沼 2.2km
ずっと森の中 
 湯川に戻ってきた。


 雨はことも無く通り過ぎカッパは用意したが着るまでも無かった。カメラはゴミ袋で保護、一枚持っていると便利なもんだね。湯川を渡って赤沼車庫帰着。バスは着いていたがほとんどバスの赤沼到着時間に戻ることができた。久しぶりに歩いて戦場ヶ原、小田代原一回り。約1万5000歩、よく歩けた。


赤沼車庫のホザキシモツケ 
 やっと緑に見えた男体山
 


蛇足
 遅れたアップのいい訳。先日写真ファイルを整理していたら、ゴミ箱にかなり大量にたまってしまった。これを空にするつもりでうっかりコンピュータのCドライブに残していた半年分の写真ファイルを一瞬で消してしまった。試しに安いソフトを買ってこれを復元しようと試みたが、時間が掛ること掛ること。考えて見れば一日分の写真ファイルだってコピーしようと思ったらイライラするほど時間が掛る。何千枚の写真ファイルがあったか最早不明だが、これを復元してHDDに戻すなど所詮無理な話。取敢えず気になっていた写真の何枚かだけは復元できことを確認して後はあきらめた。




トップページへ 前へ リストへ 次へ







inserted by FC2 system