2013.07.19(金) カモシカ平・高沢山 浅間・白根


 野反湖のカモシカ平のニッコウキスゲは見に行ったことがない。野反湖畔より250mくらい高いから湖畔よりは咲き始めに近い花に会えるかもしれない。前橋から野反湖は遠いから早起きしなければならないところだが、例によって何時もの時間になってしまった。後は野反湖に着いてからお天気と相談ということにしよう。湖畔のキスゲも見頃だそうだから。

 コース:野反湖キャンプ場11:10→エビ山12:25→高沢山13:20→カモシカ平13:40-14:15→高沢山14:50→エビ山15:35→野反湖キャンプ場16:45 (所要時間5時間35分)


 車で行ける野反湖のどん詰りがキャンプ場の駐車場で、ゲートの外の一般駐車場は6〜7台で楽に駐車中できた。
カモシカ平


 富士見峠の野反湖休憩所で休憩。半袖で車を降りたら風が冷たいのに吃驚。車の気温計は18℃である。あわてて長袖を着込む。あまり人影は多くないが、車は20台位は駐車している。湖畔は黄色く染まったところも見えキスゲはまだたくさん咲いている。空模様は青空も少し見える薄曇りだが見晴らしはよく、赤城、榛名、浅間がよく見える。発達した積雲は見えないので登れるだろう。


 ダム側のキャンプ場へ車で移動し、ゲートの外の一般の駐車場に入れる。空いていて楽に駐車できた。駐車場の周りはキスゲやアザミなどのお花畑。ゆっくり支度して歩き始める。
駐車場の周りはお花畑。


 歩き始めはキャンプ場内の湖畔の遊歩道で、きれいに整備されていて楽に歩ける散歩道だ。沢をショートカットする高い頼りない橋を渡り、水飲み場を過ぎると緑の広いテント場。トイレ、炊事場完備で数張りのテントも見えた。
歩き始めは湖畔の遊歩道。


 テント場からは登山道が始まる。基本的には笹原のなだらかな登りだが、何箇所か湿めった森の中も登る。まとわりつく嫌な虫も居ない訳ではないが多くはない。登りになるとほとんど花がない。エンレイソウが黒い大きな実を付けている。妻がギンリョウソウを見付けた。エビ山が近付くとクルマユリが増えてくる。


ギンリョウソウ クルマユリ


 なだらかな見晴らしの良い崖沿いの笹原の道を登るとエビ山に着く。広い山頂にたぶん2グループ、7〜8人の男女がいた。もう下って来たのだろう。既に12時を回っている。挨拶だけ。


 この山頂も展望がよい。クルマユリがあちこちに咲いている。ハクサンフウロも多い。ここで昼食が妥当だが、食べたら登れないよね。ちょっと給水、休憩して展望を楽しみ、花の写真を撮って高沢山へ向かう。
クルマユリ


ハクサンフウロ エビ山の展望


 エビ山の山頂から高沢山の稜線の向こうにカモシカ平が見える。キスゲで黄色く染まっているのが確認できるが、思っていたより少ない?
カモシカ平


 高沢山への登りはほとんど森の中。ウグイスが競うように鳴いている。案内するように先へ先へ声は移動するが姿は見えない。一度だけひょいと大木の下枝に出たのですかさず連写。影しか撮れなかった。


高沢山へ ウグイス


 森の中のちょっと開けた急な道を登っていたら、ブーンという羽音、アブかと思ってストックを振り回して追ってみたら、なんと大きなスズメバチ。ハチは前を行く妻の方へ。”ハチだよ、じっとして!”と声をかける。ハチは妻の黒っぽい上着を警戒したのか、縮み上がっている妻の周りを2周ほどして、又私の方へ。私を威嚇するように睨みつけながらゆっくり飛び去った。やれやれ。


白樺の大木 高沢山カモシカ平分岐


 高沢山の山頂は森の中で、標識以外山頂らしいところは何もない。通り過ぎて少し下るとカモシカ平への分岐に着く。近くにカモシカ平への距離600m、標高差110m、時間20分と丁寧な案内がある。笹と灌木の道をカモシカ平へ下る。女性ばかりの8人ほどのグループが登り返してくるのに会う。たくさん咲いてますよ。と嬉しそうに教えてくれる人もいる。


 すぐにカモシカ平が見えてくる。あれ全然黄色くないよ。カモシカ平のキスゲってかなり限定的?
 何年か前の春、キャンプ場から雪の残る三壁山、高沢山、エビ山と周回したことがあって、ここまで来てカモシカ平をのぞくだけ覗いて帰ったことがある。その時からカモシカ平のキスゲと聞くと、この山奥にある不思議な笹原全体を黄色く染めるキスゲを想像していた。
カモシカ平が見えて来た。



 キスゲ、全然咲いてない訳ではない。登山道の周りにもたくさん咲いているし、よく見ればカモシカ平の笹原の中にも咲いているのが見える。私の先入観と合わないだけのこと。
カモシカ平



 
最低鞍部の分岐、高沢への下り道。   最低鞍部を過ぎて高沢山を見返す。


 最低鞍部の高沢への分岐の反対側の笹原の中に笹が少し薄くなったけもの道?が見える。でここからは二人ともカモシカになってけもの道に分け入る。ヘビ?居るかもね。ダニ?もちろんたくさんいるさ。こないだの長七郎岳の藪こぎに比べれば、ときに腰を越える密生した笹でかなり漕いでいる感じがする。見えない道を足で探りながらけもの道を外さないように進む。


 
藪こぎ    稜線上の裸地


 稜線近くで笹が薄くなり程よい広さの裸地に抜ける。けもの達の休憩所だね。これがもともと裸地なのか踏み荒らされて裸地になったのか、初めて来たので知る由もない。ここから見ればカモシカ平のキスゲいいね。遅くなったお陰で目の届く限り誰も居ない。天気もよくなって嘘のようにさわやかな風が吹き抜ける。カモシカ平独占。


   ここでやっと昼食にありつく。例によってセブンイレブンの巻きずしに一口サンドイッチ、デザートはみたらし団子という取り合わせ。お腹がすいていたので腹いっぱい食べる。といってもタイツでお腹を絞められているから、みんな胃にたまってしまってそれ程は入らない。
カモシカ平のキスゲ、イメージに近いかな。    


 
     


 ゆっくりしたいところだが遅いからね。妻は帰り道の高沢山までの登りで私の足がつらないか心配している。つってしまったら芍薬甘草湯を飲んだとしても、歩けるようになるまで時間がかかるし、まともには歩けない。うっかりすれば暗い山道歩きになるかもしれない。彼女にすればそれは最悪だ。我々はヘッドランプは持っているがそれを使って歩いたことが無い。


藪こぎして帰る。 高沢山を登り返す。


 


   再びカモシカ隊になって笹原を抜け、重いお腹を抱えて本当にゆっくりゆっくり高沢山を登り返す。最後のビューポイントでカモシカ平の裸地を見下ろしてこの風景に別れを告げる。日帰りコースの山としても、もう二度と来ないかもしれない。
カモシカ平に別れを告げる。
後ろは草津白根山。
   


 無事高沢山を越す。あとは危険な険しいところなどないなだらかな下りだけ。ひたすらエビ山を目指し、誰も居ないエビ山の山頂で一息いれて最後の展望を楽しみキャンプ場へ下る。道では誰にも会わなかったがテント場で一人でテント泊するという、我々に近い年代の男性と会った。


 
野反湖は晴れあがった空を映して青い。   駐車場の周りのヤナギラン


 私の携帯の歩数計で17000歩を越えていて我々としては久しぶりに長時間歩いた。幸い懸案の足はつらなかったが、妻が何時ものように下りで膝が痛たんだようで最後はつらそうだった。湖は青空を映して往きとはまるで表情の違う深い青を湛え、八間山の空には白い月が登っていた。


 道は八場ダムの工事の影響でどんどん変わって行く。バイパスの橋は全通し有名な高い橋脚の橋は見なかったからその上を走っていたのだろう。驚異的に長いトンネルも初めて通った。道が整備されたから楽々快適に流れるかと思ったらどうしたことか、往きも帰りも4〜50km/hで延々と行列して走らされた。まだまだ野反湖は遠い。






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