2013.08.03(土) 車山・八島ヶ原湿原 霧が峰


 上空に居座る冷たい大気と、南から吹き込んで来る高温の湿った大気のせめぎ合いで、日本のお天気は何時まで待っても安定しない。”あきらめの夏”は何年かに一度は必ず巡って来るようだ。しかし夏は若者にこそ似合っている。我々老年組にとってはやさしい夏なのかもしれない。

 コース1:車山肩駐車場12:35→車山山頂13:40-14:00→車山肩駐車場14:45 (所要時間2時間10分)

 コース2:八島ヶ原湿原散歩15:05-16:00 (所要時間55分) 


 駐車場は土曜日ということもあって流石に混んでいたが、両方とも空きスペースがあった。
車山(八島ヶ原湿原から)


 とか何とか言って、今度は車山にまたアサギマダラとヤナギランに会いに行きたいねなんて言っていたら、天気予報では今日は長野県諏訪市の天気は午後から晴れになってる。午後から好天はカモシカ平で味をしめたので、じゃちょっと遠いけど出かけようと、何時も通りで9時ごろに出かける。。


 12時に車山肩の駐車場に着く。佐久から新しく伸びた中部横断自動車道を今終点の国道142号まで初めて走ってみる。これが中央自動車道までつながると便利になるが、我等には関係なさそうだね。結果的に早かったのか遅かったのかは分からないが3時間かかった。チャプリンでお昼を食べて車山への広い道をぶらぶら登る。  
    車山ハイキング道路


 狙い通り午後の空は快晴で真っ白い入道雲が見える。と言いたいところだが、上の写真は帰りに撮ったもので、登り始めた頃は頭上に大きな積雲がたくさん浮かんでいて太陽は出たり引っ込んだりという状況だった。


 驚いたことにチャプリンの裏の電気柵で囲われた広い草はらには、ニッコウキスゲが一杯咲いていた。鹿が食べなければこの辺はまだニッコウキスゲで真っ黄色ということかね。電気柵があって、その外側に人が電気柵に触れないようにもう一列柵があるという状況だから、写真を撮るには邪魔だね。


タカネナデシコ タカネナデシコ
(と、ヒメジオン)


 登山道に咲いているヤナギランは一本しかなかった。マツムシソウも似た状況。ヨツバヒヨドリはたくさん花を付けているが、まだ開花していないようでアサギマダラも全然いない。早すぎたね。その代りタカネナデシコが咲いている。ナデシコの繊細な花弁はすぐ風で傷んでしまうが、今日はばっちリで丁度良かったようだ。ハクサンフウロもたくさん咲いている。


 
ヨツバヒヨドリ   ツリガネニンジン


 アサギマダラが飛んでいない代わりに、グライダーが次々飛んできた。霧が峰はグライダーのメッカだが、実際飛んでいるのは初めてみた。それ程何度も来ている訳ではないからね。グライダーの性能は素晴らしく、動力がないなんて信じられないくらい軽々と上昇して、車山の頭上を越えて行く。近くをかなりの速度で通り過ぎるとき、翼が風を切る音がはっきり聞こえる。いいなあ。


 
グライダー   グライダー


 土曜日だから車山へ来る人はたくさんいる。山登りスタイルの何十人という団体さんからチビたちのグループまで。全部に抜かれた。チビたちのグループと張り合ったけれど、5分と持たなかったね。楽しそうにおしゃべりしながらどんどん登って行ってしまった。子供は元気だ。妻は新しい登山靴の履き心地を試している。石の多い結構歩き難い道で蹴つまづいたり、蹴飛ばしたりしているが、調子はいいようだ。 


 
チビたち   イブキジャコウソウ


 約一時間で山頂到着。広い山頂は一段下にリフトの駅などもあるから人で一杯。はとバスの団体さん達も入っているようだ。もうお昼も食べて来たので特にすることもなく山頂散策。八ヶ岳は山頂部が雲の中でがっかり。それでも霧が峰高原の伸びやかな展望は何時見てもいいね。


   
車山山頂   車山山頂


 
山頂から西の展望
歩き始めた肩の駐車場、八島ヶ原湿原などが見える。
   ヒメトラノオ


 一渡り楽しんで同じ道を下る。今年もホオアカが出て来た。たくさん居るようで、あちこち目立つ所で囀っている。これからペアリングして子育てだろうか。人のことなんか気にして居られないとばかり、人の近くでも平気だ。ヒメジオンは我が家の裏なんかにも勝手に咲いていたりするが、山頂にもあるのには驚く。外来種らしく何処にでも適応できるようだ。


 
ヒメジオン   ホオアカ



 一旦車に戻り八島ヶ原湿原の駐車場まで車で移動する。ヤナギランの様子を見てこよう。駐車場はほぼ一杯だが、もう帰る人も多いので何台分かは空き始めている。反時計回りに木道を歩く。コオニユリが目立つ。アカハナシモツケソウも咲き始めている。



 
チダケサシ   アカバナシモツケソウ


 木道沿いに咲く花には小さなネームプレートがさしてあって、名を知るのには便利だが花を撮ろうとすると邪魔になることもある。そんなプレートの中にバアソブという聞き慣れない名前を見付けた。近くのススキの葉や茎にからみついた蔓に小さな釣鐘型の花が咲いている。むかし赤城の登山道でも見ることができたツルニンジンに似ているがずっと小さい。バアソブって何処の言葉かと思ったら、れっきとした日本名で、婆蕎と書くらしい。ばばあのそばかすという意味らしい。ソブとはそばかすの方言らしい。ツルニンジンのことはジイソブというらしい。初めて見たよ。


 
バアソブ   コオニユリ


 上下並行している木道の合流点より少し先まで行くと、期待通りヤナギランたくさん咲いてた。まだ咲き始めだね。やあ良かった。  
    ヤナギラン


 
ヤナギラン   ヤナギラン



 上の木道を湿原の入り口まで戻ってきたら、アサギマダラにも会えた。もうあきらめていたのに運がいいね。一頭は羽化したばかりなのか、全然飛ぶ気がなくてヨツバヒヨドリの花にしがみついている。それを4〜5人の男たちが一眼レフで狙っている。羽をひらくのを待っているのだそうだ。開いた!いっせいにパシャパシャパシャ、やあうまく撮れたの撮れなかったの。仲間に入れてもらったけれど、なんか滑稽だね。  
    アサギマダラ


   駐車場へ帰る道路の下をくぐるトンネルの前のヨツバヒヨドリにもアサギマダラが2〜3頭来て舞っていた。車山のヨツバヒヨドリが開花すればまたあの広大な斜面にもアサギマダラがたくさん集まって来て、南の空に旅立っていくことだろう。写真も沢山撮れて思い残すことないね。帰ろう。少し遅れたけれど霧が峰高原の空はすっかり晴れあがっていた。
アサギマダラ    





 





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