07.11.24(SAT) 武甲山 秩父


 先日来の寒さが嘘のように暖かい。秩父ならまだ紅葉が残っているかもしれないと思い、切り崩されても尚堂々と秩父の空を支配している武甲山に出掛けた。秩父に行くたびに登ってみたいと思っていた山である。


 コース:生川・一の鳥居10:30→大杉の広場11:55→武甲山山頂12:50-13:40→大杉の広場14:15→一の鳥居駐車場15:15 (所要時間4時間45分)

 駐車場:生川の一の鳥居をくぐると6〜7台駐車できるスペースがある。その先の車止めのところにも3台くらい駐車可能。鳥居の手前の狭い林道にも駐車できるスペースはある。

 トイレ:駐車場付近には武甲茶屋などの建物はあるが、トイレはないようだ。茶屋が営業していれば使わせてもらえるのかもしれないが、営業しているようには見えなかった。山頂には雨水を利用した水洗トイレがある。
    武甲山 (06年04月撮影)


 初めての行く山は林道や駐車場の様子が分らず、行って見るまでは少し気掛かりである。武甲山はかなり名の知れた山だし、武甲山御岳神社の表参道だというので、かなり整備された道や駐車場を想像して出かけたが、ちょっと当てが外れた。
 秩父の町で国道140号から299号に分岐し、生川を渡る橋の手前で、信号も案内もある三叉路を右に曲がる。鉱山関係の会社の続く道を生川に沿って走る。セメントや石灰岩を運ぶ大型トラックが走る広い舗装道路である。所によっては両側が工場で広い工場の中に迷い込んでしまったのでないかと勘違いしそうな所もある。
 工場群を走り抜けると突如道が無くなる。と思ったらその先に草に埋もれて本当に入っていいのかと思うような、非舗装の心細い道が続いている。これをガタガタ少し走るとまた舗装道路に出て、その舗装道路の終点に大型バスが駐車していた。良く来たものだと思うがここまではバスも入れてUターンも出来るという証である。


 その先の狭い林道をガタガタ少し走ると、道端の車を停められそうな所には、あっちこっちを向いた車が駐車していて、その先の駐車場はもう満車であることがはっきりする。Uターンも難しそうなのでとにかく入れるところまで入ってみる。鳥居をくぐると駐車場?で5〜6台の車が駐車していた。運良く?一番入れにくそうなところに一台分スペースが有ったので、ここは腕の見せ所で(それで何時も擦ったりへこませたりする)新車を傷つけずに何とか入れることに成功した。
駐車場


 林道の続きを歩きはじめるとすぐに沢を渡る橋の前に出る。この橋から先は一般車両は進入禁止である。橋の手前に3台程度駐車できるスペースが有り車が駐車していた。なんとかUターンできそうな広さである。


 橋の先は魚の養殖場か釣堀のような施設があって池の前を通る。それを過ぎるとコンクリートで舗装された林道があり、そこに登山届けを受けるポストがある。行方不明者の捜索の張り紙などがある。急登と言うほどではないが、出だしからかなり勾配のある道である。途中砂防堤の近くに左に分岐する橋があり、入口に「シラジクボへ、山道」と書かれた小さなアルミプレートが置かれていた。ここから武甲山と小持山の鞍部に抜けられるようである。
釣堀?の前を抜ける


 小滝のある沢に沿って登り、腐った丸太の頼りない橋を渡り、ナメ滝の前で沢を渡ると山道らしくなる。また頼りない橋を渡り、武甲山御岳神社参道と書かれた石柱を過ぎ、小さな石祠の前を過ぎ、植林された杉の林の中をひたすら登る。霜がとけヌルヌルのいやな所が結構続く。2〜3組の人たちに追い抜かれる。3〜40人くらいの団体さんが下りてくる。下に駐車したバスの人達だろう。
腐った丸太の頼りない橋


 やがて勾配が少し緩むと大杉の広場で、杉の巨木がある。標高1000m、武甲山1295.4mへ50分、生川基点515mへ50分の案内が立っている。生川から山頂まで標高差780.4m、山頂まで残り295.4mということになる。その先に分岐の案内があり、右が一般登山道とあるのでそちらを登る。この武甲山の登山道には丁目石というのが有って、生川の鳥居の下が一丁目、山頂の鳥居の下が50丁目になっている。三十五丁目付近にも立派な大杉がある。


三十五丁目の大杉 三十五丁目の大杉


 やがて右上に潅木の生えた白い石灰岩のゴロゴロした岩場が見えるようになるが、登山道はずっと杉林の中である。そして山頂稜線の広葉樹の広場へぬける。左に下れば浦山口、右には武甲山山頂の御岳神社の鳥居や社が見えている。ベンチやトイレもある。御岳神社の裏の左手の上が第一展望台、右手の上が第二展望台である。第一展望台からは眼下に石灰岩の採石場や秩父の町が一望できる。残念ながら今日は暖かかった代わりにモヤってしまい、正面にあるはずの赤城山も榛名山もまったく見えなかった。展望台には立派な山名表示板があるが、安全のためとは言え金網とフェンスに囲まれた山頂は居心地がいいとは言えない。第二展望台からは堂平山側が良く見えるが、展望台といえるような場所はないに等しい。


武甲山御岳神社 第一展望台の山名表示盤


 御岳神社の前は落葉樹の広場になっていて、厚く敷き詰められた落ち葉の上の陽だまりは、居心地のいい休憩場所である。4グループほどの人たちがあちこちに座って寛いでいた。我々もゆっくり食事をして体を休めてきた道を下ってきた。
 
御岳神社前の広場


 生川を基点とする武甲山御岳神社の表参道は、下から上まで欠けることの無い杉林の中で、展望のない単調な山道である。妻は二度目は遠慮したいと言う。下りで膝が痛たんで辛そうだったからね。
 不公平にならないように言っておくと、我々が下山した時一台だけ残っていたランドクルーザーの5人ほどのグループのお1人が気さくに声をかけてくれた。武甲山から大持山を回って来たそうだが、展望のいい素晴らしいコースで是非また来たいと言っていた。特に武甲山が良く見えるんだよ、と嬉しそうにデジカメの記録を見せてくれた。浦山口のコースもいいのかもしれない。山頂の展望もお天気次第だし、7〜80年は経っていると思われる杉の美林も捨てたものではない。残された大杉も一見の価値はある。



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