ときタマ日記 08年05月09日



鳥居峠のアカヤシオ


鳥居峠のアカヤシオ


 鳥居峠のアカヤシオは今がちょうどいいようである。今朝ふもとに用事があったので二人で出かけ、天気も良かったのでそのまま車で鳥居峠まで登ってみた。アカヤシオ前線はもう荒山の山頂近くまで達していて、下からでも沢山咲いているのが見える。箕輪の姫百合駐車場も登る人の車で半分近くは埋まっていた。


一杯清水


一杯清水 一杯清水


 一年前か二年前か忘れたが、気が付いたら赤城道路のカーブ36の所に「一杯清水100m」の真新しい道標が設置されていた。しかも車を停めるスペースも確保されている。私は前橋育ちではないので一杯清水と言われてもピンとこないが、興味はあったので僅か100mならアカヤシオの咲く頃にでも歩いてみようと思っていた。 


一杯清水への道 捨てられた往時の立派な水路の跡


 たまたま先日「土屋文明記念文学館編 赤城山文学紀行 ”ああこれ山”」を本屋で見つけて読んでみると、明治から昭和にかけて赤城山に遊んだ文士達の紀行文が何篇かあり、例えば尾崎一雄の赤城行によると、昭和13年、この一杯清水までバスが入っていて、茶屋があったことが分る。明治23年の幸田露伴の地獄渓日記には、一杯清水よりさらに上の地獄谷に温泉宿があり、そこに滞在したことが書かれている。彼は前橋から人力車で小暮へ、小暮からは馬を雇って地獄谷まで来ている。大同へ登る道も一杯清水から新坂峠を越える道と、一杯清水から地蔵岳を右に巻いて今の八丁峠辺りから小沼経由で大同へ抜ける道があったようである。
 今、一杯清水は古い道の石垣や、崩れかけた水路の跡、かすかな平地の面影を残して、小さな清水だけが往時を偲ばせる。古い道を尋ねるのも面白いかもしれない。



スミレが沢山咲いている。
アカヤシオは遠い対岸の崖の上にしかなかった。
何故かたった一本だけ、小さなヤマブキソウが花をつけていた。



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