07.02.21(WED) 子 王 山(藤岡二千階段) 藤岡


 もう30年位前になるだろうか。前橋から鬼石を通って下久保ダムへドライブした時、藤岡・鬼石間の民家の間の狭い道の入口に、藤岡二千階段の案内があったのを覚えている。それ以来気にはなってはいたが登りに行く機会はなかった(随分気長だね)。藤岡二千階段というのはその道案内の近くにあるのだろうと勝手に考えていたが、その近くに駐車できる場所もないし、道の細さに恐れをなして車で入る気にもならなかった。その案内は何時か目立たなくなった。今ではその場所がどこであったかも自分では定かでない。


コース:藤岡二千階段・かあちゃん茶屋登山口12:20→女坂分岐12:40→山頂12:50-13:05→見晴らし茶屋13:15→かあちゃん茶屋登山口13:35 (所要時間1時間15分)

登山口・駐車場:かあちゃん茶屋の前が広い駐車場になっている。トイレあり。見晴らし茶屋の前も駐車場がある。県道175号からの分岐は蛇喰渓谷の休憩所の先の橋を渡る。この休憩所にも駐車場とトイレがあって分かり易い。ここから歩いても標高差350m程度である。二千階段の案内あり。
子王山山頂からの展望
高崎、前橋の市街地の向こうに赤城山が
かすんで見える。


 先日妻が藤岡温泉に行ってもらってきたパンフレットに、その二千階段の案内がでていた。県道175号の蛇喰(jabami)渓谷から登るその場所は、私が想像していた場所からはかなり離れていたが、おそらくは非舗装の林道のような道が、車で入り易い舗装道路になると共に、最も入り易い場所が変化したのだろう。藤岡・鬼石間からの道は今の県道176号だったということになる。


登山口:かあちゃん茶屋
ウイークデイは休業
登山口から御荷鉾山が見える。
左が東、中央右寄りが西御荷鉾山


 妻を公民館に送って、珍しく一人で出かける。蛇喰渓谷の真新しい駐車場で一休みすると、すぐその先に渓谷を渡る橋があり、二千階段の案内がある。その橋は県道175号から176号への分岐になっていて、連結するための最後の道路工事が行われているらしく、大きなダンプが何台も出たり入ったりしている。ダンプは橋を渡って道なりに右折して行くが、二千階段への道は左折でほっとする。この道も車のすれ違いも困難なような細い坂道だが、坂の上の印地、あるいは箕輪といわれる集落への生活道路だから、そこはちゃんとすれ違えるようになっている。よくこんな山の上に家があるなと思うような山の上の集落の一番上に、二千階段の登り口、かあちゃん茶屋があり、その前が広々した駐車場になっている。下の渓谷から標高差150mくらい登るから見晴らしも日当たりもいい、山里らしい暖かみのあるところである。


二千階段:ロープにすがって 手前のピーク


 駐車場には先客の車が2台ぽつんと置かれていた。かあちゃん茶屋は休業で、そこはもう少し草生したところをイメージしていたので、ちょっと味気ない。左手の藤棚の下を歩いていよいよ二千階段である。最初は、こんなところまで階段にしなくていいよ、と思うようなところにまで丸太の階段があり、歩き難いだけである。そのうちどんどん急勾配になるから、すぐオーバーペースで息が上がり、ひいひい言いながら何度か休む。急勾配の所にはロープが下がっているので、これにすがって、岩場を登るように手の力を借りて登る。


 途中に女坂への分岐がある。そちらのほうが少しは楽なのかもしれないが、もちろん見栄を張って男坂を登る。千段目の標柱を過ぎると手前の小さなピークに出る。女坂との合流点になっている。隣の雑木に囲まれて見える山頂はもう僅かで、先に登った人たちの話し声なども聞こえる。更に急な階段を2〜3百段登ると山頂に抜ける。数えたわけではないが下りや勾配の無い階段を含めて山頂まで約1400段、標高差200m位だろうか。
 山頂は二段になっていて、雑木や杉林に囲まれているが、前橋、高崎側は払われていて展望がいい。霞んでいたが赤城山まで見通せた。すぐ左手が牛伏山で、山頂のお城も見える。
二千階段(もうすぐ山頂)


 下の山頂には3組の同年輩のご夫婦と思われる男女がいた。上の山頂には石の祠と三等三角点もある。山頂のすぐ下の杉林の中に赤い小屋(社)があって、中にお稲荷さんが祀られていた。自由に書き込めるノートも置いてある。


山頂、三等三角点もある。 山頂からすぐ下に、みはらし茶屋に
続く林道が見える。


 一休みしてみはらし茶屋側に下る。少し下ったところに400段の標柱があったから、かあちゃん茶屋からみはらし茶屋まで、上り下りひっくるめて1800段位ということになる。途中御荷鉾山がよく見えるが急な階段だから歩きながらよそ見は禁物、転ばないように注意しながら下る。すぐ眼下にみはらし茶屋が見えてくる。
 昔からの二千階段だから、古びた石の階段でも続いているのかなと勝手に思っていたが、部分的にも石の階段はなく、すべて丸太の階段だった。


みはらし茶屋(ウイークディは休業)
ちょっと雰囲気ないかな?
ポニーが一頭


 みはらし茶屋も新しく、駐車場も広く奇麗だが営業していない。こういう場所は賑わっていないと何かそっけなく面白味がない。土日に行くほうが正解かも知れない。下りで僕を追い抜いた少し若い男性の車が一台だけ置いてあった。みはらし茶屋から、かあちゃん茶屋へは林道を下る。ほとんど舗装されているが、雪が降って凍りついたら、四駆でも登れそうもない長い急坂である。自分が登った高さを思い知らされる。残りの舗装工事が行われているようだが休工中だった。
 梅の花盛りの集落を登り返して駐車場に戻り、車に乗ろうとしたら馬の鳴き声がする。すぐ先の小さな囲いの中からポニーがこちらを見ていた。近づいたら恥ずかしそうに向こうを向いてしまう。写真を撮ってさよならを言って車に乗ったら、またこっちを見て鳴いた。今日は誰もいないから、遊んでもらいたいんだな、きっと。



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