04.07.21(WED) 北 岳 (2日目) 南アルプス



 北岳山荘の朝食は5時からである。急ぐ必要も無いのでゆっくり食べていよいよ北岳山頂へ向かって出発。夜中にかなり風が吹いたので心配したが、快晴無風である。
 富士山も北アルプスの槍・穂高も良く見える。北岳の山頂に並んで千丈岳もどっしりした山容を見せている。先に出発した人たちが北岳に登っていく様子も見える。調子が出るまでことさらゆっくり登る。
 この道も見応えの有るチシマギキョウが沢山咲いている。ミヤマオダマキやタカネシオガマ、ハハコヨモギもある。少し登ると、花に見とれてけつまずいたら唯ではすまない急斜面の崖登りになり、そしていよいよ隠れていた山頂ピークが見えてくる。ついに山頂である。
 山頂に抜けると山頂に隠されていた鳳凰三山も甲斐駒ケ岳も目の前である。地蔵のオベリスクが根元から見える。見下ろしている。やったぜ!!。その先の槍のように見える、やけに険しい岩峰は八ヶ岳の赤岳である。浅間もかすかに見えている。
北岳山荘と中白根山・間ノ岳


タカネシオガマとハハコヨモギ チシマギキョウとミヤマミミナグサ


山頂風景 登頂バンザイ


 山頂は南北に長くかなり広い。真ん中でカッコいいカメラマンが助手と一緒に巨大なビューカメラ(ピントグラスの大きさがA4より大きそう)を組み立て富士山を狙っている。昨日同室だった同年輩の男性が”これを持ってきたので重くてね”と言いながら645のカメラに三脚につけて長いレンズをあちこちの山に向けている。どの顔もしてやったりとばかり嬉しそうである。本当に運が良かった。


山頂に咲いていたチョウノスケソウ 肩の小屋側から見た北岳山頂


  風景を十分堪能して肩の小屋側へ下る。肩の小屋から登ってくる人たちもかなりいる。肩の小屋に泊まった人の話だと、かなり混んで大変だったらしい。北岳山荘は楽々だったよというと羨ましがられた。
 肩の小屋はもうみんな出発した後でテラスにも誰もいなかった。ご主人と女性が一人忙しそうに跡かたずけの最中だったが、又牛乳パックなど頂いて、富士山を見ながらのんびり一休みである。
 小太郎尾根分岐あたりまで下るともう登ってくる人たちがいる。白根御池小屋泊まりの人たちだろうか。ここから大樺沢二俣までの下りもかなりの急勾配でしかも高度差が有る。登ってくる人たちと沢山すれ違ったが、下る方はマルハダケブキの群生に歓声を上げたり、少々足の指先は痛いが山頂を越えてきた達成感で余裕があるが、ここを登るのは本当に大変だろうと思った。ただし八本歯のコルやトラバース道のようなはしごや鎖場は無い。
北岳肩の小屋:後ろの白い山頂は甲斐駒、バックは八ヶ岳


右俣コースから見上げる北岳の壁 マルハダケブキにやって来たクジャクチョウ


 大樺沢二股はもう閑散として休んでいる人は数人だった。ここで北岳山荘で用意してもらったお弁当を食べて、さて広河原からの帰りのバスは何時かなと時間表を取り出したら、午後1時の後は4時まで無い。今はもう12時近いから我々の足では1時には間に合いようも無い。もう少し計画的に歩くんだったと悔やんだがあとの祭りである。往きは時間に気を使ったが帰りは帰り着けばいいと気楽に考えていて気にもしなかった。そしてそのようになったのだからあきらめるしかない。疲れがどっと出てもう写真も撮らず黙々と広河原まで下った。
 広河原山荘にはコインシャワーの設備があるようである。時間はたっぷりあるが着替えは車の中なので芦安までガマンする。自動販売機のCCレモンをぶら下げて、ぶらぶら揺れるつり橋を渡る。やれやれ、無事広河原到着。

 約2時間、何とか時間をつぶす。待つ間に、生活のかかった乗り合いタクシー(4列シートのバン)の運ちゃんが営業にやってきて、ゲートが開かないと走れないのはタクシーもバスも同じだが、バスより絶対早く着くし、値段も同じでいいから乗ってけという。乗せてもらうことにした。同じように待っていたのが20人近くいたが。ほとんどタクシーに乗ったので山梨交通のバスには誰も乗らなかっただろう。バスは定刻にならなければ動かないが、タクシーはゲートが開く頃にはゲートの前まで行って並んで待ってるし、小回りが効いて速度も速いから、確かにバスより30分早く芦安に着いた。
 駐車場から少し下ったところにある芦安村営?の金山沢温泉で汗を流し、前橋帰着は9時少し前だった。もう少し計画的に歩いて広河原1時のバスに乗れば、6時には帰れたはずだから、明るいうちに帰れたことになる。しかしまあ計画的ということは時間に急かされることである。無計画に歩いたからその分マイペースで歩けて、充分山を楽しむことが出来た。と妻に負け惜しみを言った。
 






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