03.11.14(FRI) 水沢山 榛名山

 赤城山も榛名山も同じような距離(家からは榛名のほうがむしろ近い)にありながら、赤城山は身近に感じてよく行くのに榛名にはあまり行かない。伊香保温泉があって昔から榛名のほうがより観光地化されているせいかもしれない。榛名は観光客のための山、赤城は自分たちの山といったイメージがあるのかもしれない。榛名は車で山頂まで行ってしまうとそれより上に登り応えのある山が無い?せいかもしれない。

コース:水沢観音駐車場10:00→お休み石11:10→石仏の尾根11:50→山頂12:10-13:00→水沢観音駐車場14:30 (所要時間4時間30分)



駐車場:200台くらいは入りそうな広々した駐車場がある。もちろんトイレ完備である。駐車場を右に回り込めば直接水沢山への登山道に入る。左に行けば水沢観音境内で、境内の左手から石段を登ると飯綱大権現経由で登山道に入ることができる。石段の入り口に山頂まで2時間の案内がある。
水沢観音の駐車場から水沢山

 そんな榛名山の中で例外的に好きなのが水沢観音から登る水沢山である。ほとんどが雑木の中の明るい乾燥したコースで、登れば登るほど勾配が増してくるような一気登りの山である。急勾配の割には登り易いが、場所によってはこければやばい所もあるので、足元には注意が必要。登り応えもあり石仏(神?)の尾根、あるいは山頂からの展望もよく楽しい山である。

 千手堂でお賽銭を上げて安全祈願をしてから、左手の振り向いたら転げ落ちそうな急な石段を登って、飯綱大権現を経て登山道に入る。この辺は小鳥が多くバードウォッチングも楽しいところである。既に降りてくる人が居たり追い越されたり、金曜日ではあるがかなり登る人は多い。
 お休み石を過ぎて急登を登っているとき、白っぽい2cm程の小さな蝶(蛾?)が何十匹(頭?)も飛び交っているのを見た。落ち葉の上を低く飛び交っていてなかなかとまってくれない。毒蛾の仲間じゃないかと心配になった。
蝶?(ドク蛾?)

 見晴らしの良い石仏の並ぶ尾根に出ればもう登ったようなものである。ザックを下ろして一休みしながら利根川を挟んで向いの赤城山を眺め、前橋の町並みを眺め、遠く海のようにかすんでいる関東平野を眺めてのびのびした気分になる。太陽が暖かく気持ちがいい。赤城の黒檜山山頂はもう霧氷をまとって真っ白に輝いていた。


 ここの石仏は、仏と言うより厳しい怖い顔をしており、着ている物も鎧のようで、刀を振りかぶったりしているのもあるから、数から言っても十二神像であろう。しかしまあ十二神も仏教由来の神々で、仏の化身とも言われるから石仏といってもそう間違いではないだろう。

 ここですぐ後を登ってきたご夫婦と一緒になる。奥様同士は早速打ち解けておしゃべり。男どうしはなんとなく無口。そこへさらに単独の男性もやってきた。この尾根は狭く5人では譲り合わなくては展望も楽しめない。
 そこで一番先に到着した我々が居心地のいい尾根を譲って山頂へ向け出発。
石仏のある尾根

 歩き始めるとすぐひところ話題になった「ガンバレ 山頂迄10分 福岡かんだ猿」の標識がここにもある。この標識は全国各地の山にあり、しかし福岡かんだ猿が何者か分からないと言うのである。歳とった悲しさで昨日のことも忘れてしまうくらいなので、その話題の結論がどうなったか失念した。この神出鬼没の”福岡かんだ猿”の正体分かったんでしたっけ。
福岡かんだ猿の標識

 やせ尾根を渡り三角錐のような小山を一登りで山頂である。展望がよく気持ちの良い山頂はウイークデイとも思えないほど賑わっていた。立派な方位盤が立てられてその上にノートが置かれている。読んでみたいと思ったが次々と読む人や書き込む人が居て、気の弱い僕はそばに寄れない。ちょっとのぞいて来た妻の話だと、”昨日も来た、今日も来た”とか、”今朝は富士山が見えました”とか書いてあるそうだ。
山頂風景

  一番いい場所を占領したご婦人達が大きな声で延々とお話を楽しんでいる。どうやらここは、桐生の吾妻山ほど手軽でないにしても、近郊の山好きの人達の社交場になり始めているようだ。僕は歩いたことがないが、森林公園から榛名カントリーに抜ける林道から登るとわずか30分くらいで山頂に来られるそうだ。それも社交場が成立する要因かもしれない。この狭い山頂、土日はどんなことになっているのだろう。
 逆光にかすんでいる相馬山や榛名富士、二つ岳などの榛名の主峰群、遠く既に雪を載せている谷川連峰や日光白根の展望を楽しみ、眼下に船尾滝を眺めながら食事、同じ道を下ってきた。登るときあんなに乱舞していた蝶達はどこへ消えたのか見えず、遅くなっても山頂へ向かう何人かと出会った。





トップページへ 前へ リストへ 次へ
inserted by FC2 system