ときタマ日記 2015年12月16日(水)、17日(木)


横浜散歩


 気が付いたら今年の12月で結婚して50年である。何かしようと思っていたが程良いプランも思いつかず、結局押し詰まってから、その頃よく出かけた横浜へ行ってみることにした。楽天トラベルで検索したら夜景日本一と評判のホテルの部屋が運よくとれた。例によって無計画、時間も行き当たりばったり、でも横浜ならなんとかなる。


山下公園


 横浜からみなとみらい線で元町・中華街・山下公園駅へ。山下公園直行には便利になった。我々が歩いた頃はJRは桜木町駅まで。その後根岸線、地下鉄ブルーライン、みなとみらい線などが開通してアクセスも様変わりである。長い地下道を歩かされるのには吃驚したが、山下公園そのものはほとんど変わっていなかった。久しぶりの海の匂い、中国語が飛び交っている。


ユリカモメ   スズガモ


 マリンタワーも変わりなく頑張っている。エレベーターで展望台へ登る。激変した周囲の風景に対して変わらない山下公園と氷川丸がよくマッチして印象的だ。山下公園は少し山下埠頭側へ拡張されたようだ。一時山下公園前の道路に沿って貨物の引込線の高架が作られ大いに憤慨したものだが、20年ほどで撤去され、今もとの姿に戻っている。よかったね。目の前の風景はこの50年、日本が憧れたアメリカ、物量、大量生産、モータリゼーションの時代を抜け、世界の生産工場から脱しつつある時代を映している。エレベーターに乗ると分かるがマリンタワーってほんとに心細いほど細い塔なんだね。次の50年後も、我々はいないがマリンタワーには残ってほしいものだ。


 マリンタワー展望台
赤レンガ倉庫と大桟橋 
 氷川丸


横浜人形の家
 マリンタワーのエレベーターの搭乗券と横浜人形の家の入場券が割引でセットになっていたので、すぐ横の横浜人形の家へ寄る。横浜で人形と言うと青い目をしたアメリカ生まれのセルロイド人形を勝手にイメージしてしまうが、当時のセルロイド人形はないようだ。世界の人形が沢山展示してある。精巧なドールハウスの展示会も行われていた。 


 
青い目の人形   ピエロ
                         日本の作家の人形 


氷川丸
 50年前にもここにあったが一度も船内に入ったことがない。初めて見学した。戦前からの古い錆びやすい鉄の船なのに、信じられないほどきれいに保存されている。思えば戦前、戦中、戦後のこの船に、それぞれ特別な想いを持っている人達が多いのだろう。最上部の操舵室から最下層の機関室までピカピカ、古い船独特の嫌な匂いもしない。すごいね。 


氷川丸
  一等食堂 
上甲板からマリンタワー  
同、みなとみらい21地区 
 
機関室


 山下公園を海沿いに端まで歩く。餌を捲いてカモメを呼んでおおはしゃぎの中国の観光客。昔通りに並んだベンチに憩う人達。人は多いが変わらない風景。むかしは桜木町から歩いて往復したこともあったのに、疲れた。通りの向かいを見るとバス停があって何人か待っている。横断歩道でもないのに信号の合間を見て4車線の大通りを横断。バスで桜木町へ。様子の分からないお上りさんにみんな親切にバスの案内をしてくれた。


 ガウディ風の変な造形
赤い靴はいてた女の子の像 
昔あったかな? 
 
 
 大桟橋に停泊中のピースボート


 桜木町駅前のホテルにチェックイン。部屋のカードキーを受け取る。これを使わないとエレベータも動かない。部屋の展望は評判通り。しばらく疲れを忘れる。


14階ツインルームからの展望


ランドマークタワー展望フロワ
 部屋でのんびり休んでから夕暮れを待って、ランドマークタワーの69F展望フロワからの横浜の夜景を見に行く。ちょっと西の空の雲が多く夕日は雲の中に沈んでしまい、富士山の夕焼けは見損なった。展望フロワからの夜景も楽しみの一つだった。夜景の撮影は結構露出が難しい。窓ガラスの内側からだから反射が入るのも気になるしね。


ランドマークタワーからの横浜の夜景


 ホテルに戻って予約した3Fのレストランで夕食。後は部屋のバスルームで汗を流して部屋からの夜景を眺めてのんびりするしかない。アルコールに弱いのは大損だね。夜の港横浜、哀愁のハーバーライトとは無縁。光の渦。


 大観覧車のイルミネーションは周期的に色が変わる。
 遊園地は夜遅くまでにぎわっていた。
 夜の日本丸


 2日目、朝食は7時からだが街が店開きするのは10時頃からだろうから、ゆっくり8時過ぎに3Fのレストランで朝食。すぐ前の桜木町駅からランドマークタワーに続く動く歩道は、通勤の人達で一杯。信じられないくらいたくさんの人が途切れることなく桜木町駅からはき出され、誰もが我先に、動く歩道の上を足早に歩いて行く。 


 朝8時
人気はほとんどない。
横浜みなとみらい21地区の朝8時 


 9時半過ぎにチェックアウト。帆船日本丸の横を通り、赤レンガ倉庫に続く散歩道、汽車道を歩く。汽車道は山下埠頭への貨物専用引込線の廃線跡をうまく利用した歩道で、先日バスに乗った山下公園の端まで続いている。


 赤レンガ倉庫周辺はまだ整備中?二棟ある倉庫の間の広場に小さな屋台の様な店を向かい合わせ、クリスマスデコレーションで飾って殺風景さを補っている。倉庫の中は小さなお土産屋さんのような店が雑多に並んでいて、やはり中国語が聞こえる。


 赤レンガ倉庫、2棟ある。
クリスマスデコレーション 
 中はお土産屋さんのような店


 山下公園までは歩かず、横浜税関の青い塔から、旧市街を関内駅に向かって(みなと大通り)を歩く。古い塔のある建物、特に横浜税関の青い塔と、横浜開港記念会館の赤い塔は一度見れば忘れないランドマークである。それに神奈川県庁の四角の塔を加えて横浜三塔というらしい。この道はその三塔が並ぶ道である。昔そんなことは意識もしなかった。 


 横浜税関 クイーンの塔
 横浜市開港記念会館 ジャックの塔           
  神奈川県庁 キングの塔


 
横浜三塔の並ぶみなと大通り 
道が整備されてきれいな街並みになった。


 横浜公園に沿って歩く。建て替えられたはずの横浜スタジアムがもう昔と同じように古びている。横浜のスズメは人に慣れていて1〜2m位近くに平気でやってくる。横浜公園を過ぎると細長い公園がありロダンの彫刻があった。ここは昔の運河を埋めた跡だね。関内の駅ができた頃はまだその下に運河があった。沈んだはしけなどが放置された油やゴミの浮くきたない運河だった。とっくに役目は終って今は高速道路や公園になっている。


横浜スタジアムの雀 
 ロダンの彫刻があった。


 右折して関内駅の前を通り伊勢佐木モールへ。歩行者専用通りの商店街になっていた。昔横浜の商店街と言えば伊勢佐木町だった。今も人通りは多く商店が軒を連ねてはいる。日本の商店街がほとんどシャッター通りになってしまった今、健闘していると言っていいのだろう。


 伊勢佐木モール
昔の松坂屋デパート?雰囲気は残しているが建て替えられている。    


 松坂屋デパートの向かいにあった大きな本屋さん有隣堂も今半分は花屋さんになっていた。伊勢佐木モールを抜けて通勤に使っていた京浜急行日ノ出町駅まで歩く。昔がそのまま古びたような見覚えのある建物も残っていたが、勿論5館はあったよく見に行った映画館は一つも残っていなかった。


           京急日ノ出町駅、あまり変わってない。


 新しさとモダンな古さ?が混在し、確からしい未来に舵を切った懐かしい町、横浜散歩は楽しかったが疲れた。一日目、約1万歩、2日目、8700歩の散歩だった。






トップページへ 前へ リストへ 次へ





           
inserted by FC2 system