庭の鳥

　先日妻が膝痛で突如動けなくなってしまった。自宅だったのでよかったが本当にあわてた。お姫様だっこで軽々ベットまで運んでやれたら点数は上がったのだろうが、生憎そうはいかない。痛がっている妻を居間に敷いた布団に運んで落着かせるのに一苦労。それからほぼ一週間になる。病院通い（５時間待たされた）、食事の用意、後かたずけ、足一本不自由になっただけで、どれほど大変なことになるか身にしみた。特に自由の効かない生身の人間一人を一人で動かすのは容易じゃない。

　妻はまだ歩けないが、傷みも治まって膝も曲がるようになった。今日は流石にじっとして居られず、愛車？に乗って洗濯機を回したり、流しの前の小さな脚立に座って夕食の用意を始めたりしている。妻が不自由で散歩にも行けず、今日は毎日庭に来て慰めてくれた小鳥達を撮ることにした。　　

　メジロはきれいで小さくかわいいからどこでも人気者だね。ジュースが大好きでオレンジでもリンゴでもグレープフルーツでも、それが切れた時は砂糖水でもお構いなし。ジュースが無くなれば生のリンゴも突っついている。何羽来ているのか識別は付かないが、つがいが一組来ていることは確か。

　悪役登場。定番の憎まれ役はヒヨドリだね。大きな声と身体でメジロなど蹴散らしてジュースをほどんど飲んでしまう。かわいくないね。かわいいメジロにジュースをあげたつもりの人にとってはこんな悪いやつはいない。だけどヒヨドリも良く見ればなかなか精悍で凛々しいイケメンだよ。ヒヨドリにジュースをあげたと思えれば、合間にジュースを飲みに来るメジロを許しているヒヨドリが優しい鳥に見えてくる。　

　今日は珍しくムクドリもやって来た。たまに大群を作って人に迷惑をかけるから、この鳥が好きだと言う人も聞いたことがない。でもたまに一羽か二羽、庭を訪ねてきてくれたら、やはり嬉しいね。ムクドリもヒヨドリとほぼ同じ大きさだから、どちらが縄張りを取るのか気になるところだ。ヒヨドリはメジロみたいにペアで並んで食事をするのを見たことがない。ムクドリは二羽で同じ餌台に乗っていることがある。一羽対二羽ではヒヨドリに勝ち目はないが、いろいろ葛藤はあっても我が家の庭の餌台はずっとヒヨドリの天下が続いている。

　ムクドリは精悍とも凛々しいとも言いにくいがよく見れば愛嬌がある。ヒヨドリより人への警戒心が少し強いようだ。餌台にはなじまない鳥かもしれない。人への警戒心はメジロが少なく、私が庭に出てヒヨドリが逃げると、すかさずメジロがやってくるみたいなところがある。　

　群れでやってくるスズメが警戒心は一番強そうだが、見ているとそれなりに個性があって面白い。これはこれでまた別の機会に。