ときタマ日記 2013年4月11日(木)


お上りさんの東京散歩



丸の内中通り
歩道は2倍以上広くなったかな。両方合わせると車道より広い感じ。


 有楽町の晴海通りのガード下から、東京駅前の丸ビルと郵船ビルの間に抜ける道を、丸の内中通りというらしい。この道は昔から、歩道の並木が整備されたきれいな道だったが、いかにも東京的なコンクリートとアスファルトとサラリーマンだけの内向きの街のイメージが強かった。今回40年ぶりに歩いて見るとやはり変わったなあ!おそらく今まったく関係ない誰かがここへ来たとしても、それなりに楽しめる少しは開かれた感じのする街になった。ここで働くサラリーマンやOLにとっては、昼食時のささやかな憩いとプライドを保てる場所になっているのではないだろうか。



 
両側はずっとブランドショップ?が並んで、
歩行者優先の街を演出している。
三菱重工東京本社ビル爆破事件の現場。
  こんな洒落た抜け道もあるよ。
四角四面じゃないんだ。
 


 車道まで石畳風の舗装をして歩道には並木と花を飾り、ガードポスト以外邪魔ものは何もなく、交差点の信号機もない。下町風の雑多な小汚なさを愛する向きには不評かもしれないが、少なくともお上りさんのジジババの時間つぶしの散歩道には向いている。


 40年前、この道に全国の注目が集まったことがある。三菱重工東京本社ビルの爆破事件だ。そんなことでもなければほとんど一般には知られない道だよね。その後というのか、その前から計画されていたのだろうが、丸の内は変り始める。その頃丸の内にはまだ戦前の大日本帝国の面影を伝えるビルが何棟か残っていた。たとえば帝国劇場。同年代の近郊の人ならシネラマを見に行って知ってるよね。勿論三菱銀行本社ビルや郵船ビルも代表格。これらはその頃みな建て替えられ重厚さを捨て、敷居を低くして文字通り今はやりのバリアフリー風になった。最後に庶民にも親しまれた丸ビルと東京中央郵便局ビルも建て替えられて、詳しくは知らないけれど、これで東京駅前から昭和初期の匂いは完全に払しょくされたと言っていいのかな。復元された東京駅は例外だね。


 
数奇屋橋交番
この辺はまだ昔の面影が残っているかな。
旧日劇ビルはルミネに変わってしまったけどね。
  新歌舞伎座ビルの向かいの交差点の角に
ぐんまちゃんちがある。
いい場所確保したもんだね。頑張ってね。
 


 歌舞伎座の前まで歩いてみる。新歌舞伎座は前の面影をそっくり残していて、後ろの巨大な高いビルを除けば何も変わっていない感じ。やはり前にたたずむ人やカメラや携帯を向ける人が沢山いる。一幕チケットを買って中も見て見たいが、たくさん行列している。時間もないので今度ね。歌舞伎町の丁度反対側の歩道の角がぐんまちゃん家。群馬は都道府県知名度ランク最下位だそうだから、少しは知名度がアップするように頑張っているんだろうね。もっとも僕等には県の知名度なんて何の関係もないから、中途半端より最下位の方が楽しいかもね。


 
中古カメラ屋さん   からくり人形 


 有楽町から歌舞伎座までのわずかな距離の間にフィルム時代の古いカメラを並べた店が少なくとも2軒は有った。ショーウインドを覗いただけだけど、一番上に国産の二眼レフが並んでいる。戦後の僕等より前の世代の人達が楽しんだカメラだね。叔父の持っていたのをちょっといじらせてもらったことがあって、写真の楽しさを二眼レフで教えてもらった。50年も前に出たオリンパスペンも並んでいる。何も付いてなくてすべて勘に頼って撮っていた時代の素朴なカメラ達、今でも価値を持っているというのは嬉しいね。人が寄っているので覗いたら、ビルの壁の中でからくり人形が動いていた。 


 
新東京中央郵便局ビル キッテ   キッテの1階ロビー 


 新東京中央郵便局・キッテに寄る。テレビで鳩山さんがごねているのを見たのは何年前だったかね。早いものでもうビルが完成してしまった。吹き抜けの回廊にいろんな店が並んでいて、たくさんの人の後ろに付いてエスカレーターで3階まで歩いてみる。妻はカラフルなスニーカーを壁いっぱい並べた店に興味を持ったらしいが、この感覚は新しい時代のものだね。二人ではいたら楽しそうだよという。あの真っ黄色なのをかい? 6階に展望のいい屋上庭園があったんだね。知らないで見損なってしまった。まあ次のお楽しみだね。


 
復元された東京駅   南口のドームの中


 僕は戦後の東京駅しか知らないので三角屋根のドームにも何も違和感を感じなかった。前の姿を知っている人達がいて、その思い入れのせいか東京駅だけはなぜか100年前の姿に復元された。南口のドームのなかだけ見上げて来たが、前の状態をはっきり覚えていないので何処が変わったのかよく分からない。造り直されたばかりなので簡素でとても綺麗なことだけは確か。8羽の真っ白な鳩がドームを支えている。最近の世の中は物騒だ。平和の象徴の鳩が再び戦火で傷つけられたりする時代が来ないことを祈るばかりだ。







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