ときタマ日記 2010年11月03日



コアシナガバチの巣


コアシナガバチの巣



 コアシナガバチは11月1日に巣立つと、もう一匹も戻ってこなかった。それを確認してから巣を枝ごと切り取って見ると、巣穴の数は約120もある立派な巣だった。巣に居たのは多くて40匹程度と思っていたが、随分たくさん孵っていたんだね。ふたの開いていない巣穴が外壁に面したところに一つだけあり、その外壁には食い破られた穴が開いていた。寄生虫などにやられたのか、羽化がうまくいかず仲間の蜂が処分したのかは分からないが、その外壁の穴から巣穴が二階建てになっているのが分かった。巣穴は奥くほど狭いから、女王蜂のような大きな幼虫やさなぎを育てるために、狭い穴の奥に底を作って、広い部分をさらに伸ばして使ったのだろう。一度働き蜂が孵った巣穴を再利用したのかもしれない。とすると120匹以上の蜂が孵ったことになる。巣だけの重さはたった3グラム強だった。


   8月24日付けときタマ日記以後の様子。


 9月25日:片面だけで20匹程度いるから全体では30〜40匹程度まで増えた。小型の黄色っぽいのはオスだろうか。 
     


 10月3日:何時も巣にへばりついているハチ達がヒイラギナンテンの葉の上まで出て、ガサガサと動き回っている。この日を頂点に2〜3日は落着かない様子だった。  
     


     10月18日:閑散となったコアシナガバチの巣。だが茶色く枯れ始めたヒイラギナンテンの葉の陰の巣の壁に、10数匹のハチが寄り添ってじっとしている。以後11月1日に巣立つまで、たまに何匹かが表側で動いていることもあったが、基本的にはじっと隠れていた。
     


 コアシナガバチは本当に密やかなハチだ。毎日玄関を出る時ちょっと覗いてみるだけだが、このハチと付き合った半年間に、このハチがぶんぶん飛んでいるのを見たことが無い。一度黒い線がふっと巣の方に向かって飛んだのを見て、あれ働きバチが帰って来たのかなと思ったことがある。しかしそのハチが何処へ止まったのか、どのハチが帰って来たのか確認しようもないような飛び方だった。もう一度は玄関を出たら黒い虫が目の前をかすめたので、思わず手で払ってしまってから、あっ、ハチか、と思ってたじろいたことがあったが、何事も起こらなかった。二度ともこのハチが飛んだと確認できた訳ではない。120匹以上のハチが育ったのだから、働きバチはずいぶん狩りをし、餌運びに飛びまわったはずである。だがそれを見たことはない。庭でこのハチが狩りをしているのを見たことも無い。ハチ達は何時も巣に張り付いているか、せいぜいもそもそ動いている程度で、密やかに皆で巣を守っている、という表現が近い。1mくらいの距離からカメラで狙っても、警戒してこちらをにらみ返している奴が何匹かいる、程度で、一度も反撃の気配を感じたことはなかった。ただ近くに植えてあるホトトギスの葉は、虫には余程おいしいらしく、何時も花の咲くころは葉が一枚も残っていない状態だったが、今年はほどんど葉が残った状態で花が咲いた。これはこのハチの狩りのお陰ではないかと思っている。軒を貸してやったので、お返しに花を守ってくれたのだろう。さて来年は、また来てほしいような来てほしくないような、微妙なところである。



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