ときタマ日記 2010年11月01日



巣立ち


コアシナガバチの巣立ち


 ハチ達(おそらく来年の命を宿した女王蜂達)は台風の前の冷え込みにも長雨にも風にもじっと耐えていた。10数匹がヒイラギナンテンの葉の下の巣の陰にぴったりと身を寄せ、身じろぎもせず黒い塊のようになっていた。もうかなり前から、このままハチ達どうなってしまうのだろうと少し気をもんでいた。台風が去り雨があがった今日、台風の運んできた暖かい空気と日差しの中で、待っていたようにハチ達は動きだした。申し合わせたように巣の陰から這い出し、ナンテンの葉に移り茎を伝い、ナンテンの天辺まで登って、一匹ずづふわっと飛び立っていった。目の前を黒い線が走ったと思ったらもう見えなかった。ハチ達はのろのろと、お互いに挨拶し、少しためらうようにヒイラギナンテンを登ってゆく。そして私が巣立ちにきずいてから、5分もたたないうちに、全部の蜂が飛び立っていった。厳しい冬を生き延びた一匹が、また来年我が家の庭に戻って来るだろうか。




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