ときタマ日記 09年06月19日



事 件


道案内テープに引っ掛かった小鳥


 きのう(6月19日)、北八つの唐沢鉱泉から天狗岳に登った。鉱泉から西天狗岳の下までシラビソの林の道には、この案内テープがどこを歩いていても必ず一本は目に入るように、念入りに道際の木に結び付けられている。北八ヶ岳はほとんど歩いていないが、こんな派手な大きなテープがこんなにたくさん設置されたコースも珍しいのではないだろうか。どんなに霧に巻かれても、道が雪に埋まっても道筋が分かるように、登山者の安全のために設置されたものだろう。そのテープに小鳥が引っ掛かってもがいていた。運良く我々が通りかかったので、この小鳥の命はその時点では助かった。テープは薄い化繊の布を引き裂いたもので、切り口は糸がほつれて綿のようになっている。うっかり小鳥が止ると足指に絡み付いてしまう。この小鳥は暴れたので片翼の先端にもしっかり繊維が絡み付いていた。私も知らなかったので、テープを設置した人もきっと小鳥がこんな目に遇うことは知らなかったのだろう。人の命を守りたい人達はきっと小鳥の命も大切にする人達に違いない。この写真がその人達の目に留まり、小鳥の命にも配慮がされることを切に祈る。


小鳥の救出作業
 羽の糸は羽がしなやかなので思ったより簡単に外れた。足に絡んだ糸は足指が細く、つめの先はさらに細く鋭く曲がっているので、折ったり傷つけたりしないためには力を入れる訳にも行かず、簡単には取れなかった。ナイフの小さなはさみを使って絡んだ繊維を出来るだけ短く切り、そっと引っ張って外した。 
小鳥の救出作業


 小鳥は何とか自由になった。枝の上においてやったが暴れて疲れ果てたか、すぐに飛び立つ元気は無かった。しかししっかり枝をつかんで移動することが出来、両方の羽もヒナのように振ってバランスをとることが出来たから、少し休めば飛べるようになるかもしれない。生き延びられるかどうかは神の手に委ねるしかなかった。 
自由になった小鳥(キクイタダキ)


 この森は小鳥が多いらしくずっと小鳥の声を聞きながら歩いた。小鳥を救出して少し登った時、ウグイスのように小さくて地味な小鳥が私達の前を横切った。あれっと思っているうちに枝を渡った小鳥が叉ピンクの道案内のテープにしがみついた。そして次の枝に移ろうとした小鳥の足に、やはりテープは引っ掛かった。瞬間小鳥は自由を失ったが糸はすぐ外れたらしく飛び去った。困ったことに小鳥はあの派手なテープを嫌っては居ない。あるいは巣材として蜘蛛の巣と間違えてわざわざ採りに来るのではなかろうか。西天狗岳の山頂真近に、白ペンキの案内のあるえらく急な岩場があるが、その岩場の岩に、2箇所5cmほどに切れた例のテープの糸くずが張り付いているのに気付いた。小鳥の足に付いて運ばれたのではないかと思った。



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