ときタマ日記 06年10月10日


浅間山


浅間の噴煙


 昨10日、本当に久しぶりに浅間山の外輪山の一角、黒斑山に出かけた。穏やかで暖かい昼下がり、黒斑の山頂から見ると、紅葉の長い裾野を引く火口丘から次々立ち登り、姿を変えてゆく白煙は、ただ美しいだけで、浅間山が本来恐ろしいエネルギーを秘めた火山であることを忘れてしまう。
 車坂峠の登山道の入口付近で穴をほって何か作業をしている二人の若者が居た。帰りには登山道の中腹付近で同じ二人が作業していた。聞いてみると地震計を設置していると言う。13日に5箇所でダイナマイトを爆発させ地震計で浅間山の地下構造の探査を行うと言う。車坂峠からの帰り道でも車道脇の数箇所で地震計の設置作業が行われていた。インターネットで検索してみると気象庁、東大地震研などが共同で実施するもので、650基の地震計を設置して行われると言う大規模なものだ。
 噴煙を見ている我々、英知を集めて緻密に大規模に行われる研究、秘められた膨大な爆発エネルギー、無関係だが9日に行われた北朝鮮の核実験を連想する。恐ろしいのは火山のエネルギーではなく、権力と我欲と猜疑に囚われた人の心だ。これから日本はどう変わるのだろう。この国は外圧がなければ変われないと言われて久しいが、その外圧がアメリカからではなく、経済的には弱小で取るに足らないはずの北朝鮮からやってきたというのは皮肉である。かってアメリカからの外圧を期待している日本人が居た。今回の外圧をじっと待っていた日本人も居るのだろうか。



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