ときタマ日記 06年7月05日


オコジョ君 登場

オコジョ
谷川岳肩の小屋の前でネズミとオコジョが
必死の追撃戦を演じていました。


 昨日久し振りの快晴なので谷川岳に登った。無情にも谷川岳の山頂だけ雲に覆われて展望はまったくなく、そのうち雲もとれるだろうとの期待も裏切られてがっかりです。そんな気持を一転させてくれたのがこのオコジョです。肩の小屋でトイレを借りて戻ってきたら、妻がしきりに指差しして私に合図を送っています。その指の先にこのオコジョが居ました。例の素早い動きで出たり引っ込んだりまた出たり、慌ててカメラを出して液晶でカメラの向きだけ確認し、後はオコジョを直接見て現れるたびにシャッターを押しました。
 それからが大変です。オコジョに狩り出されたネズミが私に向って真っ直ぐ全力で逃げてきます。薄い茶色の小さな可愛いネズミです。転がってくるボールを足で止める要領で右足を出しかけて、躊躇した私の足の下をネズミは駆け抜け、登山道を横切って山側の草むらに逃げ込みました。オコジョは気付いてこちらを見ましたが、私が居るので追うのをあきらめたようです。ネズミは私を利用して逃げたんです。オコジョは更に小屋の前の石積みの間を出たり入ったりネズミを探していました。私はカメラでずっとそれを追っていたんですが、驚いたことにその視界に逃げたはずのネズミが戻ってきたんです。今度はオコジョも猛ダッシュで襲い掛かりました。ネズミも弱そうですが素早いです。捕まったと思った瞬間ジャンプ一閃 1メートル以上も飛んで、石積みの下の草むらに飛び込みました。同時にオコジョも同じカーブを描いて宙を飛んでいました。今度こそ捕まったと思いました。耳を澄ましましたが逃げ回る音もネズミの悲鳴も聞こえません。暫くしたらなんとネズミが石積みの上に現れ、今度は素早く小屋の影に消えました。オコジョはネズミに逃げられたようです。
 この話、なんか出来すぎです。トムとジェリーじゃあるまいし、ネズミがオコジョをおちょくったりするものでしょうか。ネズミが何匹も居たのでしょうか。そうじゃないと思います。ネズミはオコジョの半分くらいの大きさですが、頭の大きさはほとんどオコジョと変わりません。巣へ逃げ込んでもオコジョの追跡はかわせないのでしょう。まして巣に子供が居たら子供はみんな食べられてしまうでしょう。ネズミは自分の命を掛けて、オコジョの目から巣の所在をそらしたのではないのでしょうか。オコジョもネズミも可愛い、などと寝ぼけたことを言っている平成のジジババとは関係なく、彼らは一瞬も気を抜けない命のやり取りの中で生きているんだなあと、いっそう彼らがいとおしくなりました。オコジョにとってネズミは日常のお昼ご飯でしょうが、生き残るネズミも慣れているのでしょう。危機管理は出来ていると言う訳です。


 
私のザックにネズミが隠れていないか検査するオコジョ



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