ときタマ日記 05年11月05日


つわぶき


ツワブキ


 つわぶきは日陰に強い。小さな一株を頂いたものが今では庭や玄関の前など、あまり条件のよくないところで一大勢力になっている。分厚い大きな葉を隙間なく展開して、少ない光を独り占めしてしまうので、そこにあったりゅうのひげやゆきのしたなど完全に息の根を止められて、絶えてしまった。しぶといどくだみもここには生えない。うちの庭では10月半ば頃たくましい花茎をぐんぐん伸ばし、めっきり冷え込んで冬の到来を感じる今頃、そこにだけ暖かい陽光があるかのように黄色い派手な花を咲かせる。


 どこから見つけたのか、どうしてここにあるのが分かるのか、まったく同じ色をしたモンキチョウがやって来た。寒さなど気にもかけず花を回ってゆっくり蜜を吸っている。ちょっとくたびれたモンシロチョウもやってきたが彼女は長居せず、写真を撮る間も与えずにまたひらひらと舞い上がり、生垣の上に消えていった。むかし蝶のことをてふてふと書いたが、消えてゆくモンシロチョウを見ていると、その表現のうまさに今更ながら納得する。
 蝶の飛翔はか弱く優しくはかなげに見えるが、どうして静かな山の上でじっとしていると、アゲハなどパシパシと空気を打つ小さな羽音が聞こえることがある。
 
モンキチョウもやって来た


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