10月5日 ケベックシティ |
バスで4時間半、城塞都市ケベックシティへ。ケベック州の公用語はフランス語で、特にケベックシティはフランス人の多いところだそうで、植民地争奪戦争でイギリスに負けたフランス人の屈折した心情や、執念が色濃い街である。 |
ケベック州旗 ケベック州議事堂は城塞の外、新市街にある。 |
ジャンヌダルク像 |
議事堂の塔のてっぺんに翻る州旗は、白い十字にルイ王朝の家紋ゆりの花が描かれている。ルイ王朝は滅んでもこの旗がケベックの象徴なんだろうね。この旗のもとに結束が揺るがなかったフランス人のプライドと、したたかなイギリス人の魂が今のケベックシティを創っている。 |
ケベックシティ観光の中心点 シャトー・フロンテナック。 約100年前、セントローレンス川から見て城塞の正面に、最初からホテルとして建てられた。 |
セントローレンス川とロアータウン たまたまエメラルド・プリンセス号が寄港していた。 11万3千トン、3000人の乗客を乗せる巨大客船。 河口から約600kmもあるのにね。 |
シャトー・フロンテナックのまえがダルム広場で城塞の上からセントローレンス川とロアータウンが見下ろせる。 |
アッパータウンの観光スポット、ノートルダム聖堂 |
アッパータウンのノートルダム聖堂とは別に、ロアータウンにも勝利のノートルダム教会という小さな尖塔をもつ教会がある。当然イギリスの勝利を記念して建てられたものかと思ったら、英仏戦争でのフランスの勝利を讃えたものだと言う(何百年も戦って勝ったり負けたりしたからね)。ノートルダムって聖母マリアのことだそうで寺院はあちこちにあるんだね。坂東33観音と同じかな。 |
等倍のだまし絵 ロアータウンの建物の壁一面に描かれている。 |
だまし絵の前で手回しオルガンで歌う女性 ちょっと似合ってるかな。 |
アッパータウンの旧市街は城塞に囲まれた都市。一角にイギリスが造った要塞シタデルがあって、未だにイギリス軍が駐屯しているそうだ。ロアータウン旧市街は港街。エメラルド・プリンセス入港のせいか、みやげ物店街は半端でなく賑わっている(ここは日本人ばかりじゃないよ)。新市街はアッパータウンの城塞の外に広がる、整然としたビルの並ぶ官庁街などで、広い大通りを観光用の馬車が闊歩している。新市街とローレンス川の間は戦場公園と言われる広大な公園が広がっている。1759年、英仏戦争の決戦場となったところだと言う。フランスはここで大敗北を喫し植民地をすべて失った。フェアモント・ル・シャトー・フロンテナック泊。ロブスター料理というので楽しみにしていたら、期待よりずっと小さくて残念。 |
10月6日 モントリオール |
ケベックシティからバスで3時間半、ケベック州最大の都市モントリオールへ。 |
モントリオールにもノートルダム教会があり観光の中心になっている。今の形になったのは1843年とあり約170年程の歴史がある。映画タイタニックの主題歌を歌った歌手セリーヌ・ディオンが結婚式を挙げたことでも有名らしい。 |
モントリオールのノートルダム教会 | 教会前の広場 向かいの建物はモントリオール銀行らしい |
正面の外観はマリア像を中心にした三体の聖像以外はほとんど装飾もない簡素な造り。聖堂の内装は1880年に完成したものだそうで、青い光でライトアップされた金ピカの祭壇は文句なしに美しい。青は聖なる色、聖母マリアの色だそうだ。パリのノートルダム大聖堂は大きく、高く、暗く、積み重なる重い歴史を感じさせるが、こちらは荘重な中にも、ずっとモダンな不思議な明るさと暖かさを感じさせる造りである。 |
ライトアップされた美しい祭壇 | 聖母子像 |
祭壇に面して(入口側)の頭上には約束通り巨大なパイプオルガンが設置されている。その下の入口の横の壁に聖母子像が祀られている。何気なく撮って来たがよく見るとちょっと笑えるかな。マリアが手にしているのはカナダの象徴メープルリーフ、マリアの頭上には二人のかわいい天使が白いユリの花の王冠を今まさに載せようとしている。念が入ったことに、その絵の後ろの壁の装飾までルイ王朝の家紋、ゆりの花である。 |
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聖母マリア |
外の正面の壁の中央に置かれた美しいマリア像、これもよく見ると足元に巨大な口と大きな目をしたゴジラみたいなものを踏みつけている。日本のお寺の仁王様が邪鬼を踏みつけているのはお似合いだが、マリア様がこのお姿で同じことをしているとはね、始めて知って驚ろいた。さらに台座の横にフクロウが置いてある。本物かと思ったけれど木彫みたいだね。マリアの右の羊飼いの姿をした聖像の足元にも置いてあるよ。ウェブで検索してみると、意味はよく分からないがフクロウとサラマンダーはノートルダムの付き物みたいだね。カトリックで育った人達にはよく分っている故事があるのかもしれない(まさかこのゴジラ、イギリスのことじゃないよね)。 |
ウェブ検索と言えば、その中に、この教会はフランス人統治のために、カトリック教会を利用しようとしたイギリスの支援で建てられたというのがある。当然それに反発するカトリックの一派もあって、すぐ近くに同じカトリック教会を立てたという。そう言えばモントリオールの観光地図にも、他に、世界の女王マリア大聖堂というのがある。ケベックシティの二つのノートルダムも同じ構図かもしれないね。ことの大小はあれ、人は何時も争い、利用し、反発し、聖者といえども穏やかにはならないね。 |
同じツアーに参加した人達。ことさら名前の紹介もなく、全員で記念撮影なんてこともなかったし、一つのフレームの中が参加者だけ、なんていうほど集まることもなかったが、この時は珍しく写っているのは参加者だけ。参加者の7割位かな。この頃は少なくともお互いに顔くらいは分るようになっていた。 | ||
同じツアーに参加した人達と |
お土産店街 | ルビー君 |
ツアーと提携しているのかね、お土産屋さんに連れて行かれる。お土産には興味がないけれど、店内をぶらぶら。手持無沙汰ったらありゃあしない。ルビー君とは広い草原で草を食んでいる時に遇いたかったね。 ハイアット・リージェンシー・モントリオール泊。 |
10月7日 レイクルーズヘ移動 |
又、大移動。モーニングコール 5:00、冗談じゃないんだよ。6:30ホテル出発。バスでモントリオール空港へ。空路トロントを経てカルガリーへ(2時間時差がある)。そしてまたバスでカナディアンロッキーのレイク・ルイーズへ。しかし早出したお陰でまだ明るいうち(17時前)にレイク・ルイーズ着いた。カナダはやはり広い。モントリオールからレイク・ルイーズへの移動は空路の5時間半を含めて、約12時間かかる。 |
モントリオール空港で日の出 | カルガリー上空:遠くロッキー山脈が見えた。 |
カルガリーから高速道路をバスでロッキー山脈に向かってひた走る。遠くにカルガリーのビル群や、冬季オリンピックのスキージャンプ台を見ながら広い牧場に沿って走る。その広さと対称的に、丘の上にびっしり日本と変わらない狭い木造二階建ての住宅が立っていたりして吃驚する。むかし原住民がバッファローを追い落として捕らえた崖などがあるそうだ。2時間も走るとロッキーの山麓に入り込む感じで車窓の両側の山がどんどん険しくなる。 |
休憩所で | レイク・ルイーズ |
レイク・ルイーズはカナディアンロッキー観光の至宝と言っていいのではないかな(他はあまり見てないからいい加減だけど)。こちら側から見るとこの自然がいかに愛され、大切にされているかが分る。しかしここは秘境ではない。湖の左側には貸しカヌー屋さんがあり、右側にはまったく目立たないが奥の氷河近くまで行けるハイキングコースもある。誰もが都会からバスで簡単に行けるところである。 |
レイクルイーズ | なんて言う鳥? |
湖の水が流れ出す小川の右側には、巨大なホテル、フェアモント・シャトー・レイク・ルイーズがある。湖とホテルの間は公園になっていて、遊歩道と貸しカヌーの小屋とその桟橋だけがあるが、その範囲は程よく限定されていてその先には目に付く人工物はなにもない。観光業的にいえば事実上この湖はこのホテルが独占し、支配することが許されているようだ。それによってこの湖独特の景観が保たれていると言えそうだ。 |
ホテルのロビー | こんな夕焼けもあるんだね。 ザ・フェアモント・シャトー・レイク・ルイーズ |
ホテルのロビーのアーチ窓越しに見えるレイク・ルイーズ。この世のものとも思えないね。せめてこんなところに1、2泊して、ハイキングしたり、カヌーに乗ったり、ロビーでゆっくり寛いだりしたら、さぞいい気分だろうね(すぐ飽きるだろうけど)。我々ツアー一行はレイクビューの部屋を予約しなかった人も、全員がレイクビューのいい部屋に泊れた。ガイドさんによればたまには運のいいこともあるそうだ。さあ我々は明日も早立ちだよ。 |