2015年07月31日(金) | 浄土山 | 立山 |
6時半に一番で朝食を用意してもらって7時にはホワイトベルを出発。ケーブルカー駅に一番近い駐車場は既に満車で、次の駐車場もほぼ満車だったが何とか止めることができた。ケーブルカーと立山高原バスを乗り継いで室堂ターミナル8時50分着、9時には歩き始める。立山高原バスは40分間隔だが客が多ければ20分間隔くらいでバスを出しているようだ。 |
室 堂 |
室堂ターミナル前は流石に賑やかで若い人が多い。期待通りの展望で風も無く絶好のハイキング日和。室堂から見上げる浄土山は思ったより大きく、険しく、ピラミッドのようにそびえている。だが何てことはない、はず?。まずはよかった。早速歩き始める。 |
浄土山(北峰) |
独特の舗装道路。まだしっかりしているようだ。お花畑はチングルマの綿毛が多い。ミヤマキンポウゲやシナノキンバイも咲いている。 | ||
室堂の舗装道路 |
ヘリによる小屋への荷揚げはもう当たり前になっているが、室堂では舗装道路を利用して雪上車みたいなトラクターが人の歩くような速度でガタガタやってくる。 |
荷揚げ |
シナノキンバイ | タカネイブキボウフウ? |
ミヤマキンポウゲ | オンタデ |
舗装道路を右に分岐して浄土山方向へ。真ん中の手書きの看板には8月1日(土)の剱御前小屋、剱沢小屋、内蔵助山荘は満室で予約がなければ泊れないとの注意書きがある。 |
浄土山への分岐 |
結構沢山の人が歩いている。 |
室堂ターミナルと大日岳 |
結構な急登だね。天まで届きそうだ。 | コバイケイソウ |
ナナカマド | ヨツバシオガマ |
チングルマ |
ゆっくり登って来る巨大なザックを背負った一団にも追い越される。ゆっくりゆっくり。浄土山登山口はひとまずスルーしてまずは室堂山展望台へ。 |
大きなザックのグループに追い越された。 | 浄土山登山口 |
もうお昼に近いし、湿度が高くて時間がたつとどんどん霞んでくるので、取敢えず室堂山展望台から北アルプスの展望ゲット。何とか間に合ったようだ。遠くに槍・穂高と笠ケ岳、中央近くに水晶岳、左に黒部五郎岳、薬師岳、手前に五色ヶ原が見える。 |
室堂山展望台の展望 |
展望台でゆっくり休憩、水平線の下はたぶん日本海、雲の上に浮いている独立峰は何時もの感じで乗鞍か御岳かなと思ったら白山だと言う。白山が近いんだね。僅かな時間で雲がどんどん増えてくる。これもまたいい。山が見えるのは当たり前と思っているけど、結構運がいいと言うことなんだね。 |
室堂山展望台 |
槍・穂高のアップ |
30分ほどで見る見る霞んでくる。 |
浄土山を見上げると行列して登っている人達でコースが分かる。上の方は結構イワイワで険しそうだ。さて我々も登ろう。浄土山登山口まで戻って雪渓を渡る。 |
浄土山を登る人達 | 上の方は結構イワイワ |
登山口から雪渓を渡る。 | ハクサンイチゲ |
出だしも結構イワイワの歩きにくい道だ。3時間のハイキングコースだと思って来た人は、みんな苦労している。お花はたくさん咲いていて慰めにはなる。 |
イワツメグサ | クルマユリ |
だんだん険しさが増す。重なりあう花崗岩の大きなイワイワに苦労する。上から明らかに我々より年上のお姉さまの一団が優雅に下りて来た。誰かにくっついてずっと山登りを続けて来たグループの生き残りかな。朝4時前に五色ヶ原を出てヘッデンを点けて歩いて来たという。今頃イワイワに足元をとられてふらふら登っている我々なんかは頭からなめられている。プライド高そう。自衛隊の練習機が一機、立山を一回りして飛び去って行く。あんなので自由に空を駆けるのは男の子の夢なんだけど。 | ||
いわいわを苦労して登る |
自衛隊の練習機 | この柱まで来たらもう登ったも同然。 |
薬師岳も雲にのまれそう。 | ウサギギク |
浄土山(北峰)山頂には軍人霊碑がある。日露戦争の旅順要塞攻略戦・奉天大会戦で、乃木大将の下で戦い、最も多くの戦死・戦病死者を出した、富山県人を主体に編成された第3軍、第9師団、歩兵第35連隊の、その時の戦死・戦病死者2595柱を祀ったものという。明治42年に建立されてその後荒れ果てていたものを、ちょうど10年前、平成17年に再建修復したものとある。 |
浄土山(北峰)山頂の軍人霊碑 |
立山(雄山、大汝、富士の折立)と一ノ越山荘 |
雄山山頂 |
一ノ越山荘 |
前に来た時、雄山山頂からは目の前に針の木岳、爺が岳、鹿島槍、五竜、唐松、白馬三山などがズラリと並んで見えたが、浄土山からでは爺が岳までがギリギリでその先は立山の陰になって見えない。見えると思っていたのでちょっと残念。 |
剱岳 |
尾根の間に白馬の山頂が僅かに見える。 |
浄土山(南峰)、とがった山頂は竜王岳 |
浄土山の山頂でまた鷹が飛ぶのを見た。こんなに特徴がはっきりしているのに素人には種類がよく分からない。ハチクマに似ているがハチクマは蜂が主食だと言うし、こんな高い所にいるのだろうか。いずれにしろこんなのが飛んでいればライチョウは出てこない。 |
ハチクマ? |
ミヤマリンドウやイワギキョウ、ウサギギクなどの咲く尾根の道を浄土山(南峰)山頂に向かう。 |
イワギキョウ | イワギキョウ |
南峰は広い山頂で、富山大学の立山研究所の小屋がある。北アルプスの山の三差路だから、たくさんの登山者が入れ替わりにやってくる。、いかにも強そうなベテランから、昨日剱岳を登ってきましたという少し鼻の高い嬉しそうな若い男女、初々しい初心者から、我々のようなよたれまで。適当なベンチを選んで昼食。昨日のおにぎりがおいしかったのでまた買って来た。少し大きめの海苔おにぎりの中に梅干しか昆布の佃煮が入っているだけだが、お米がおいしい。流石富山だ。 目の前の竜王岳はガイドに5分と書いてあるが、我々にはもう十分で、とても登る気にはならなかった。登れば違う景色が見えたんだろうにね。 |
浄土山山頂(南峰) |
浄土山山頂(北峰) |
竜王岳 |
針の木岳 |
一ノ越から雄山に登る道は蟻の道のように登る人の列ができている。ほとんどは中高校生位の学童登山だ。 |
雄山に登る人の行列 |
さて我々も充分休んで元気も回復したはずなので一ノ越へ下る。もう険しい登りも無く展望最高のだらだらの尾根を下るだけ。 お花も一杯で最高のハイキングコースだよね。だけど下ってみると下り一方の岩だらけの道は普段あまり歩いていないから結構きつい。 |
最高に贅沢なハイキングコースを下る。 |
一ノ越山荘への下り道 |
竜王岳 |
キャンプ場と称名川を渡る橋が見える。 |
タカネツメクサ | ミヤマアキノキリンソウ |
イワギキョウ | タカネツメクサ |
トウヤクリンドウ | チシマギキョウ |
あんななだらかな下りに見えたのに、こんなとこも |
何時も出てくるイワヒバリ |
ミヤマアキノキリンソウ |
ようよう一ノ越山荘まで下って来た。トイレ休憩。展望台から北アルプスの山並みを見る。先回来た時はここに出ただけでかなり感動したが、今回はずっと展望を楽しんできたので全然感動しない。しかしやはり展望は雄山に登るのが一番のようだ。また来る機会があったら雄山に登ろう。 |
一ノ越山荘に到着 |
一ノ越山荘の展望 |
槍ヶ岳 |
一ノ越から下る。ここからは一段と勾配のない舗装道路の下り。快調に下れるはずという予想とは大違い。結構勾配はあるし岩を固めた舗装道路は砂が乗って滑りそうだし、けつまずいたり、歩きにくいんだなこれが。膝を庇う妻は悪戦苦闘。お地蔵さん無事に下ろして下さいな。 |
一ノ越からの下り。 | お地蔵さん |
ミヤマコクワガタ? | ミヤマリンドウ |
我々にできることはゆっくり時間をかけるだけ。みんなに追い越されて、雪渓を幾つも渡ってようよう室堂平にたどり着いた。子供たちが下ってしまうと流石の室堂平も広々とした静寂が支配する。我々の心象風景にぴったりだ。暮れなずむ室堂平もいいなあ(負け惜しみ)。結局3時間のコースを6時間の予定が7時間掛った。二人にはこれが限界だね。天気が安定していてよかった。 |
雪渓を幾つも越えて |
室堂平に戻る。 |
空調の利いた立山高原バスの中でうとうとして、少し元気回復。バスは臨時が出て20分間隔だがケーブルカーはタイミングでバス2台分を一度に乗せるのか、都会の通勤電車だって最近はこうは混まないと言うほどの混みよう。ぎゅうぎゅう詰めの7分間だった。疲れたらどこかで好きなだけ休むことにして立山駅の駐車場を後に家路に着いた。 |
赤い満月 |
ブルームーン? |
高速に乗って日が暮れたら湿気をたっぷり含んだ白っぽい夜空の中に赤い満月が浮かんでいた。村上春樹の1Q84の世界を突っ走っているような浮遊感。あわてて二つ目の月を探してみる。月は一つだ。二人の世界はまだリアルなようだ。興奮が残っているのか眠くもならず、足もつらず、少しづつ高くなる月に案内されて無事帰宅できた。 |