2014年07月29日(火) 栂池自然園 北アルプス


 月曜日(7月28日)は連日の猛暑が嘘のような爽やかなよい天気で、これが水曜まで続くと言う。今年の夏は一切予定なしだが、じゃあせめて北アルプスを見に行こうかと言うことになり、29日は朝3時起きで4時前に高崎インターから高速に乗る。朝4時はまだ暗く佐久へ抜けた頃、浅間山の右に太陽が登って来た。途中2ヶ所で休憩を取り長野からオリンピック道路で白馬へ。8時前にゴンドラリフト栂池高原駅前の広い駐車場に着く。


 コース:栂池自然園ビジターセンター9:00→ミズバショウ湿原→風穴9:25→ワタスゲ湿原→浮島湿原10:15-11:00→モウセン池11:25→展望台11:35-11:50→浮島湿原12:15→ビジターセンター12:50 (所要時間3時間50分)

 ゴンドラリフト20分、ロープウエイ5分、 乗り継ぎ(ちょっと歩く)と待ち時間を入れて約50分。これで標高差約1000m登る。自然園入場料込みで往復3600円/人。
栂池自然園・浮島湿原


 途中はずっと快適なドライブで、オリンピック道路の白馬長野有料道路のトンネルを抜けた途端、正面に狙い通りに鹿島槍と五竜岳の山頂と稜線がすっきり見えて思わずやったねと言う感じ。


 右は大町辺りまで下って来た時に車を止めて撮った白馬岳で、期待は高まる一方である。
白馬岳


 左はゴンドラリフトに揺られながら見た白馬岳で、白い雲が付き始めてちょっと焦る。長大な八方尾根と唐松岳は最後まで見えていたが、ゴンドラリフトとロープウエイに乗っている間に、鹿島槍と五竜岳は山頂を僅かに残して湧き上がる雲の陰に隠れてしまった。
白馬岳


  ゴンドラリフトは6人乗りのゴンドラが次々連なって来るので待ち時間は無し。ゴンドラを独占できる。上の駅栂の森駅まで約20分。森の中の広い道を5分ほど歩いてロープウエイの駅へ。ロープウエイは71人乗りだそうで約20分おきの運行で運が悪ければ20分待たされる。乗れば5分で自然園駅(標高1829m)。両方で一気に990m登る。ここから約400m歩いてビジターセンターへ、ここからが栂池自然園。


シオガマギク? ロープウエイ自然園駅から栂池ヒュッテ


 3世代で遊びに来た小さな孫もパパやババに励まされて元気に歩いている。妻が落ちていたアサギマダラを拾った。まだ生きているが、羽化に失敗したのか片方の翼が捩じれていてもう飛べない。草の上に返してやる。


栂池自然園入口 落ちたアサギマダラ


 さてビジターセンターで切符を見せて園内へ。分岐があるが初めてなのでどう歩くのがいいか分からない。しかし整備された自然園を歩くだけと言うのは、赤城自然園の散歩と同じで気楽。ロープウエイの駅で貰ったパンフレットの地図を頼りに、ぞろぞろ歩く人が多い方が人気があるのだろうとその後に付いて行く。おおむね分岐は左側を選択する。道はほとんど広い木道で整備されていた。


イワイチョウ ミズバショウ湿原


 最初はミズバショウ湿原。ワタスゲやイワイチョウが目立つ季節。クルマユリやアヤメもニッコウキスゲも道端に咲いているが今は地味な感じ。遠く天狗原辺りから流れ落ちる滝が見える。


ツマトリソウ


サンカヨウ キヌガサソウ


 途中の岩場に風穴があって、穴の中に残雪や氷が残っているから前に置かれた温度計は4℃だった。冷蔵庫の中並みの温度。結構木道を歩く人が多いから涼しさを味わっている暇はない。風穴の前後にキヌガサソウの小さな群落がある。場所によって純白に近いものから、赤みの強いもの、小ぶり、大ぶりなどかなり変化がある。 


 
キヌガサソウ    


 キヌガサソウは群馬ではあまりお目にかからない。妻は思いがけず好きな花に会えて大喜び。キヌガサソウは歩いている人にも人気があって、みんな替わりばんこに写真を撮って行く。スマートフォンが結構多い。



キヌガサソウ 風穴


ワタスゲ湿原


 ミズバショウ湿原の次はワタスゲ湿原。ずっとワタスゲとニッコウキスゲの咲く木道を散歩する。タテヤマリンドウがたくさん咲いている。その下に食虫植物のモウセンゴケがびっしり生えている。もう穂になってしまったがチングルマもある。場所によっては花もまだ残っている。


 
 チングルマ   タテヤマリンドウ


 ここのアヤメはヒオウギアヤメらしい。誰かさんのおしるしとして一時名が知れたことがある。前橋ではあまり見たことがない黒っぽいトンボがたくさん飛んでいる。用心深くて近くになかなか止まってくれない。やっと一枚撮れた。調べてみたらカオジロトンボと言うらしい。アキアカネとほぼ同じ大きさのトンボである。


ヒオウギアヤメ カオジロトンボ♂


 栂池自然園は尾瀬ほど平らで広くはない。森の中の赤城自然園とも全く違う明るさがあり、爽やかさがある。あまり頑張らない人達が木道の上を三々五々散歩を楽しんでいるのが見える。何となく安心できるいい風景だね。 


ワタスゲ湿原 ワタスゲ湿原


 カラマツソウが一杯咲いている。中にピンクっぽい雰囲気の違うカラマツソウがある。枯れかけかなと思ったが一応撮ってきたら、ミヤマカラマツという別の種類らしい。


シナノキンバイ ミヤマカラマツ


 ワタスゲ湿原の外れに楠川と言う小川が流れていて休憩できる。トイレもあり一休み。ここから約標高差50m登ると浮島湿原に出る。その間の坂道にまたキヌガサソウの群落がある。ギンリョウソウも見付けた。


ギンリョウソウ キヌガサソウ


 浮島湿原はいま栂池自然園の中で一番華やかなようだ。ここを一周して休憩ベンチで休憩。岐阜から来たという似たようなご夫婦と一緒になる。おしゃべりな奥さんと穏やかな旦那さん。何処も大体同じだね。
  浮島湿原 


 ニッコウキスゲとワタスゲ、一番いい時期みたいだね。
ニッコウキスゲとワタスゲ


 浮島湿原の名前の元になったと思われる小さな池と小さな浮島がある。一周30分位だろうか、浮島湿原には休憩用に造られたデッキとベンチが二か所ある。人が次々歩いてくる木道では道のわきでちょっと休憩が出来ない。ベンチはめったに空いていない。運よく空いていたらありがたく一休みする。水分補給して甘いものを食べて疲れを癒してまた歩く。


クルマユリ 浮島湿原


浮島湿原


 昨年はドライブで軽井沢から草津白根、それから吹き割りの滝まで来たと言う岐阜のご夫婦とお別れして、展望湿原への道を登る。銀命水とかモウセン池とか小さな湿原を巡り標高差90m今日一番のきつい?階段を登る。


浮島湿原


 途中、栂池自然園のほぼ全景を見渡せる高台に出る。またキヌガサソウが咲いている。ハクサンコザクラの咲く湿原を抜けると、いよいよ白馬岳と大雪渓が展望できる展望台(標高2010m)に出る。30人くらいは休憩できるデッキとベンチがある。


栂池自然園全景 オオバミゾホウズキ


ハクサンコザクラ ハクサンコザクラ


 残念だね。白馬岳の山頂付近は霧に覆われて見えなかった。大雪渓は見えてズームアップすると雪渓を登る登山者が見える。えらい急傾斜に見えるもんだね。かなりの人が休憩を兼ねて霧が上がるのを待っている。15分ほど待って見たが霧が上がる様子は見えず、あきらめて来た道を戻る。


白馬大雪渓 白馬大雪渓を登る人



アカモノ イブキトラノオ


 浮島湿原からは来る時歩かなかった道を選んでワタスゲ湿原、ミズバショウ湿原へ戻る。どちらかと言えば今の時期は来る時の道の方が花も人も多かったように思う。  


   
ワタスゲ湿原   オタカラコウ


 


   
    ワタスゲ湿原


 


 
クルマユリ    クルマユリ


 ミズバショウ湿原へ戻ってきたら、ひどい轟音を残してヘリが飛んできた。山小屋への荷揚げかなと思ったら、救助作業の様だ。天狗原の斜面あたりでホバリングし救助隊員をおろしている。県警のヘリらしい。そのうち人の引き上げが始まり、収容すると飛び去った。


 ズームアップすると黄色いハーネスを付けた女性を、橙色の救助隊員がしっかり確保して釣りあげているのが分かる。遭難・重傷者の救出といった深刻な感じはない。情報が無いので詳細は分からないが、足でもくじいて動けなくなった人を救出したのかもしれない。こういう時は頼もしいね。  
    ヘリの救助作業


   無事ビジターセンター帰着。待ち時間も無くロープウエイ、ゴンドラリフトを乗り継いで栂池高原駅に下る。
ビジターセンターに戻る。    


 温泉は探してウロウロするのが嫌だったので、栂池高原駅前のお土産屋さんの二階の栂の湯で済ます。手軽で疲れがとれてよかった。休憩所が少し手狭な感じで混んでくるとのんびりできないかも。北アルプスの爽やかな高原散歩(約14000歩)を楽しんで明るい内に楽々前橋に帰着した。 





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