2011.06.30(木) 水の塔山・東籠の登山 浅間連峰


 6月14日に高峰山を歩いた時、高峰温泉から水の塔山、東籠の登山への稜線がなだらかに伸びていて、高峰温泉から歩いたら程々で楽しそうに思えた。このコースは何年か前の冬、スキー場の駐車場から歩いたことがある。

 コース:高峰温泉9:55→水の塔山11:15-11:25→東籠の登山12:20-12:30→池の平駐車場13:05-14:05→高峰温泉14:55 (所要時間5時間00分)


 駐車場は高峰温泉に場所を指定してもらって貸りたが、混みあう時は無理かもしれない。前の広場は路線バスのUターンの場所になっている。

水の塔山(右)・東籠の登山(6/14日撮影)


 高峰温泉の前に広場があるのは知っていたが、これは路線バスのUターンするスペースで、駐車禁止だそうである。これを除くと駐車スペースはあまりなく、高峰温泉の営業を考えると土日に、駐車場だけを借りるのは無理かもしれない。 
 来る途中、カーナビのワンセグTVが長野で地震が発生、松本で震度5強と伝えている。車で走っていては全く分からなかった。念のために高峰温泉の人やちょうど時間待ちしていたバスの運転手さんに聞いてみたが、まったく気がつかなかったと言う。なら大丈夫だろう。


 登山口はバス停のすぐ横で分りやすい。車坂峠から高峰温泉辺りの林道や、水の塔山の登山口周辺はまだレンゲツツジが満開で、レンゲツツジに彩られただらだらの道を登る。


 前来た時は雪で印象になかったが、この道もシャクナゲの多い道で、ただ残念なことにアズマシャクナゲは終わっていて、ハクサンシャクナゲはつぼみはたくさんあるがこれからだった。


高峰山とズミ ハクサンシャクナゲはこれから


 本来水の塔山も東籠の登山も展望の山で楽しみなのだが、先回来た時も遠望は利かなかった。今回も期待薄である。まあ梅雨時、歩ける時に歩くが最優先で、天気は持ってくれれば贅沢は言わない。


   
キスミレ   ツマトリソウ


 天気は今一。お陰で太陽の直射に焼かれることもなく助かる。ウグイスやカッコウやほかの小鳥の声も聞こえてのどか。樹林帯を抜けるとガラガラの岩場で、登りはだんだんきつくなる。車坂峠から高峰山の全貌と、歩き始めた高峰温泉がよく見える。


ホシガラス 6月14日に歩いた高峰山


 シャクナゲは端境期、ハクサンチドリかテガタチドリかよく分からないが、何本も太い花茎をまっすぐ伸ばした大きなつぼみもある。ちょっと残念だが小さなお花はたくさんあって、道草には事欠かない。やはりコイワカガミが多いようだ。今朝、東籠の登まで行って来たという単独の男性が下りてきた。東籠の登まで行っても危ないところは有りませんよと励ましてくれた。地震の影響はないようだ。


 
がれた岩場   咲き残ったアズマシャクナゲ


 なんだかんだと登っているうちに山頂到着。後から登って来た同年輩のご夫婦と一緒になる。お二人は天気を気にしていたのか、休憩もそこそこに東籠の登山への縦走路に入って行った。


 
水の塔山山頂   山頂の西側の展望、東籠の登山(左)
後ろは西籠の登山と湯の丸山。


 我々はザックを下して一息つく。浅間山が山頂だけ見せている。活火山はやはり雰囲気が違って凄味がある。前掛山がやけに高く見える。本当に前掛け山だよね。天気はどんどん怪しくなる。暗い雲が気になる。ごろごろ言い出さなければいいんだけど。


   山頂の東側の展望:黒斑山の向こうに前掛山と浅間山の山頂(火口)が見える。 
 正面(南側)はせいぜい高峰山しか見えない。
     


 水分を補給して、我々も東籠の登山へ向かう。道は険しい所は北側の灌木の中を巻くようになっている。アズマシャクナゲとハクサンシャクナゲの木はたくさんあるが花はない。タイミングが合えばここもきれいだろうなあと思う。


水の塔山⇔東籠の登山の縦走路 コイワカガミ


 潅木の林の中以外は歩きやすい道である。天候のせいか虫が多くて参った。
水の塔山


 あかぞれはのぞき込むとぞっとするような場所である。真下に帰りに歩く林道が見えている。こんながけの上や下の道の途中で、地震にはあいたくないものだ。
あかぞれ


 いくつか小さなこぶがあって、我々が下っている時、先を行く二人が次のこぶを登っているのが見えたりして、それだけで何か心強かったりする。


東籠の登山が近くなる ツガザクラ


 最期の東籠の登山への登りは勾配がやや急だが、一登りで山頂に出る。山頂には先行したお二人がいたが、他には誰もいない。池の平の駐車場をのぞき込むと、大型観光バスが3〜4台、乗用車も沢山見えるが、今は池の平の三方が峰のコマクサが旬で、籠の登山へ登って来る人は少ないようだ。


東籠の登山北側の展望:ぼんやりと四阿山
手前は田代湖と村上山
東籠の登山山頂


 山頂の遠望は利かないが、濃霧と言うほどでもない。が、とうとうぽつぽつ雨が降り出してしまった。仕方なくここで予定していた昼食は中止。ヤッケを引っ張り出して上着だけ着こむ。暑くないのが救いだ。アミノ酸ゼリーでカロリー補給。


   まあピーカンの山より、確かに雰囲気は有りそうだ。歩いてきた道を、流れてくる雲の様子を見ながら何枚も撮った。
水の塔山と歩いてきた尾根道    


 池の平はすぐ足元、中を歩いているとあまり気付かないが、こうして上から見るとまさに火口そのものだね。赤城山の小沼と長七郎岳に似ている。小沼も後何千年か何万年かすると、埋まって平らな原っぱになるのだろう。  
    池の平と三方が峰


   雨の中をまあ元気よく下る。唐松の原生林の下にゴゼンタチバナやマイズルソウの群落などがあるが、暗い森の中で白い小さな花を撮るのは難しい。ほとんどブレるか白く飛んでしまうかどちらかだ。
ゴゼンタチバナ    


 高峰温泉に戻らなければならないので、冬来た時のように林道を出来るだけショートカットしようと、左側に分岐する道を探しながら歩いたが、見当たらなかった。結局池の平駐車場まで歩いた。下っているうちに雨はあがった。


 
コイワカガミ   何これ?
西籠の登山と東籠の登山


 池の平入口の林の中のベンチで妻が用意したおにぎりで昼食。新鮮なきゅうりの浅漬けがうまかった。食べているうちに天気はみるみる回復。駐車場の上に出てみると、さっき歩いた山の上にはさわやかな青空が広がっていた。たった小一時間前は雨だったんだよ。いきなり雷が鳴るんじゃないかとびくびくしていたんだよ。でも神様の悪口言うのはよそう。雷が鳴らなかっただけ良かった。神様はちゃんと守ってくれたよ。

 折角晴れたので、ザックはベンチに置いてアヤメやスズランの咲く池の平の山側の道を、最初の丘の上の展望台まで登って見る。池の平を一回り出来れば一番いいんだけれど、あまり無理はできないね。青空の下の東籠の登山と水の塔山を見てベンチへ戻った。


   
東籠の登山と水の塔山   池の平のスズラン


 駐車場でトイレを借りる。料金所のおじさん達は大変愛想がいい。我々は駐車場を借りた訳でもないのにお帰りなさい、とかお疲れ様、とか声が掛る。トイレの床は登山靴のまま入っては申し訳ない位ピカピカに磨かれていて、思わず広い入口で立ち止まってしまった。


 池の平から高峰温泉まで、午前中に歩いた尾根を見上げながら林道を歩く。非舗装だがアスファルト混じりの砂利をローラー掛けしてあるようで、その上少し下り道だから歩きやすい。車も4〜5台通ったがそれほど苦にはならなかった。道端にシロバナノヘビイチゴの群落がある。  
  水の塔山



 
 シロバナノヘビイチゴ    


 そろそろ疲れてペースが落ちてきた頃、高峰温泉にたどり着いた。ちょうど3時頃だったが、聞いてみたら入湯出来るそうなので、利用させてもらう。入湯料は500円、お風呂は同時に4人が限度くらいで広くはない。シャンプーや石鹸は使えない。お風呂から出てみると、時間が時間だけに宿泊客の団体さん達が到着して、フロント、ロビーともかなりにぎやかになっていた。


 
高峰温泉   ヤマオダマキ


 さっぱりして車で車坂峠を下る。 今日は標高差277m、距離7km位は歩けたかな。車道の両脇にはヤマオダマキが沢山咲いていた。 





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