2011.06.14(火) 高峰山 浅間連峰


 標高2106mの高峰山は、小諸インター辺りから浅間連峰を見るとき、一番近くに高く三角形の山頂を見せる文字通りの高峰だが、車坂峠まで車で登ってしまうと、山らしいピークや険しさは、なだらかな尾根の陰に隠されてしまう地味な山である。駐車場から標高差100mほどのホテルの裏山を登ってしまえば、後は心地よい尾根の散歩道である。


 コース:車坂峠10:10→ベンチのある尾根の上10:40→高峰温泉分岐11:05→山頂11:40-12:25→車坂峠13:35 (所要時間3時間25分)


 コースタイム:往復1h30m(1.6km)
 標高差:133m

高峰山(車坂峠駐車場から)


 車坂峠の高峰高原ホテル前の駐車場に車を置く。ほかに2台ほどしか駐車している車はなかった。3人組の女性達が黒斑山へ向かうところだったが、我々は反対方向に高峰神社の鳥居をくぐり、ホテルの裏側へ入る。立派な鳥居があるから高峰神社の参道と言いたいところだが、ここはこのコースで唯一雰囲気のないところだね。


ベンチから水の塔山と赤ゾレの崖


 尾根に登りつくとベンチのある展望台で、本来正面に八ヶ岳、富士山や北アルプスも見えるはずのところだが、今日は天気が持ってくれることをただ祈るばかりの空模様で、展望はほとんどない。 ハクサンイチゲとコイワカガミがわずかに慰めてくれる。


ハクサンイチゲ コイワカガミ


 
2000mの尾根の散歩道   高峰温泉分岐


 尾根を半分ほど歩くと高峰温泉分岐。ほぼ同じ距離なので高峰温泉に車を置かせてもらうのもいいかもしれないな。


まだミネザクラが咲いている。 オオカメノキ


 分岐を過ぎると道はなだらかに登り気味、その尾根の上から両側の崖はシャクナゲの林になっている。先回初めて来た時はあまり咲いていなかったが、今回はどうかな。期待しながら歩く。先方から歩いてきた二組ほどのご夫婦が”咲いてますよ!”との嬉しい言葉。


 
アズマシャクナゲ    


 山のシャクナゲは木は一杯あっても、毎年必ず花を付けるとは限らないし、難しいよね。今年は当たり年のようだ。


 
     


 尾根の上も、左右の崖にもシャクナゲが咲いている。妻も歓声を上げている。こちらもつい疲れを忘れる。


 
ご機嫌    



シャクナゲだらけだよ。 花は逃げないんだけど


 気が済むまで写真を撮ってから先へ進む。広い鞍部の先が山頂で、稜線に沿って三つの大岩が並んでいる。手前が最大の大岩で、真ん中の大岩に山頂の立て札がある。一番先の、頭が平な大岩の重なりの陰に、佐久平を見下ろすように高峰神社の社がある。お賽銭を入れて手を合わせる。


一番手前の最大の大岩 高峰神社の社


 


   大岩の上はどこも展望がよい。天気も安定してきて一安心。池の平も見え始めた。黒斑山とトーミの頭の間にわずかに浅間山の山頂が見える。大岩の周りにもハクサンイチゲとコイワカガミがたくさん咲いている。
 少し下でコーヒーをいれてのんびりする。昼食にしてもいい時間だが、今日はちょっと贅沢をして高峰高原ホテルでランチにしようという魂胆だ。クッキーで我慢。
 誰もいないのでまたスケッチを始めたら、同年輩のかっこいい男性が登って来た。続いてきれいな奥さんと娘さんと思われる女性が二人、三人連れらしい。奥さんと娘さんと妻が「シャクナゲが綺麗だから、つい大きな声で叫んじゃうのよ。」[あたしも」なんて話をしている。
山頂の立て札のある大岩    


 男性の話だと、先週も三人で黒斑山に登った帰りにここまで来たらしい。それでシャクナゲがまだだったので、今週も来たと言う。「黒斑は登りましたか」と聞かれて、そう言えば最近黒斑に登ったのはいつだったろうと思う。考えれば思い出せないほど昔だったような気もする。[むかし」と答えたが、それも違うなとちょっとうろたえる。休憩している三人に声をかけて山頂の写真を撮らせてもらう。娘さんがVサインを出してくれた。


 
    ハクサンイチゲ


 荷物をまとめてお先に失礼する。またシャクナゲの林を通る。また同じ写真を撮る。午前と午後じゃ光が違うよね。


 
コイワカガミ    


 光が回って来ると、唐松の新緑が鮮やか。人の目にとまりにくい小さな花たちもそれぞれ自己主張して、虫達を誘っている。


 
新緑のカラマツ    唐松の松ぼっくり


 浅間連峰もこれからツツジ、ヤナギラン、シモツケソウなど次々花の時期を迎える。高速道路から2000mの車坂峠や地蔵峠まで車で一気に登れるから、夏でもさわやかないい風が吹いている。山々も我々向きの穏やかな山容で、コースの選択も多様。また来ようと思う。


   
 水の塔山(右)・籠の登山    ミツバオウレン



 ホテルのランチは二時まで、楽に間に合った。広々した展望レストランは時間が遅いせいもあって、先客は1テーブル4人だけ。我々も一番展望のいいテーブルで新緑と佐久平の展望を楽しみながらゆっくりランチ。標高差133m、片道1.6kmでは、山歩きと言えば笑われてしまうが、散歩と言えば随分贅沢な散歩だよね。いいのかなあ。
高峰高原ホテルと裏山








トップページへ 前へ リストへ 次へ





inserted by FC2 system