2011.05.31(火) 小沼・軽井沢峠 赤城山


 今年は梅雨入りが早い。今日を外すとしばらく晴れは無いと言うので、また赤城山に散歩に出かける。しかし梅雨の湿気をたっぷり含んだ大気が暖められ、赤城山に沿って上昇して冷やされるから、赤城山の上半分はすっぽり積雲に包まれている。山の局地的な天気がその時どうなるかは赤城大神さまのご機嫌次第。とにかく車で小沼を目指す。

 コース:小沼駐車場10:30→水門(時計回り)11:05→八丁峠ベンチ11:20→血の池11:45→軽井沢峠駐車場12:30-12:50→小沼駐車場13:25 (所要時間2時間55分)
幽玄の?ミツバツツジ


 5月19日に篭山の尾根を歩いた時、駐車場で写真をやっていると言う人と立ち話したお陰で、霧も悪くないと思っていたのかも。最悪雷が鳴るかもしれないのにね。


小沼の駐車場 注意書き


 小沼駐車場には霧くらいではたじろがない赤城ファンの車が10台位駐車していた。腰が据わってるね。小沼湖畔に下ろうと歩き始めたら、入口の杭の根元に”小沼にカヌー、ボートの持ち込みは出来ません”と注意書きが貼ってある。初めて気が付いた。3年ほど前の秋、気持ちよさそうにカヌーで遊んでいたご夫婦を思い出した。駄目だったんだね。


小沼湖畔 蹄の跡


 湖畔に下りるとこりゃ濃霧だね。流れる霧じゃなくて真っ白け。初めて来た人ならどんなところかまったくわからないだろうね。砂の上に歩いたばかりの鹿(多分)の、ひずめの跡が無数にある。姿は見えないが数の多さは実感できる。食害が思いやられるね。


 
落葉高木の影    


 普段あまり気にもしない、ミズナラやシラカバなどの落葉高木が目につく。長七郎、小沼の森は悪くない。


 枝脈が光を求めて、毛細血管のように空を覆い尽くしている。  
    ミズナラ



オオカメノキ


 湖畔のシロヤシオやミツバツツジ、ヤマツツジはまだツボミ、大きく膨らんで咲きだすばかりになっている。


スミレ ドウダン


 湖畔をほぼ一周して八丁峠側へ登る。ベンチがあって関東ふれあいの道の案内がある。同じ道に古い案内では軽井沢峠、荒山高原とあり、新しい案内には朝香嶺、血の池とある。新しい案内には韓国語と中国語も併記されている。時代というものだろう。ここで初めて咲いているミツバツツジに出会う。


湖畔から八丁峠へ 関東ふれあいの道の道案内


 ベンチで一休みして関東ふれあいの道を歩く。この道は小沼から赤城温泉に下る車道沿いの道なので、今まであまり興味がなく初めて歩く。案内にある道の方向は、車道で軽井沢峠へ向かう方向とは逆方向なのでちょっと違和感がある。


ミツバツツジ 血の池


 道はすぐ右に回り込むように登り道になる。多分朝香嶺への登りなのだろう。途中に分岐があったのかもしれないが、道は尾根の山頂へは行かず、北面を巻くようにどんどん下る。広めの丸太の階段になっている所があるが、現在はまったく役に立っていない。血の池は干上がった草はらで今は血の池のイメージは無い。


 新しい道案内は入口ばかりでなく、何箇所かあり、霧の中でも迷うことはなさそうだ。血の池からのだらだら下りは巨木の森(多分ミズナラ)の道である。 
ミズナラの巨木


 先日覚満淵で立ち話した男性の話だと、この辺は熊の糞がごろごろしているなんて言っている。まさかねとは思うが、ミズナラはドングリの木である。季節によってはないとも言えない。鈴を鳴らして出会わないことを祈るだけである。


熊が出るかも


 霧で人は少ないし猛禽類に襲われる危険も少ないせいか、最近山であまり聞かなくなった鳥の声がよく聞こえ、気配が濃い。


   
君は誰?    シジュウガラ


 道の先のこずえに飛んできて、こちらをうかがっているのはなんていう鳥?。道の先へ先へと飛んでこちらの気を引くのは、自分の巣から我々を遠ざけたいのだろう。シジュウガラもやって来て、しきりに枝を突っついている。後で写真を拡大してみたら、なんと左足で大きなセミを捕まえている。こんな大きなセミを食べるんだ。驚いたね。


 
    上の写真の拡大
大きなセミを捕まえている。


   逆光で撮りにくいが見事なミツバツツジも咲いている。咲き始めの若木もある。しばらくはミツバツツジを楽しみながら歩く。 
ミツバツツジ    


 淋しげな道だが、実は数十メートル横を車道が走っている。たまに走る車の音の方を見ると白いガードレールが見えて、幽玄の森の幻想からいきなり現実の世界へ引き戻される。ちょっと残念。ちょっと安心。


 
霧は晴れず一人で歩くには淋しすぎる。    


 天気は良くもならなかったが悪くもならず、雨が降り出すこともなかった。流石にこのコンデションでこの道を歩く酔狂な人も見かけず、静かな幽玄の森を歩けた。


   
ミツバツツジ  


 
    県道・大胡赤城線へ


 関東ふれあいの道は、軽井沢峠1kmの道案内で県道にでる。森の中の道はさらに続いているが行き先の案内は無い。案内と県道の間に10台以上は駐車できそうな広場がある。県道に出て舗装道路を歩いて三途の川を渡る(縁起でもない)と、軽井沢峠の駐車場(?3〜4台位)で、荒山の登山口になっている。 


 登山口のベンチでランチにして、舗装道路を小沼までぶらぶら歩いて帰って来た。それにしても、血の池とか三途の川とか、地獄谷とか、昔の人はこんな名前に心を揺さぶられるものがあったのかなあ。山頂に祭られた神々とすぐ下の地獄(とってもいいところだよ)、これも時代で、その時代のロマンと言うことなのかなあ。  
    小沼駐車場、さらに霧が深くなっていた。





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