2011.01.20(木) 黒檜山 赤城山


 行けない年もあったけれど、これまでほぼ年に一度は一人で冬の黒檜山を楽しんできた。今年もと思っていたら、妻も一緒に行って青空に輝く霧氷が見たいと言う。やばいな、宣伝が効き過ぎたかな。妻は冬の黒檜山には一度も登ったことが無い。

 コース:黒檜山登山口10:40→黒檜山山頂13:10-赤城大神の山頂13:40→登山口14:50 (所要時間4時間10分)

 赤城道路はゴルフ場分岐あたりから残雪があって日陰はアイスバーン状態。
黒檜山


 20日は大寒で冷え込みも厳しく、日本海側は大雪だそうだが、関東は好天が続くとの予報で、前橋から赤城も榛名もよく見えていた。浅間山が見えないのがちょっと気掛かり。


 赤城道路はゴルフ場分岐あたりから残雪があってかなり降ったようだが、鍋割山も荒山もほとんど白くない。霧氷も全く付いていないようだ。途中の箕輪の駐車場は流石に車がたった一台だけで、がらんとしていた。
登山口


 黒檜山の登山口には先着の車が2台、すぐ後から単独の男性の車が来て、我々が準備に手間取っている間に先に登って行った。そのあとについて登る。雪は少なくないがよく踏まれて締まっているので、歩きやすかった。


まだよい天気だった 猫岩の雪庇


 例によって空は青く、他の山には霧氷が無いのに、黒檜山の山頂の下には白く霧氷が見えて、頑張ればご褒美がもらえそうだ。しかし登山口で既に日が陰ることがあり空模様が怪しい。猫岩で一息つく。


ほとんど残っていない霧氷 リュージュのコースみたいな・・


 軽アイゼンしかない妻は急傾斜ではつま先が滑って登りにくそう。長靴ですたすた登る人もいるので何とかなるだろうと思ったのはちょっと甘かったかな。ステップを作ったり引っ張り上げたり気を遣う。若い単独の男性二人に軽く抜かれた。4人ほど下って来る人もいた。


   途中で雲が出て展望はほとんどなくなってしまった。やっぱり不義理していると山の神様も冷たい。風も強まり霧氷もほとんど飛ばされてしまった。しかし妻は結構乗ってる。登っても展望も霧氷も期待できないから下ろうかと言ったが、行くと言う。後で、今日登らなければ冬の黒檜山にはもう登れないと思ったと言っていた。
尾根の分岐    


 我々には結構登り応えのある急斜面が続く。上に行くほど雪は柔らかく軽く深くなり、踏み跡を外すとストックは握りのところまで雪に入ってしまう。風当たりの強い所では軽い地吹雪で踏み跡がどんどん消えてゆく。やっと分岐の目印が現れ、手招きしている。これが見えれば登りは終わり、やれやれ登ったと一息つける。


 山頂の尾根には青空も展望も無いけれど、それはそれで雰囲気があると言っておく他ないだろうな。登れば感じられる。人生なんて何時だってそんなもんだ。尾根の反対側の急斜面は触角を右に左に振りたてた白いモンスターたちが稜線をうかがっている。
満足


白いお化け 山頂へ


 山頂には男性が一人立っていた。挨拶する。山頂の名前を書いた道標の前で妻の記念写真を撮る。頼まれてその男性の写真も撮ってあげた。我々二人のも撮ってくれたが・・・道標の柱だけにしよう。


 赤城山も深田百名山の一つだ。百名山をやっている人は多く、遠くからはるばるやって来る人もいる。その人達にとって山頂の記念写真は必須。その必須アイテムの山名を書いた標柱が黒檜山には見当たらない。この山頂の小さな道標の柱には確かに山名が書いてあったのだが、古くなり名前が見え難くなってしまったのだろう。で誰かがこの板を担いで来てここに縛り付けたのだ。誰が公園を管理しているのか知らないが、立派な山名標柱を立ててあげてはどうだろう。
道標の柱。気持ちが分かる。
でもこの黒の字?


 立ったままサーモスの紅茶で一服する。ザックの横に付けたペットボトルの水は凍って振るとガラガラしていた。駐車場で−8℃だったから山頂は間違いなく−10℃より下がっていただろう。
 何時も展望のいい(今日は無いのは分かっているのだが)山頂の北端まで行ってみようと歩き始めたら、踏み跡は有ったのに、半分ほど行ったら雪が深くなり、腰くらいまではまり込んでしまった。カンジキは担いで行ったが、流石にそれを付けてまで突破する気は起らなかった。


   戻ったら山頂の男性はもう姿が見えず、別の男性が登って来た。我々は黒檜山大神の山頂へ移動する。積雪は少し多めかも。手を合わせて無事を祈る。
黒檜山大神の山頂    


 寒い山頂での食事はやめにして、すぐ下る。下り始めたら又しても足がつってしまった。下りでもつるのかよ。あまりの痛さにザックを下してその上に座って休憩。太ももがびくびく痙攣している。仕方なくピーナツバターのランチパックで昼食を強いられる。ろくに山歩きもしないでいきなり冬の黒檜山は無理だったかな。それにしても黒檜山大神様に無事をお祈りしたばかりだよ。お賽銭を上げなかったせいかな。初詣は水沢観音だったし。


 
新しい霧氷が付き始めている   今日最悪の空模様


 足がつるのはもう歳で何度も経験済みだが、こんな寒い所で休憩していたら即低体温症になってしまう。幸か不幸か黒檜山の急勾配は尻セードで下る人が多く、臆病な僕は隠れた岩の頭に大事なところをぶつけそうで、怖くて真似ができなかったが、今回は四の五の言ってられる状況じゃない。歩かないでいい所は歩かない。急斜面はすべて尻セードで下った。登りではえらく急に見えて転がったら谷底までと緊張したリュージュコースも、あっという間に滑り抜ける。スピードの付き過ぎるところはストックの先を握ってちょっとブレーキをかけるとよく効く。慣れると楽ちん。こんな楽しいことを今までやらなかったなんて。妻も心配を忘れてはしゃいでいる。


 二度ほど休憩したが下るに従い楽になって無事に下れた。猫岩の下にも見事な直滑降の尻セードコースが出来ていたが、ちょっと方向が違う感じがして、踏み跡の方を歩いて下った。無事に下れてよかったが、妻からはレッドカードが出てしまった。サッカーはカタールに勝って良かったね。
少し明るくなる






トップページへ 前へ リストへ 次へ





inserted by FC2 system