刈込湖

　金精トンネルを日光側に抜けると、出口の駐車場と道路が車と人で一杯。温泉ヶ岳側の南斜面の紅葉がほんとに見頃なのだ。車を止めたかったがとても止められず、道路工事も行われていたので、結局かなり下の何時も湯ノ湖から戦場ヶ原、男体山を眺める駐車場まで下らされてしまった。何時もと反対に山側を見る。それでも十分綺麗だった。

		コース：湯本光徳線歩道駐車場11：30→小峠12：00→刈込湖12：40-13：30→小峠14：05→駐車場14：40　（所要時間３時間１０分）　湯ノ湖散策　湯滝上駐車場14：50～15：20（湯ノ湖約１/４周？）　駐車場：湯本から金精道路を少し登った、湯本のすぐ上あたりに、簡易な駐車場がある。道路の両側合わせて１５台分くらい？入口に湯本光徳線歩道、切込湖・刈込湖コースの案内板がある。
刈込湖

　この紅葉に魅かれて、ここがいいなら刈込湖の周りの山も綺麗かも知れない、と勝手に思って、刈込湖まで歩いてみることにした。

　遊歩道入口の駐車場はまだ２～３台分の空きがあった。遊歩道は勾配もほとんどなく穏やかで歩きやすい道が続いている。温泉ヶ岳の支稜を東側に回り込むと紅葉に南面の華やかさはなく、あら～と言う感じだがまあ十分楽しめた。

　温泉ヶ岳と三岳の鞍部、小峠へは少し登る。ここも川原石を運び込んで舗装されている。峠の手前にヒロハカツラの木があり丁度紅葉している。この木は紅葉すると甘く香ると説明書きにある通り、かすかにいい香りが漂っている。

　温泉ヶ岳や三岳も紅葉しているのが見えるが、遊歩道は潅木が多いので、枝にさえぎられずに見通せるところは少ない。　

　小峠で一息つく。その先はさらに平らな広い道で歩きやすい。明らかに建機を入れて作られた道で、かっての林道の一部なのだろう。

　その道の途中から道標に導かれて刈込湖に下る。暗い湿った森の中だが、木製の階段がいくつか設置されて苦も無く下れる。２０年以上前、光徳に車を置いて一人で三岳を一周した時、ここは倒木や、木の根、岩だらけの歩きにくい所で、その後歩く気にはならなかった。、今日たまたま歩いてみると、このコースは高低差もほとんどなく、良く整備されて、刈込湖までなら片道１時間程度で歩ける、我等が老年むきの手軽なハイキングコースになっていた。

　刈込湖は奥日光のさらに奥に秘められた？小さな清澄な湖である。湯ノ湖や丸沼、菅沼が失ってしまった、山の静かな湖の雰囲気を辛うじて残している。それでも最近は釣り人も入るらしく、途中であった釣り人は何にも釣れねえやとぼやいていたし、湖岸を長靴で闊歩している人もいる。

　紅葉シーズンの土日の超一級観光地の日光だが、ここまで入ればいつもとあまり変わらない山の静けさがある。それでも私たちがいる間、人がほかに誰もいないと言うことはなかった。入れ替わりで何人か訪れてはまた去って行った。

　湖畔でお昼を食べて、充分のんびりして来た道を戻る。遊歩道に最早花はほとんどなく、色鮮やかな落ち葉が敷き詰められて、いろいろなキノコがあちこちに顔を出していた。

　駐車場に戻ってまだ３時前、明るいうちに帰るには丁度良い時間だが、妻はちょっと下って日光の様子を見て行こうと言う。運転しない人は気楽でいいなあ。でちょっと下ったら湯ノ湖の湯滝の上の駐車場？が人と車で一杯になっている。道路の両側も駐車した車で一杯。ちょっと無理かなと思ったら丁度一台出たのでそこへ停める。もう日差しは無いのに、駐車場わきの紅葉が客を吸引する看板のように鮮やかだ。

　違法駐車で狭くなった道と勝手に横断する人、当然道は渋滞する。渋滞にいらついた車高を低くした黒いクラウンが、けたたましく警笛を鳴らす。最近車の警笛なんて聞いたことが無いね。吃驚してそっちを見たら、同じようにそちらを見た青い目の外人さんと目が合った。彼はニヤッと笑って首をすくめる例のしぐさをした。なるほどね、こんなタイミングで首をすくめてみんなのストレスを開放する訳ね。
　駐車場前の湖畔のマガモは人に慣れてしまって、人の足元をよちよち散歩している。

　紅葉につられて湯ノ湖周遊コースの方に少し入って見る。湯滝の上や入口付近にはかなり人がいるが、入って見ると歩く人は多いがそれほど込み合っているわけでもない。湯ノ湖って狭くて観光客と釣り人ばかりで、面白くないところと決め込んで、いつも素通りしていたが、どうしてかなり大きな湖で、結構見応えもある。今度一周してみよう。

　湯ノ湖には口笛のような鋭い鳴き声のくちばしの白っぽいカモの群れが来ていて、数羽ずつが群れて餌をとっている。この鳥が珍しいのか、望遠レンズと三脚で写真を撮っている人がかなりいた。

　湯ノ湖めぐりを途中で切り上げて、最後に湯滝の落ち口から戦場ヶ原を眺める。夕陽の中に綺麗な紅葉が広がっているのが見えた。予定通り戦場ヶ原を歩いてもきっと良かったろうな。

　湯ノ湖を歩いたことで妻の気も済んで、龍頭ノ滝まで下らずに引き上げることにする。空いてきた金精道路をセカンドギアで気持ち良く駆けあがると、金精トンネルの上の崩落現場に夕陽が当たり眩しく輝いている。紅葉も綺麗だ。だがデジカメでは両方を見えた通りに写すことはできない。両方とも中途半端だ。

		正面遠景：太郎山　　その右：山王帽子山　近景左は於呂俱羅山　　　　右は三岳
刈込湖


		温泉ヶ岳南面の紅葉


温泉ヶ岳東面の紅葉		刈込湖への道


ヒロハカツラの紅葉		小峠


		温泉ヶ岳ドビン沢の紅葉