2010.04.25(日) 二つ岳 榛名山


 長年近郊の山歩きをしてきたのに、今頃榛名山の二つ岳に初登頂。昨年来オンマ谷にイワタバコの花を見に来たり、森林公園側から水沢山に登ったりしたおかげで、なんとなくこのあたりの山の構図が頭に入って、榛名山にも親しみが出来たことにもよる。榛名山を歩いて見ようと思えば、頭がでこぼこの山だからまだ未踏峰がたくさんある。

 コース:オンマ谷駐車場11:40→雄岳・雌岳分岐12:10→雌岳山頂12:40-12:55→雄岳雌岳分岐13:15→雄岳山頂13:30-13:45→オンマ谷駐車場14:20 (所要時間2時間40分)

 駐車場:4台程度駐車可能。案内板、トイレが有る。ヤセオネ峠から狭い舗装林道を下る。広いヤセオネ峠に車を置いて、歩いてしまう人も多いようだ。
水沢山(左)と雌岳(雄岳山頂から)


 水沢観音の周囲は桜が満開で、思わずまた駐車場に車を入れて、参拝。いつもの場所から春の水沢山を撮る。ううん、いい山だ。観光バスでやって来た30人ほどの団体さんが、みんなで準備体操をして、観音様から水沢山へ登って行った。
 その先の渋川総合公園も花盛り、空は青い、赤城山も、国境の白い山もすっきり見えている。ちょっとここにも寄ってのんびりしてい行こうと、右手の駐車場の前でウインカーを出して、2〜3台の対向車の行きすぎるの待っていたら、いきなりドシン、子連れのママさんに追突されてしまった。 
水沢山


 あれっ、今、観音さまにお願したばかりなのに、たくさんお願いしてうっかり交通安全のお願するのを忘れちゃったかな。わざわざお線香まで買ってお供えしたのに・・・。しかしまあバンパーが潰れる程度で済んだのは観音さまのご利益と言うことかな。”お互いなるたけ良い面を見るようにしょうじゃないか”、ふと観音さまがそう言ったような気がしたよ。 


オンマ谷駐車場 二つ岳登山口


 事故処理と修理、代車の手配に1時間以上とられてしまったが、車は走行出来そうなので、事故は無かったことにしてオンマ谷に向かう。オンマ谷駐車場はやさしい日差しの中で空っぽ、しかしすぐ一台、単独の男性がやって来た。さらに同年代の男性が一人、歌を歌いながらオンマ谷から登ってきて、また歌いながら二つ岳の登山道を登って行った。 


二つ岳登山道 二つ岳登山道


 登山道は岩だらけのかなり急こう配だが、フリクションの効く自然石で一応階段のように整備されているので、歩きにくくはない。今は花一つなく新緑もまだで、明るく静かで春の気配だけが有る。相馬岳の高い山頂と絶壁を右手の木立越しに見ながら登る。 シジュウガラが歌っている。


この大岩が見えると分岐が近い。 雄岳・雌岳の分岐


 大岩の陰で道の勾配が緩むと雄岳と雌岳の分岐で、しっかりした道標があってわかりやすい。八合目と彫られた古い小さな石板もある。まずは雌岳に向かう。折角稼いだ高度を失うのはつらいが、かなりの勾配を雌岳に向かって下る。下から華やいだ話し声が聞こえて3人の女性が登って来た。森林公園のほうから登って来たらしい。雌岳には登らず雄岳に登るという。雄岳は展望が素晴らしいですよ、とか、このあたりはもう少しするとヒカゲツツジがたくさん咲くんですよ、とか教えてくれた。


雌岳に向かって下る。 避難小屋


 鞍部が近づくと、避難小屋は50m先に移動しましたという案内と、伊香保 管理棟への分岐の道標がある。案内通り50mほど行くと避難小屋と思しき簡素な東屋があり、その手前に雌岳への分岐を示すしっかりした道標が有る。


こんな道や こんな道を登る


 雌岳への登山道は東屋からほぼ山頂近くまで、厚い板や丸太で造られた階段登りである。段差が大きく勾配のきつい登りである。かなり使われたように見えるが打たれたくぎの頭はまだピカピカで、しっかりした道標と共に、ごく最近整備されたもののようである。山頂まじかで歌を歌いながら登って行った男性が下って来るのに出会った。今日はオンマ谷を回って来たので雌岳だけで十分、雄岳には行かないと言っていた。


雌岳山頂 水沢山


 雌岳の山頂は灌木に囲まれた狭い岩頭だった。展望のきく場所が10mも離れずに2か所あるが、両方とも2名位が定員という広さである。一方には山頂の標柱が有って眼下に水沢山が見え、赤城山と関東平野が広がっている。水沢山は前橋あたりの方向から見ると、三つの頂点を持つ鳥のとさかのような形に見えるが、ここから見るとピラミッドのような三角形をしている。しかもその三つの頂点とこの雌岳の山頂は見事な一直線上に並んでいるのが分かる。これは単なる偶然ではなく、太古の昔にマグマがせりあがった大地の裂け目を暗示しているように見える。


   もう一方の展望台からは目の前の子持山、小野子山、十二ヶ岳の山塊と、その上に武尊、谷川、草津白根などの国境の山々が白い線のように連なって見える。どちらも絶景である。
 谷川連峰    


 我々が山頂に来た時、一方は5〜6人の男女のグループに占領されていて、我々は先に水沢山側を見た。十分見たので”そちらも見たいなあ”みないな顔をして近づいたら、”ああ、あんまり長く独占しちゃあ悪いですね、代わりましょう。”と気持ちよく場所を代わってくれた。埼玉の真ん中あたりから来たというグループで、”僕たちはすぐ下に住んでるんだけど今日が初めてです。”と言ったら、”僕らは埼玉の真ん中に住んでいるけど何度も来たよ、いろんなコースが有っていいところだよ。”と、こちらが言わなければならないことを言われてしまった。水沢山は?と言うので水沢山は何度も登りましたと言えて、何とか群馬人?の面目を保った。


     
雄岳を目指して下り、 登り返す。   雄岳山頂、アンテナ棟が見えた。


 彼らが下った後、山頂を独占して一服する。我々が雌岳を下り始めたら、また登って来る男女4人グループに出会った。花の前の静かなはずのこの枯れ山も、日曜ともなれば結構登る人がいることがよく分かった。 どういう訳かみんな気さくに話しかけてくる気持ちのいい人たちだった。

 雄岳山頂に着くと、丁度下ろうとしていた埼玉のグループや、展望のいい広い所で店開きして、昼食とおじゃべり中の3人の女性グループとも再会した。山頂はアンテナ棟が二棟もあって、ごちゃ付いて何処が山頂だかわかりにくいが、察した人がちゃんと山頂と展望のいい場所を教えてくれた。 
 
  雄岳山頂


 
   榛名山山頂の中央火口丘(榛名富士)と外輪山


 雄岳山頂も展望のよい場所が2か所有る(ここも両方とも定員は一人か二人位)。一方は山頂標柱の手前のテーブルのような大岩の上で、榛名山の山頂部の中央火口丘(榛名富士)とそれを取り囲む外輪山の様子がよく見える。谷川岳などの国境の白い山々も見えるが、アンテナ棟へ電力を供給する電線があって風景を壊している。この岩の前に墜落した飛行機の翼のような剥離した大岩が突き出していて、これに登ると(落ちても知らないよ)相馬山の絶壁が見えるが、もう一方の展望台からもよく見えるから無理することはない。


   もう一方はアンテナ棟の裏の崖の上に累積した大岩の上で、2〜3m岩登りをする必要がある。岩の上には古い石の社が2つほど祀られている。その手前から雌岳と水沢山が対照的な姿で並んでいるのが見える(トップの写真)。その右に相馬山が見え、その巨大な爆裂火口の絶壁は迫力がある。
大岩の上の社と赤城山  


 アンテナ棟の周りを一回りして下ることにする。女性三人組の楽しげなお食事はまだ続いている。
 山頂にアンテナのある、あまり期待できない山と思って歩いた初めての二つ岳は、勾配のきついショートコースで、手軽に登れて充足感の残るいい山だった。展望もよくまた面白い展望に恵まれ、適度に整備されて道迷いの心配もなく、楽しく歩ける山である。機会を見てぜひまた来ようと思った。
 
     相馬山と爆裂火口


   
 面白い壊れかたの大岩   見事な割れっぷりの大岩



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