09.06.02(TUE) 高 山 奥日光


 高山には昨年5月16日に初めて様子を見に行った。流石に時期が早くて咲きかけのシャクナゲのツボミしかなかったが、歩きやすくて雰囲気のいい道がすっかり気に入って、久し振りに一日だけ晴れると言う6月2日、シロヤシオにタイミングを合わせて歩いてきた。

 コース:竜頭の滝上の駐車場8:50→高山山頂10:30-10:45→分岐の峠11:30→熊窪12:05-12:20→赤岩13:10→菖蒲が浜スキー場13:40→竜頭の滝13:50-14:05→滝上の駐車場14:20 (所要時間5時間30分)

 駐車場は国道120号の竜頭の滝の上。乗用車20台位は駐車可。常時観光バスが滝見物の人達を連れてくるので、観光バス用のスペースは占領しない方がいい。トイレはない。

 登山口は湯川を橋で渡って上流に向って左手にある。


 標高 1668m 標高差 約300m 
高山山頂のシロヤシオ
バックに残雪の日光白根山


 登山口に歩き出す前に、折角なので前の車道を渡って橋の上から竜頭の滝を見下ろす。白く泡をかんで流れ落ちる急流の両側の緑の中に、ミツバツツジのピンクがまだ残っていた。
滝上の駐車場


 叉車道を渡り返して高山への道を歩き始めたら、後から来た単独の女性に追い越された。挨拶したらビジターセンターで、昨日高山で熊の目撃情報があったと教えてもらったとか、鈴を盛大に鳴らして登らないとね、とザックの鈴を振って見せてくれた。


高山への道 シロヤシオ


 我々も鹿柵の扉を通り鈴を鳴らして新緑の濃い森に入る。ハルゼミ(まさかカエル?)の鳴き声が賑やかで鈴の音も聞こえないほど。昨年とはまた違う道になっていた。今年は花の時期が早いので、終わってしまったかなと心配したシロヤシオもあちこちで咲いていて、これなら上はまだ大丈夫と少し安心する。


 少し登るとシャクナゲが現れる。今年のこの道のシャクナゲの花付きは昨年よりずっとよかったようだが、花はほとんど落ちてしまっていて、元気のいい新鮮な花はもう咲いてなかった。ミツバツツジも残っているが彩りになる程度である。
アズマシャクナゲ


シロヤシオ 新緑の向こうに中禅寺湖


 シロヤシオの木もたくさんあって、場所によってはあきれるくらいの密度で咲いていて驚いてしまうが、白い花を写真に撮るのは難しい。時々木の間越しに男体山、中禅寺湖、戦場ヶ原が見える。男体山の見える急な斜面を登ると山頂間近。


山頂付近 高山山頂


 山頂には大小のグループ取り混ぜて2〜30人の人が居たが、山頂は広いので三々五々休憩と言う感じ。登る途中も例によって追い越されたり、珍しく追いついたり常に視界の中に何人かの人が居た。お昼にはまだ早いのでエネルギーインか何かをチュウチュウしながらのんびりする。軽量化でストーブも余分の水も持っていないので、流石にこんな時はちょっと淋しいなあ。


 小田代ヶ原、中禅寺湖側へ下る道はシロヤシオが特に多い。それも勾配の急な山頂付近に多いから、道もかなり痛んでいる。時間的にも集中してしまう時間だし、皆写真を撮るから場所によっては渋滞気味の所もある。
山頂付近のシロヤシオ


 グループのリーダーが撮影スポットですよ、なんて案内している場所もある。
山頂付近のシロヤシオ


 少し下ればシロヤシオはほとんど無くなり、静かな山道に戻る。急な崖を大きくジグザクにトラバースしながら下る。水平にステンレスの鎖を張った鎖場が二箇所ほどあるが、さほど険しくはない。
山頂付近のシロヤシオ


分岐の峠 中善寺湖真近


 小田代ヶ原と中禅寺湖を分ける峠は、峠の名にふさわしく下ってくるとホッとできる場所である。登る人たちもここで一休みして、さあ一登りと気持ちを引き締める場所としても格好の広さと穏やかさを持っている。我々は昨年と同様に中禅寺湖側に下る。なだらかな坦々とした直線的な下りである。途中左側の沢が意外なほど深く侵食された場所もあるが、そこを過ぎれば沢はどんどん広がり、大木の森の道を歩くと中禅寺湖畔(熊窪)に出る。


中禅寺湖(熊窪)の浜 中禅寺湖(熊窪)の浜


 熊窪の浜は本当にいいところである。こんな静かな浜で二三日のんびりしたい、とは来たら誰でも思うことで、以前は隣の千手ヶ浜にはキャンプ場があり車も自由に出入りできた。さらに以前は外国人や上流階級の避暑地だった。一般車両を締め出しキャンプ場を廃止したことで、この自然と静寂を取り戻すことが出来た。贅沢は言うまい。僅か5分か10分の休憩でも充分癒やされる。


中禅寺湖畔のヤマツツジ 湖畔の道とヤマツツジ


 昨年は空模様が怪しくなって、熊窪から千手ヶ浜へ出て、ハイブリットバスで戻ったが、今年は天気もいいので、熊窪から湖畔を歩いて竜頭の滝へ戻ることにした。湖畔はヤマツツジがたくさん有ってちょうど見頃だった。シロヤシオもあって結構花も残っている。


熊窪の隣の浜と赤岩の岬 赤岩の岬の道


 熊窪の浜によく似た隣の浜までは道は広く平で歩き易いが、そこから先は中禅寺湖に張り出した赤岩の岩壁の岬を高巻いてゆくので、湖畔めぐりの道と言うより再び山道である。かなり急な崖もあるが道はよく整備されていて、要所にはまだ新しい感じのしっかりした木の階段があって安心して歩ける。


赤岩の下り
メタボの人はちょっと・・・
赤岩の頂


 高巻き道の最高点に赤岩と案内のある大岩がある。岩の上からの展望は良さそうで簡単に登れそうだが、歳と疲労を考えて登るのはやめた。狭い急な階段を下り、崖の道を下って行くと再びヤマツツジが増え始め、道は広く歩きやすくなってくる。道なりに下っていくと菖蒲が浜スキー場で、後は保養所などの並ぶ舗装道路を歩いて竜頭の滝の下に戻った。


 賑やかな竜頭の滝の下周辺は、不思議とシロヤシオもミツバツツジもヤマツツジも、レンゲツツジまで咲いていた(一応一通り揃っている)。久し振りに滝見台へ入って竜頭の滝を見る。適度な混み様でテーブルもあいていたので、コーヒー一杯でしばし休息。 
竜頭の滝の上


 滝下から滝上までの階段は今整備工事中で、狭くなっている上に、修学旅行の子供達が勝手気ままにおしゃべりしながら、団体で下って来るのに出会ったりして、大変な混雑。うかうかしてるとよたよたのジジババは落とされちゃうよ。上で待っているバスのガイドさんや運転手さんに迎えられて駐車場へ帰着。

 時間は充分有るので車で光徳へよって志津林道の入口を確認。一般車両の通行はご遠慮下さいと書いた目立つ看板が立っている。ふーん。

 金精トンネルの入口駐車場に車を入れてみると、少し上くらいの尾根にはシャクナゲがたくさん咲いているのが見える。金精山のシャクナゲももう咲いちゃったのかなと思っていたら、ちょうど単独の男性が下って来た。聞いてみるとツボミはあったけど咲いてないよとのこと。まだ1〜2週間は大丈夫そうだ。

 白川の望郷の湯で、疲れと汗を流して食事。妻は例によって生ビールでご機嫌、私はキリンのノンアルコールで気分だけビール。乾杯。
 




トップページへ 前へ リストへ 次へ





inserted by FC2 system