09.05.09(SAT) 明智平−茶ノ木平 日光


 日光には毎年のように来ているが、明智平に来たのは中学校の修学旅行以来のことである。当時は馬返しからケーブルカーで明智平に登り、ここから叉バスで中禅寺湖や華厳の滝、戦場ヶ原や湯元温泉へ行くのが一般コースの時代だった。明智平の風景が記憶に無いのはきっと小雨か霧だったためで、今回55年ぶりに見損なった風景に会うことができた。

 コース:明智平駐車場⇒明智平展望台10:55→(尾根の上部の)展望台12:15→茶ノ木平12:45-13:15→展望台13:40→明智平展望台14:50⇒明智平駐車場 (所要時間3時間55分)

 駐車場は上り専用道路の両側にある。ロープウエイ乗り場は右側駐車場にある。無料。右側60台、左側30台位か。トイレは両方にある。

 第二いろは坂は登り専用だが、明智平までは下ってもこれる。

 茶ノ木平標高1620m 明智平展望台から標高差250m
中禅寺湖と日光白根山


 長い長い足尾トンネルを抜けて日光に下る。左折して初めていろは坂を登る。 ゴールデンウイーク明けの初めての土曜なので、現役組は家でのんびり休養しているだろうと予想したとおり道はすいていたが、駐車場がちょっと気掛かりだった。


 ロープウエイ右側の案内にしたがって右レーンをキープする。難なく駐車場に入れて駐車出来た時はホッとした。見ると駐車場は左レーン側にもある。しかしがらがらに空いていると言う訳でもないから、ロープウエイを利用するとはいえ何時間も無料で駐車するのはちょっと気が引ける。
明智平駐車場(ロープウエイ乗り場)


 早速ロープウエイで約100m上の展望台に向う。上り下り一台だけの小さなゴンドラはそれでも10人くらいは楽々乗れる広さがある。あっという間に上の駅に着き階段を登ると小さなビルの屋上のような展望台に出る。ここは絶景である。正面に華厳の滝、中禅寺湖、右にどんと男体山、その左右に残雪の日光白根山、大真名子山、女峰山の大パノラマが見える。とてもファインダーには入りきれないスケールだ。


 展望台でつい写真を一杯撮ってしまうが、そこから茶の木平に向けて10分も登ると今度はアカヤシオの花と一緒に同じ風景を見ることになる。アカヤシオは待っててくれたようだ。
華厳の滝と中禅寺湖


 結構急な道を登る。若い外人のペアが登って来て、愛想良く挨拶して私達の3倍くらいの速さで尾根の上に消えていった。送電線鉄塔のある広い尾根に出る。ピーク付近にはアカヤシオが一杯。切り開かれていて展望のいい明るい尾根である。下に迷いやすいと図入りで注意書きのあったところだが、案内もあり霧にでも巻かれない限り迷いそうも無い。
男体山


残雪の日光白根山 男体山


 登っては小さなピークを越えるような登りを何回か繰り返す。その偽ピークには大抵アカヤシオがたくさん咲いていて、特に右側の急な崖側にはアカヤシオが多い。


アカヤシオの森 上の展望台からの男体山


 登りの勾配が弛んできた辺りの崖の上に展望台がある。観瀑台とも言うらしいが華厳の滝はほどんど見えない。正面の男体山から女峰山の展望がいい。赤ちゃんを背負った若い元気な女性と旦那のペアに会う。三人連れの同年輩の女性のグループもやってきた。足尾峠から来て明智平の展望台まで滝を見に行くと下っていった。


山頂部の笹原の道 鹿に根元の樹皮を食われて立ち枯れるコメツガ?の大木


 山頂部の広い笹原の台地に出る。観瀑台の下あたりからアカヤシオはまったく無い。とにかく茶の木平(と言うところ)まで歩いてみようと、笹原を分けて行く。妻の後ろを歩いていてあれ!っと気が付いた。妻の靴のかかとが剥げて、まるでスリッパ状態になっている。妻は大丈夫だよと言うので茶の木平に着いたらテープで固定してやるよ。などと言ってそのまま歩いていたら、間の悪いことに10人ほどの男女のグループが道の両側に座って休憩している。愛想のいい人たちで、占領してごめんなさい、とか、お邪魔様とか声をかけてくれる。流石に妻もかっこ悪くて気が引けたらしいが、笹原であることをいいことにあまり足をあげずづりづりと通り過ぎる。自分で気付いてなければスリッパ足でぺったんぺったん大威張りで通り過ぎたんだろうけどね。


テープでぐるぐる巻き 茶ノ木平


 変わり映えのしない笹原の道が続き、小さな沢の頭をぐるっと巻いて、案内板とベンチのある広場に着いた。たぶんこの辺が茶ノ木平と言うことにして、ベンチでおにぎりを食べて、またアカヤシオと絶景が待っている来た道を引き返した。妻の靴はテーピング用のテープ一巻きを全部使ってぐるぐる巻きにした。反対側も一部剥げていたから、かなり前から剥げかけていたに違いない。点検していれば分ったはずで不注意だった。大きな山でなくて助かった。家に帰ってから調べてみたがテープは結構丈夫で、そのままもう一山ぐらい歩けそうなほどしっかり巻き付いていた。妻の靴はもう何年履いたか記憶に無いほど履いたので惜しげはないし、山靴に寿命があるのは分り切っているが、靴底がべろりと剥げてしまうと言うのは、山の用具としては最悪の破壊モードで、それが当たり前みたいに通用しているのはちょっと異常じゃないだろうか。


 それはそれとして靴がないと行きたい時に山へいけないから、帰ってすぐ高崎へ靴を買いに行った。ひげのお兄さんに新しい靴を選んでもらって妻は嬉しそうだが、果たして我々に次ぎの山靴を買う機会が来るのだろうかとふと思った。
ぐるぐる巻きの山靴で


 帰りは明智平から直接車で日光に下ることが出来ないから、中禅寺湖まで登ったついでに立木観音から中禅寺湖スカイラインを展望台まで走ってきた(ここを走るのも初めて)。ここを走りながら茶の木平のほうを見たら、こちら側の斜面はアカヤシオで真っ赤になっている。しまったな、茶ノ木平は少なくとも半月山側に少し通り過ぎるべきだった。それに明智平までなら車で下れることも知っていたら、中禅寺湖側へ下ってバスかタクシーで明智平に戻ってもよかったのだ。不勉強は間違いなく損をする。しかしまあ初めてと言うのはそんなもんかな。





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