09.04.09(THU) 若御子山遊歩道 秩父


 山靴を履いたのは半年ぶり、随分ご無沙汰してしまった。最近の散歩で大分自信をつけ、きり絵展も終わったので歩いて見ることにした。お花と山と欲張ってまた秩父の清雲寺の枝垂桜と若御子遊歩道へ出かけた。

 コース:若御子神社10:20→国見の広場(山頂)11:20-11:40→憩いの広場12:00→清雲寺臨時駐車場12:40 (所要時間2時間20分)

 駐車場:清雲寺は桜の季節は混み合うが、臨時駐車場や整理の小父さん小母さんがたくさん出ているので、土日以外は問題なさそう。トイレは清雲寺境内にある。

 若御子山遊歩道入口は清雲寺のすぐ隣の若御子神社境内にある。

 国見の広場 標高606m、標高差約300m、憩いの広場経由で下るコースタイムは、ガイドによると1時間40分位である。 
         
 
青雲寺臨時駐車場(右の山頂が国見の広場)


 桜見物の人たちの中に山靴履いてザックを背負ってというのはちょっと気がひけるが、まずは清雲寺の枝垂桜をゆっくり拝見する。前の日に見た前橋公園や七輿山古墳の桜のように、これでもかと言うように積み重なった花と違って、枝垂桜は透けて見えるレースのようだ。一瞬もう終わっているのかなと思った程だが花が散っている様子もなく、これが本来の枝垂桜なのだろう。



清雲寺の枝垂桜(樹齢600年と言われる) 清雲寺の枝垂桜


清雲寺の枝垂桜 ピンクもあるよ。カメラマンが一杯


 さて清雲寺と庭続きのような若御子神社で無事を祈って、遊歩道を登る。鹿ネットも健在である。登り初めから終わりまでコンクリート製の偽木で作られた階段を登り続ける。前にも書いたが普通階段登りはいやなものだが、ここは我々の足には合っているのか歩き易い。かなりの急な崖登りなのにまったく不安がないし、未だに壊れた所もない。この遊歩道の設計と施工はいい。
若御子神社境内


 この道、途中に若御子断層洞と言う洞窟や天狗橋と言う自然に出来た岩の上の橋などがあるが、いずれもそれ程見栄えのするものでもないから、ひたすら登るを楽しむのみ。それでも疎林越しの風景から高度が上がっていくのが分るし、梢の上ではシジュウガラが冬の鳴き声からは想像できないようなきれいな声で縄張りを主張している。たまには模型のように小さな3両連結の電車が、谷中に線路の音を響かせて走っているのが見えたりする。
最後の登り


 この遊歩道の山頂は若御子山へ続く尾根のはずれの小さなピークで、国見の広場と言う名前が付けられている。展望台を兼ねた東屋のような建物と、テーブルつきのベンチがある。木に囲まれているが登って来た側(北側)は大きな木は切り払ってあるので、展望は悪くない。正面に両神山、二子山、御荷鉾山、城峯山など国境のスカイラインがよく見え、杉の木の上に武甲山の山頂も見える。
国見の広場


 清雲寺の賑わいとは無関係に山頂には誰も居らず、一人男性が登ってきたがすぐに下って行ってしまった。気持ちのいい山頂を気兼ねなく独占できたが、まだ12時前である。1時間あれば下れるのが分かっていたので、昼食は下ってから蕎麦を食べようということにした。その蕎麦屋で毎年羊山公園のシバザクラを撮りに通っているという、大きなカメラと三脚を持った80過ぎの男性と会った。シバザクラはまだでしょうと言ったら5分かなと言う。その代わり桜とシバザクラが一緒に撮れるんだと言う。しかもその桜とシバザクラの花の付き具合が毎年違うんだよ、と嬉しそうに目を輝かす。そしてビールを一人でコップに注ぎながら、この蕎麦屋には店が開店した25年位前から、店の娘さんが小さな子供の頃から通っているんだよと言う。成る程な、楽しみ方はいろいろ、こだわりのある人も居るんだな。その頃は奥さんも一緒だったのだろうか、これから瑞岩寺のミツバツツジを見に行きますが、よければご一緒しませんか、と誘ってしまってから後悔した。勿論丁重に断られた。


山頂の展望 両神山 ウソが来た


 2006年に来た時は浦山ダム側に下ったので、今年は反対の武州中川駅側に憩いの広場経由で下ることにした。山頂を若御子山側に急な階段で下ると、杉林の中のなだらかな尾根道が続く。左の杉木立の下に秩父さくら湖の青い水面が見える。10分ほどで憩いの広場への分岐に出る。尾根伝いに直進すれば若御子山、右に下れば憩いの広場、案内にはないが左に下る道もあり秩父さくら湖へ下れるのかもしれない。


憩いの広場への分岐 新緑を下る


ニリンソウ ミヤマカタバミ


 急な坂道を下ると切り開かれた林の中に、山頂と似た高床の東屋のある憩いの広場に出た。大きく伸びた福寿草の大株がたくさん有り、まだ花が残っている。東屋では4〜5人の女性がおしゃべりをしていた。道は右と左にあるが、外でスケッチをしていた女性が清雲寺なら右ですよと教えてくれた。しばらく間伐された杉林を下ると左にさくらやモモの花の咲いた牧場のような広場が見え、そこで鹿柵を抜けて舗装された林道に出る。かなり勾配のあるジグザクの林道である。その林道の縁に僅かにニリンソウがあり、ミヤマカタバミがたくさん咲いているところがあったが、どうしたことかカタバミは開いた花が一つもなかった。やがて千手観音堂のお堂と桜が見えてきて十字路を右折すると清雲寺の駐車場はすぐだった。




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