08.05.27(TUE) 利平茶屋森林公園 赤城山


 利平茶屋森林公園は赤城山の鳥居峠から何時も見下ろしているが、一度も行ったことがない。鳥居峠の目の下、僅か350mの公園に遊びに行くのに、片道50kmも赤城山を回っていくなんて馬鹿馬鹿しくて、と言った気分である。しかし最近のドンピシャさんや気ままさんのホームページを拝見していると、かなり花の濃いところらしい。一度行ってみようと言う気になった。鳥居峠から古いケーブルカー跡の階段を下ってみようと思ったことはある。しかし下がどうなっているのか知らないし、最後に350m登り返すのもかったるい。まずは案内書(上毛新聞社刊、野山を歩く100コース)に従って、水沼から利平茶屋森林公園に入ってみることにした。


 コース:利平茶屋森林公園駐車場10:30→三崖の滝11:10→尾根の上(シャクナゲ自生地)12:05-12:30→尾根の下降点13:00→駐車場13:50 (所要時間3時間20分)

 前橋から行くと足尾線水沼駅の手前で左折、一の鳥居の十字路でさらに左折、ここには高速道路並みの立派な案内板がある。林道はかなり狭い所もある。

 駐車場:森林公園入口の両側に広々した舗装駐車場がある。トイレあり。
黒保根町上柏山地区あたりから見た赤城山
 
前橋からは裏側で、だいぶ様子の違う見慣れない赤城山である。稜線中央の凹みが鳥居峠、右に篭山、駒ケ岳、僅かに黒檜山が見える。左に小地蔵、長七郎山、その手前の緑の小山の奥が利平茶屋森林公園
 このコースは一周2.6km、標高差約230m、コースタイム1時間40分。


 車の左折点に気をとられていたので一の鳥居が実際に有るのかどうか確認できなかった。二の鳥居は林道の脇に実在する。あまり大きなものではないが古びた石造の立派なものである。横にレリーフのお地蔵様のような野仏が立っている。林道の奥はかなり狭い所もあるが、別荘地の売り出しでも行われたのか、上の写真から想像されるよりは人の気配の多い道である。


 林道のどんずまりが利平茶屋森林公園で、100台は楽に収容できそうな広い舗装の駐車場がある。当日は3台ほど公園整備の人たちのものと思われる車が駐車していた以外、車はなかった。私達が歩き出した時、マイクロバスがやってきて、散歩の老人達を10人程降ろしていった。
利平茶屋森林公園管理棟


 入口近くに管理棟があり、その先の森の中はキャンプ場でログハウス風のバンガローが十数棟点在している。小さなものから出窓やデッキの付いた大きなものまで何種類かある。それ程古い感じはしないから現役のようである。エコばやりで真新しい小さな小屋の中に自家水力発電施設もあった。


ふれあい広場 つり橋


 車の入れる道を歩いてキャンプ場を抜けると、少し小高い所にふれあい広場と呼ばれる広場がある。屋根付きの広い休憩所がありベンチのある芝生が広がっている。この場所は昔鳥居峠まで登ったケーブルカーの下の駅舎のあった場所らしい。休憩所の周りには古いコンクリートの基礎の跡があり、鳥居峠に向って階段が伸びている。その右側の崖は苔むした立派な石垣が、階段を守るように山上へ続いている。かってこのふれあい広場は、ケーブルカーを待つ人達であふれた日があったのかもしれない。
 石垣のはずれに鳥居峠に向う登山道の入口があった。ということはケーブルカーの階段は途中で崩落している場所があるのかもしれない。左側に鳥居川を渡るつり橋があり、ここが三崖の滝を経由する遊歩道の入口になっている。


ヤマツツジ サカハチチョウ


 橋を渡ると堰堤工事に使われた広い道があり、遊歩道の案内板がある。この案内板はこの道の最上部と、尾根からの下降点の3箇所にあり、単純なものだが自分の居場所と必要な距離が分り親切だと思った。「野山を歩く100コース」では突堤を対岸に渡ってまた戻るコースが案内されているが、その間こちら側に広い道があるので対岸に渡る部分は省略した。広い道の周りにはヤマブキソウ、クワガタソウ、自生のヤマツツジなどが咲いている。ヤマツツジはもう満開である。


三崖の滝 三崖の滝の上部


 三崖の滝入口には案内板が立っている。ここから道は狭くなって山道らしくなる。三崖の滝はすぐで、今は(何時も?)水量が少なく滝つぼまで入れる。一休みして滝の左の崖を登る。少し巻くとその左にも深く崩壊している沢があって、横張りされた長い鎖を頼りに狭い崖の道を登る。落石に直撃されたのか足場のアルミのハシゴと踏み板が見事に真ん中でひん曲がっていた。この辺は森林公園の遊歩道と言う雰囲気ではない。西上州辺りによくある山道と同じである。この鎖場を抜けると他には特に危険な所はなかった。


ミツバツツジ シロヤシオ


 鎖場を抜けるとヤマツツジと、ミツバツツジの供宴である。と言いたい所だが、ヤマツツジは盛りだがミツバツツジはもうほとんど散りかけていて、広いミツバツツジのトンネルのような所もあるのだが、盛りならどんなだろうと想像する外はない。花がらを踏んで登る。しかし木は多いので中にはまだ新鮮な花も咲いている。
 急な崖を登るようになるとシロヤシオが現れる。大木が多く沢山花を付けている。シャクナゲの群落のような所もあったが、花はなかった。尾根に抜けると案内板とベンチが一つあり、コースの最上部(シャクナゲ自生地)に着いたことが分かる。シロヤシオに囲まれ谷側に咲くミツバツツジとヤマツツジを見ながら昼食。木の間越しに小地蔵と長七郎山の斜面の崩壊地(白ナギゾロ)の土留め工事の跡が見える。かなりの難工事だったろうことがよく分る眺めである。


 この尾根の上辺りまでがシロヤシオの木が多いところである。大きな木が多く花を沢山付けているが、もう咲ききっている感じがした。写真もたくさん撮ったが、木が大きくて花が遠く、見上げる角度で、まして風も強かったので中々うまく行かなかった。 
シロヤシオ


 尾根を下り始めると、ヤマツツジは咲き初めで、ミツバツツジもまだ残っている。シロヤシオの木は少なくなるがあちこちにまだ咲いている。左手の深い沢の向こうの岩壁からかなり落差のある滝が落ちているのが見えた。


咲き始めの派手なヤマツツジ 向かいの岩壁の滝


咲き始めたヤマツツジとミツバツツジ ミツバツツジとシャクナゲ
手前のシャクナゲの枝の先に咲き終わった花がらが沢山付いている。ちょっと残念だなあ。


 左側が深い谷の崖の上を尾根伝いに下り、やがて尾根が丸くなり広く笹に覆われた辺りに、案内板とベンチがある。ここから左手の沢をジグザクに下る。下り始めてすぐ木の枝の間から、鳥居峠が見えた。歩き易い道をどんどん下る。あちこちにヤマツツジが派手に咲いている。


枝越しに見えた鳥居峠 ヤマツツジ


 キャンプ場の広い道に出る手前で道に細いロープが張ってあり、「この先危険箇所がありますので当分の間歩道を閉鎖します。管理人」と書かれた壊れかけの看板があった。ロープをまたいで広い道に下ったが、ロープがあると言うことは、何時から閉鎖されたのかは知らないが、まだこの道は閉鎖されていたことになる。知らぬとは言えまた禁を破ってしまった。それにしても危険と思われる場所は、三崖の滝の上以外思いつかないが、あちら側には何の表示もなかったよ。
お不動様の石碑


 利平茶屋森林公園の入口近くの水辺の大岩の下に、不動明王と思われるレリーフのある石碑がある。かっての利平茶屋は、このお不動様の所にあったそうである。古びた石碑だがお不動様の光背の火炎には今も赤い縁取りが残っている。中段の石には願文か経文か私には意味不明の漢字が並び、下段の石には上州勢多郡下田澤柏山村中と書かれている。村の水源を守る大切な神様だったんだろうね。




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