08.05.16(FRI) 高 山 奥日光


 アカヤシオが一段落してしまうと、近郊の5月中旬と言うのは山の花の端境期なのかなあ。ガイドブックにはシャクナゲもシロヤシオも、5月下旬から6月初旬と書いてあるのが多い。気になっていたが中々行けなかった奥日光の高山にシャクナゲとシロヤシオの様子を見に行った。


 コース:竜頭の滝上駐車場10:45→高山山頂12:20-12:45→峠の分岐13:15→中禅寺湖畔(熊窪)13:50→千手ヶ浜バス停14:15-14:45⇒シャクナゲ橋15:05→駐車場15:25 (所要時間4時間40分)

 駐車場:竜頭の滝の上、国道120号沿い。乗用車10台、観光バス用5台分ほどの白枠が書いてあるが、広いからさらに停められそう。トイレはない。(滝の下の駐車場にある。)
 登山口は湯川の右岸(上流に向って左)の舗装路を入る。案内あり。左岸にはシャクナゲ橋への遊歩道がある。
高山山頂


 駐車場は乗用車が10台ほど駐車していた。湯川を渡って右岸の舗装路を登る。古い保養施設のような大きな建物の前までが舗装路で、登山道はその先に続いている。誰もいない鹿よけネットの立派な鉄製の扉を押して、異界に踏みこむ。


登山口付近 北面の急な斜面の大木
斜面をトラバースするように登る


 ゲートの先は良く手入れされた気持のいい遊歩道で、やがて北面の急な斜面をトラバースするように登る。道の勾配は穏やかで見通しも良く歩き易いが、崖自体の勾配はかなりのものである。花はほとんどないが所々にオオヤマザクラとムシカリの花が咲いている。


尾根に抜けると中禅寺湖が見える 右手には戦場ヶ原が見える


 尾根に抜けると木の間越しに中禅寺湖が見える。青空がないのが残念だ。反対側には戦場ヶ原と手前の森が見える。この風景は登るに従って少しづつ変化しながら何時も見えているが、手前の木々に邪魔されずに展望台のように見ることのできる場所は山頂まで一箇所もない。


アズマシャクナゲ アズマシャクナゲ


 小さなピークを二つか三つ越える。その間にアズマシャクナゲの小さな群落が所々にあるが、花芽を持っている木は少ない。中に何本かツボミを膨らませている木があった。少し咲きかけたものもあったが、先日の二日ばかり続いた寒さで花の先が茶色に変色してしまっている。


男体山 高山山頂


 一旦下り最後の急登を登ると山頂に着く。登りの斜面の途中から男体山が見える。高山山頂は鍵の手状のかなり広々した尾根で、同年輩のご夫婦が二人で休んでいた。小田代ケ原から登ってきたとのことで、またそちらへ下って行った。山頂は疎林に囲まれて、風景は見えるようで見えないような微妙なところだが、中禅寺湖側の崖の傾斜はかなり急なので、狭苦しい感じがなく開放感のある気分のいいところである。ここで食事にした。珍しく青空がのぞいて二人で山頂を占有して寛いだ。


高山山頂
珍しく青空が見えた
高山山頂


 山頂を中禅寺湖(小田代ケ原)側へ下り始めると、山頂直下からシロヤシオの林で、これが全部花を付けたら確かに凄いと思わせるが、まだ新芽は硬く針のようにとがっていた。花芽を探したが付けているものもあるが、ほとんど花芽がないようにも見えた。ミツバツツジもあるが花芽はやはり少ないようだった。


峠の分岐 スミレ


 ここは流石にシロヤシオを見に登ってくる登山者が多いらしく、かなり踏まれて登山道が痛んでいる。急斜面のせいもあるかもしれない。二ヶ所ほど鎖を横に張った鎖場もある。大きくジグザクを繰り返して下ると峠で、中禅寺湖と小田代ヶ原への分岐がある。


 今回は中禅寺湖へ下る。落ち葉の積もった広い沢で、ひどく侵食された谷もある。スミレが沢山咲いている。中禅寺湖が近づくとオオヤマザクラが咲いている。途中で雨がぱらつき珍しく合羽の上着を着る。
中禅寺湖(熊窪)への道


 なだらかな広い道をしばらく下ると中禅寺湖畔にでる。きれいな砂浜の風景が広がっていて若ければ歓声を上げたかもしれない。岸辺に沿って竜頭の滝まで歩いて戻る予定だったが、もう歩き疲れたので、天候が安定しないのを言い訳にして、千手ヶ浜に出てハイブリットバスで帰ることにした。


中禅寺湖(熊窪)の砂浜 中禅寺湖のオオヤマザクラ


 千手ヶ浜への道は波音の聞こえる遊歩道で、オオヤマザクラや僅かに残っていたアカヤシオ、咲き始めたミツバツツジなどがある。岩壁の下の赤土の上に”熊だろ”と言うような足跡があったり、オオルリにも遇えた。


 千手ヶ浜で30分ほど待たされたが、バスを待っていたのは8人ほど、中にはツアーの下見に来た日光でガイドを始めたばかりという若いガイドさんもいた。流石に花の名前に詳しいのにびっくり。すぐ後ろを流れる小川のサンショウウオの話や、西の湖の奥の滝の話など教えてもらった。シャクナゲ橋で下車、湯川沿いの遊歩道を歩いて駐車場に戻った。
オオルリ


 高山は有名観光地のど真ん中で、シロヤシオで有名だから、かなり歩かれて荒れたコースかと予想していたが、そんな感じのところは山頂から峠の分岐までで、そのほかは荒れた所もなく静かで大変歩き易いいいコースだった。




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