08.04.02(WED) 鍋 割 山 赤城山


 4月1日は前橋では小雨で少し冷えた。夕方、雲の下に見えた赤城山や榛名山の裾野が真っ白に雪化粧していた。春先に大雪が降ることは珍しくないが4月1日というのは遅い方ではないだろうか。この冬はあまり雪歩きもしなかったので、翌2日、早速1人で新雪?の鍋割山へ最後の雪歩きに出掛けた。


 コース:箕輪姫百合駐車場10:10→荒山高原11:10→鍋割山山頂12:40-12:55→荒山高原14:05→姫百合駐車場14:35 (所要時間4時間25分)

 赤城道路は完全に除雪されていた。
鍋割山山頂


 姫百合駐車場には6〜7台の車が駐車していて結構歩きに来ている人が居るのが分る。駐車場はほとんど除雪されていたが、駐車場から鍋割山の麓を回る林道は除雪されておらず、車が入った跡もなかった。同年輩のご夫婦と一緒に歩き始めたが、二人はすぐスノーシューを取りに戻ったので、結局1人で前に歩いた人の足跡を辿る。積雪は思ったほどではなくワカンは持ったが使わなかった。


 荒山高原へ抜けると、気温が高く曇りとは言え陽射しを感じるほどなので、既に雪は大分溶け始めていた。踏み跡は鍋割山へ続いていて、荒山への道に踏み跡はなかった。鍋割山のつもりで来たのだがさてと一休みしながら考えていたら、駐車場でスノーシューを取りに戻ったご夫婦が登ってきた。”今日はまだ荒山へは誰も行ってないようですね”と言ったら、嬉しそうに”それでは”とか言いながら、スノーシューでばっさばっさと新雪を踏んで、気持ち良さそうに登って行ってしまった。
荒山高原
荒山への道に足跡はなかった。


 諦めが付いてまた踏み跡を辿り鍋割山側へ登り始める。のぼり初めに雪が溜まっていて、ぶすぶす膝くらいまで入ってしまうので、ワカンをつける。まるで締まっていない溶け始めたべたべたの雪なので、ワカンをつけても余り効果がない。しかし安定はするようなので我慢して登る。不思議なことに前を歩いている人は1人のようである。他の人は何処へ消えたのだろう。かなり深い雪をツボ足で頑張っている。正直かなり苦労して尾根に出る。


 しばらくホッとできる尾根を歩いて最初のピークの上まで来たら、前を歩いていたその人がいた。同年代の男性だった。ストーブでお湯を沸かしながら昼食の用意をしている。挨拶して先に進む。もう踏み跡はない。次のピークがこの尾根の最高点で、とにかくそこまで行こうと頑張る。そこに着く。そこでゆっくり休憩して昼食を摂って帰れば、分相応で楽しい雪山歩きを満喫できたはずである。
鍋割山の尾根と荒山・地蔵岳


 しかしもう結構足に来ていたはずなのに、着いてしまうと先に行きたくなる。で鍋割山頂に向かって歩き出す。例によって足がつりそうでひどく痛む。馬鹿だなあと自分で思いながら、だましだまし這うようにゆっくり進む。僅かな登りがきつい。もう山頂尾根に居るんだからいざとなれば鍋割山くらい這ってでも下れる、とか、足がつって本当に動けなくなったら、そんな寒いわけじゃないんだからツエルトでも被って1時間でも2時間でも回復するまで休めばいいんだとか、言い訳を考えているが、結局老いて年毎に自分の体が思うように動かなくなってきているのを認めたくないのだろう。


ウサギの足跡
バックは鍋割山
山頂への最後の尾根


 しかしまあ人が見ていたら馬鹿馬鹿しくて笑われそうな悪戦苦闘の末、最後の尾根の雪庇の上を歩いて山頂に抜けた。山頂には獅子が鼻コースを登ってきた女性が一人だけいた。よほど疲労困憊しているように見えたのか、”雪は深かったですか”と聞かれたが、それ程の深雪のラッセルで苦労したわけでなく、自分にとって辛かっただけなので、”思ったより尾根が長くて”と笑ってごまかした。


 女性もお湯を沸かして食事の準備中だった。私は例によって温かい紅茶とおにぎりで昼食を済ませ、女性より先に山頂を後にした。もう少し休みたかったが、3時20分に妻を街に迎えに行く約束があったのだ。尾根歩きに多少時間が掛かるとしても、間に合うかもしれないと思った。遅刻しても携帯はあり、別に困ることは何もないが、変な心配をさせるのも嫌だった。
帰りの尾根からチラッと見えた谷川岳


 鍋割山の尾根には小さなギャップが一ヶ所あって、そこを下って登り返すのがまた辛かったが、何とか最高点のピークまでたどり着き、どろどろの深雪の荒山高原に下った。荒山高原より下はかなり踏まれて道がしっかりしていたので、ワカンを外した。これも例によって下り始めるとだんだん調子が出て、無事駐車場に着いた。一台車が残っていたがそれも出て行ってしまい私が最後だった。下りながらそれほど疲労を感じているわけではなく、息も上がってはいないが、からだが芯から疲労して無理をしたという感じがした。普段大してからだを動かしもせず、こんな時だけこんな無理をしたら絶対からだに良くない、と生まれて始めて思ったような気がした。まだもう少し長生きしたいと思ったのだろう。
 3時20分、何事もなかったように妻との約束の時間に間に合った。6時半からのきり絵の会の例会にも出たが、ぼけっとしてため息ばかりついていて笑われた。




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