08.01.30(wed) 黒檜山・駒ケ岳 赤城山


 先週は前橋でも雪がちらついたし冷え込みもきつかった。前橋は晴れても赤城山が雪雲に覆われている日もあって、鍋割山の山頂も珍しく白くなっているし、これで黒檜山にはかなり雪が積もったろうと思っていた。しかし来てみるとそんな気配はない。除雪されて積み上げられた雪の量を見てもさほど積雪があったようには見えない。


 コース:黒檜山登山口11:00→ネコ岩上部11:50→黒檜山山頂12:45-13:25→大弛み13:55→駒ケ岳山頂14:25→駒ケ岳登山口15:20→黒檜山登山口15:40 (所要時間4時間40分)

 赤城道路は旧料金所(ゴルフ場への分岐)付近から積雪の跡があって場所によっては凍結している。黒檜山登山口より先は冬季通行止。大沼周回道路は完全に除雪されている。


 駐車場:登山口前に5〜6台は駐車可能。トイレはない。
大沼の対岸から黒檜山


 今朝、妻を街へ送った時には、赤城山の上空は雲ひとつない青空が広がっていた。今日は気兼ねなく1人で黒檜山を登ろうと車で新坂平を越える。無情にも黒檜山の山頂部は流れてくる雪雲にすっぽりつつまれていた。その上気温が高いので15日に来た時には霧氷で真っ白だった山頂部も、もう茶色に解けてしまっているのが見える。まあ残念だけど雲が付いてしまえば同じことだから、とにかく登れればいいやと登山口に向う。
黒檜山登山口 
積雪は少ない。


 車で駒ケ岳登山口の前を通った時、今朝踏まれた跡はないように見えた。黒檜山登山口には車が2台駐車していて先客がいるのが分る。仕度をして最初からアイゼンは付けて登る。15日は準備するだけで素手が凍りそうに寒かったが、今日は暖かく素手でも冷たくない。黒檜山は僕にすると最初から終りまで急登の連続だが、その出だしの急登をことさらゆっくり登る。ここで急いだらとても上まで持たない。


ネコ岩上部の岩壁付近 ネコ岩上部の登山道


 最初に息をつけるのはネコ岩の下部の岩壁の上である。赤城神社と、点々とワカサギを釣る人のテントをのせた、凍結した大沼の湖面が目の下に広がっている。ネコ岩をまいて林の中の踏み跡をたどる。山の上は風の音がごおごお鳴っていてかなり風が強いらしい。林の霧氷は既にみんな解けてしまっているが、風に飛ばされて樹上の雪が降ってくる。


 何時もはデジカメを腰に付けているが、オーバーズボンをはいて腰まである冬の上着を着てしまうと、それではどうも具合が悪い。最初は上着のポケットに入れたが出したとき結露するのが気になった。それでネックストラップで首から下げたが、これもぶらぶらして登りにくい。狭い岩の間を勢いを付けて登ったりすると、振られて岩に当たったりする。その上、飛ばされてくる雪が結構かかる。最初は左手で蔽って歩いたが、ネコ岩の上部の岩壁の上で一休みしたときに、予備のフリースの手袋でカバーしてみた。フリースの弾力で突っ込んでおくだけで手袋は落ちないから、これは写真を撮る時の脱着も面倒がなく中々具合がいい。以後首から手袋を下げて歩いた。それにしても誰もいないからいいけど、あまり格好は良くないね。何かいい手はないかなあ。
山頂はまだはるかに上


 ネコ岩より上の登りは崩壊して樋のように窪んだ溝の中を登る。雪があったほうが歩き易いくらいだが、何か落ちてきたらやばいなと何時も思う。少し若い男性が下りて来た。 暖かいですねと言ったら、上は風が強いですよと言っていた。続いて80歳くらいかと思われるかなり高齢の男性がゆっくり下りて来た。しばらく登ると今度は同年代の女性を交えた5人ほどのグループが降りてきた。丁寧に道を譲ってくれた。駐車していた車は二台だから、これで山頂は一人だけだろうと思う。
樋のような溝の中


霧氷 霧氷


 溝を抜けたら、神様のご褒美なのか登山道ではこの場所にだけ霧氷が残っていた。やはり霧氷は青空に似合う。山頂の雲も抜けてくれたらしい。風の音も余りしなくなった。ここからさらにもう一登り。やっと山頂の分岐が見えた。山頂はやはり1人だけで気持ちよく晴れていた。南側はモヤって遠くの山は見えないが、北側の上州武尊や皇海山、日光の山が良く見えた。


山頂の分岐、右が駒ケ岳方面、左が山頂。
 山頂よりもここが見えたときのほうが嬉しい。
黒檜山山頂


 何時もは余り行かないが、歩きにくい道を雪が埋めてくれたのと、踏み跡があったので、山頂の北端の崖の上まで行って見る。展望が素晴らしい。驚いたことに風を避けて座り込んで日向ぼっこをしている男性がいた。男性に挨拶して引き上げる。山頂までの間で又1人、長靴に軽装の男性と遇う。結構賑やかだ。
山頂の北端の崖の上


北端の崖の上のオブジェ 黒檜山大神


 山頂を素通りして、山頂南端の黒檜山大神に手を合わせここで食事にする。素手でおにぎりを食べても今日は寒くないし、口の中が凍ってしまう心配もなかった。天気もいいし体調もいい。誰かが歩いた踏み跡もしっかりあるので、駒ケ岳を回って帰ることにする。


大弛みから駒ケ岳への下山路 大弛み手前のこぶの雪庇


 山頂でワカンをつけて下る。黒檜山の南面の下りは雪が融けて木の階段が出てしまっているところもある。結局ワカンは邪魔だが下の尾根には雪庇も見えているのと、外すのも面倒なのでそのまま下る。そうしたら左足がつりそうになってしまった。狭い道で使い慣れないワカンをコントロールしようとして、変に力が入ってしまったらしい。5分ほど腰を下ろして休んだら治まった。そろそろ限界かなあ。ゆっくり行こう。下りきると流石にワカンの方が楽だと思えるところも何箇所かあった。何回か休んだが何とか駒ケ岳を越える。


大弛み 駒ケ岳山頂


駒ケ岳と黒檜山 駒ケ岳登山口


 駒ヶ岳の雪庇を越えて最後のピークの上で休んでいたら、後から来た同年代の男性に追いつかれた。後ろについて下る。何かホッとする。大同への下降点が見えたところで邪魔なワカンを外す。大同への急降下は夏道がはっきり分かる程度の積雪なのでワカンはまったく不要だった。下るにしたがって調子が戻って無事駒ケ岳登山口へ下ることが出来た。




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