06.04.04(TUE) 若御子山遊歩道 秩父


 若御子山遊歩道は行ってみるまで知らなかった。青雲寺の枝垂桜を見て、またどこか(宝登山とか美の山公園とか)を少し歩きたいと思っていたら、青雲寺境内に若御小山遊歩道の案内があった。

 コース:若御子神社12:00→国見の広場13:05−13:40→浦山ダム14:00→青雲寺駐車場14:45 (所要時間2時間45分)


 遊歩道入口の若御子神社は枝垂桜の青雲寺のすぐ隣にある。駐車場は青雲寺前の有料駐車場(1日500円)を利用した。この駐車場がサクラの時期だけのものか常時利用できるのか、初めてなので分からない。通常は枝垂桜の前の広場が共通の駐車場のような感じでもある。トイレは青雲寺にある。
若御子神社の裏山(若御子山麓)


 青雲寺は国道140号沿いで、近づけば看板もあるし、この季節は辻々に案内の人も立っているから、道に迷う心配はない。周囲には臨時の有料駐車場が7〜8箇所はある。寺に一番近い駐車場の小母さんは”今3分だね”と言ったが、確かに県の天然記念物指定の枝垂桜は3分でも、ここには他にも見応えのある巨大な枝垂桜が何本もあり、開花の時期も少しずつずれているようなのでサクラは十分堪能できた。
 寺の入口の案内の小父さんに若御子山遊歩道について聞いたら、登山口はすぐ隣の若御子神社内にあると教えてくれたが、”結構大変な階段登りだよ”と二人の顔を見較べながら心配されてしまった。そんな風に見えるんだろうな、きっと。
 
600年のエドヒガンザクラの老木
青雲寺は賑わっている。


若御子神社 遊歩道から青雲寺


 若御子神社は小さな社だが綺麗に維持されていて感じのいいところである。祭神はカムヤマトイワレヒコ(神武天皇)と言うのも珍しいのではないだろうか。創建は延長八年(西暦730年)に若御子山の山頂に祀られたのが始めという。遊歩道の入口は右手に真新しい案内板があってすぐ分かる。入口の土手には30cmほどまで成長した福寿草がかなりあり、まだ黄色い花を沢山つけている。少し登ると上から青雲寺のほぼ全景を見ることが出来た。

 歩き始めてすぐ、山に張り巡らされた鹿除けのネットを抜ける。紐で縛り付ける簡単な出入り口がある。遊歩道はかなりの急勾配の崖を登るのだが、ジグザグに歩く勾配は小さく、しっかり整備されていて歩き易い。第一歩から山頂の国見の広場までコンクリート製の丸太を使った階段である。高さも歩幅も程々でこれなら階段を避けて脇を歩く人は居ないだろう。崖っぷちの危険な所は同じ丸太で頑丈な手摺が作られていて安心して歩ける。この材質は山の中でそれほど違和感がない。何年前に整備されたものか知らないが、階段も手摺も壊れている箇所は一箇所もなかった。
遊歩道の雰囲気


 途中、小学生くらいの子供二人と若いお母さん、我々と同年代の女性二人が下って来るのに出会った。若御子断層洞という断層によって作られた洞窟を過ぎる。他に例を見ないとものだ言う。洞窟自体は大して規模の大きなものではないが、この洞窟を作った日野断層そのものの落差は1000m以上だという。また断崖の上に天狗橋という自然に出来た短い石の橋があるが、危険だから渡るなという注意書きがある。
 寺の案内の人が心配したように、コースタイム40分のところ1時間も掛かったが、国見の広場まで登ることが出来た。ゆっくり登れば大して疲労も感じず、息も弾まず何とか登れることが分かって少し自信を取り戻した。


 国見の広場は尾根のはずれのなだらかなピークにあり、武甲山が目の前に見える。また遠く二子山や両神山など西上州の山々も見え気持のいいところである。反対側には尖んがった若御子山とそれに続く秩父の山々が見えるが、下で貰ったパンフレットには若御子山への登山はご遠慮下さいと書いてあった。
国見の広場(遊歩道最高点)


 ここで若御子峠の方から登ってきた同年輩の男性に遇った。池袋からレッドアロー号に乗ってきたと言う。話の好きな人で武甲山や両神山の話などしていたら、若御子山へ行くと言う少し若そうな男性も我々の後から登ってきた。さらに我々より少し高齢に見える元気な女性を含む山装備の5人ほどのグループも、若御子峠の方からやってきた。ひのの駅から歩いてきたと言う。カタクリ園でも見てきたのかもしれない。


国見の広場から両神山遠望 武甲山


 国見の広場は遊歩道の三叉路になっていて、一方は若御子峠経由で千手観音堂(やはり青雲寺の並びにある)へ下り、他の一方は浦山ダムへ下る道である。まだ見たことがなかったので浦山ダムへ下ることにした。この道も歩きやすい道である。浦山ダムはかなり高い所にあるので、すぐにダム湖(秩父さくら湖)の青い水面が見え始め、思ったよりずっと早くダムに着いた。ダムからは舗装された広い車道を下る。途中に展望台があり秩父の町が一望できる。2度ほどヘアピンカーブを曲がって、3度目のヘアピンカーブのところからショートカットして杉林の中をすぐ下に見える道へ下った。杉林はよく手入れされているので下るのに問題は無かったが、何と道の手前に鹿除けのネットが張ってあって道に出られない。これには参った。ネットに沿って少し下ったら民家の脇の耕作されていない畑のような空き地の所に、例の紐で縛る簡単な出口があった。民家の犬にだいぶ吼えられてしまったが何とか道に出ることができた。やれやれ最後は鹿になるとは思わなかった。


国見の広場から浦山ダムへの道 浦山ダム


 帰ってから貰ってきたパンフレットをよく見たら、浦山ダムは堤体内にエレベーターが有って、長々と車道を下らなくても簡単にダムの下まで下れたのである。何か損した気分である。



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