05.05.20(FRI) 西沢渓谷 奥秩父


 シャクナゲを見たいと言う妻と西沢渓谷へ出かけた。5月10日に西沢渓谷入口の”道の駅みとみ”のアズマシャクナゲがちょうど良かったので、渓谷の奥では今が見頃ではないかと見当を付けて出掛けたが、花はたくさん咲いていたが、ハイキングコースの終点の七つ釜五段の滝の上まで歩いた感じでは、少し遅かったようである。充分楽しめたが咲き切った花が多かった。

コース:村営駐車場9:20→音取大橋分岐9:35→つり橋9:55→七つ釜五段の滝上の休憩所11:05-11:30→トロッコ軌道跡の休憩所12:05-12:25→音取大橋13:10→駐車場13:40 (所要時間4時間20分)


駐車場:東沢山荘前を沢側に下ると、雁坂トンネルへのループ橋の橋桁の前に5〜60台程度駐車可能な舗装の無料駐車場がある。トイレはない。
 トイレはコース上の音取大橋分岐、西沢小屋、七つ釜五段の滝の上の休憩所の3箇所にあるので心配ない。
咲き残りのミツバツツジの西沢渓谷


 20年近く妻と山歩きをしていると、妻のトイレ騒ぎに泣かされたことは1度や2度ではない。だから出ようが出まいが歩く前にトイレに行くのは大切な儀式である。然るに全面舗装の立派な駐車場に当然あっていいはずのトイレがない。上にも有料駐車場があったから、そこにはあるだろうと行って見たがそこにも無い。西沢渓谷の案内板はあるがトイレの表示はない。
村営駐車場(無料)

 仕方がないので車まで戻って車で”道の駅みとみ”まで行って儀式を済ませた。二人とも自然を犠牲にしてまで立派なトンネルや駐車場まで作って頂き、それを利用させて頂いていることなど棚に上げて、相応のトイレやその案内のないことにカンカンである。こんな不親切なとこ二度と来るか!でもコース内には3箇所もトイレがありました。五段の滝の上の休憩所のトイレでは、若い女性がひしゃくに水を汲んで、周囲にごめんなさいなどと明るく声を掛けながらトイレの掃除をしていました。こういう人たちの努力で、山奥のトイレも気持ちよく使えるんだなと感銘を受けました。カッカしてごめんなさい。でも駐車場の案内板にトイレの位置をちょっと入れていただくと安心して歩けます。

高巻き道 三重の滝


 村営西沢山荘まで約1kmは林道歩きである(一般車両は入れない)。そこから山道らしくなってゆらゆら揺れて怖いつり橋を渡ると渓谷らしくなり、早速シャクナゲの花が出迎えてくれる。階段でしっかり整備された高巻き道を登り、少し下ると観瀑台のある三重の滝である。ここから渓流沿いに歩くが、しっかり整備された道で不安な所はほとんど無い。澄み切った水と、それに磨き上げられた岩の景観は紹介すればきりが無い。


蛙岩
アップダウンはあるがほとんどこんな感じの道を歩く。
七つ釜五段の滝
この下に落差10mほどの主滝があるが登山道から撮るとまったくスケール感がが出ないので省略


西沢渓谷のアズマシャクナゲ


 下のほうではもうヤマツツジやウツギの花が咲いていて、ミツバツツジは綺麗に咲いているものもあるが、既に時期は過ぎている。シャクナゲも標高差が300mはあるから、奥が遅いかというとそうでもなく、下でツボミもあり、奥で既に咲き切ったものもあるという具合でばらばらだが、全体としては少し遅かったようである。一週間早かったらミツバツツジもシャクナゲもちょうど良かったろうにとちょっと残念な気がした。
 シャクナゲは七つ釜五段の滝の上から、黒金山登山口周辺が有名だが、そのほかにも沢の入口からトロッコ軌道跡の道の下のほうまで、あちこちで群落が見られる。ただ登山道からそれらの雰囲気を伝える写真を撮るのはなかなか難しい。大抵は崖の上にあり、いいカメラポジションが取れない。
咲き残ったミツバツツジ

 このコースは一方通行であり、下りは休憩所からトロッコ軌道跡の道を下る。要所には鋼鉄製の立派な橋が何箇所もかけられて、何の不安も無く新緑の山を見ながら気持ちよく下ってこられる。ただしこの道は落差100m以上はありそうな、垂直に近い崖の途中に切られた道であり、間違って落ちたら只ではすまない。昔はここをトロッコに材木を積んで下ったそうだが、まさに命がけ、当時の苦労がしのばれる。途中”ひこいっちゃんころばし”とか”いこりころばし”とか地名の付けられた場所がある。”ひこいっちゃん”や”いこりさん”がトロッコもろとも落ちて、負傷した場所と書いてあるが、とても負傷で済んだとは思えない。鋼鉄製の橋には鋼板を打ち抜いた網が張ってあり、足元は谷底まで透けて見える。下を見るとくらくらして足がすくむ。ここは下を見ないで歩こう。


トロッコ軌道跡の道から鶏冠山 トロッコ軌道跡の道


 七つ釜五段の滝の上の休憩所はベンチが何基かあって、シャクナゲに囲まれて昼食にするには一番いい場所である。この日は流石に2〜30人ほどのハイカーが休憩していて、のんびり食事をするスペースはない。時間も早いので写真を撮った後は、休憩せずにトロッコ軌道跡の道を下った。30分ほど下ると視界が開けて鶏冠山、木賊山、破風山等が望める休憩ベンチがありここで食事ができた。気分よく新緑と大木の道を下り、やがて音取大橋が真下に見える崖の上に出る。渓谷を登る時は大した登りに感じないが、ここではこれだけ下ってまだあそこまで下るのかと、改めて300mの標高差を実感できる。すぐ林道に出てショートカットして崖を下ると音取大橋である。この橋を展望を楽しみながらのんびり渡ると、朝トイレが無くてカッカしたことなど忘れて、身丈にあった山歩きが出来た充実感に浸ることができた。






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