05.04.28(THU) 御堂山・ジジババ岩 西上州


 何年か前、妻と二人で御堂山に出かけたことがある。この時は妻の体調が悪く、ジジババ岩分岐の少し上の急登の尾根辺りで引き返した。今回はそのリベンジに出かけた。


コース:藤井関所跡⇒林道の三叉路10:15→林道終点10:35→ジジババ岩分岐11:15→山頂11:55-12:30→ジジババ岩分岐13:00→ジジババ岩13:15-13:25→ジジババ岩分岐13:40→林道の三叉路14:15 (所要時間4時間)

 国道254号(信州街道)を下仁田から佐久に向かい、軽井沢への分岐の手前、西牧関所跡の横の小さな道(すぐ林道になる)に入る。

駐車場:林道の三叉路手前に3〜4台駐車できるスペースがある。登山者用の駐車場でないことは確か。とめて怒られても責任は持てない。トイレはない。
ジジ岩と鹿岳


 御堂山への林道は、非舗装で部分的にかなり狭い浮石や凹凸の激しい林道で、終点まで行っても僅かな距離だから、あまり奥まで乗り入れない方が無難である。林道に入ってすぐ右手に砂防堤が何段かあり、その付近に1〜2台なら駐車可能である。私たちは三叉路まで入ってしまったが、それより先、林道終点までは、崖の崩落箇所があったりしてオフロード車でもまともに走れる道ではない。


 三叉路に車を置いて右手の林道を登る。三叉路に御堂山の案内板と、関係者以外車を乗り入れるなという注意板がある。あまり整備された形跡の無い荒れた林道を登って行くと、美しい新緑の尾根の上から、奇怪な岩峰が侵入者を見下ろしている。
 林道終点(そんな雰囲気は何処にも無い)から、尾根のジジババ岩分岐まで、ひたすら涸れた沢を登る。明るい沢だが道も定かでないひどい沢で、歩いて楽しい道だとは言えない。もう一月もすれば藪に閉ざされてしまうだろう。ただ尾根の新緑と、やがて見えてくるジジババ岩の奇岩と、遠望される鹿岳の姿が救いである。
 途中伏流水が染み出した黒い2〜3mの滝?がある。古びた不動明王様の像などが似合いそうだが、この山には山頂、ジジババ岩を含めて祠はひとつも無かった。信仰の対象から外れた山だったのだろう。
 
奇岩が尾根の上から覗いている

出番を待つヤマツツジ 鹿岳遠望


 沢を登り切るとジジババ岩への分岐がある。沢は無風でひどく気温が高かったが、尾根に抜けると気持ちのよい風が通りほっとする。右の落葉樹の急斜面が御堂山への道で、ヤマザクラとミツバツツジが新緑に調和して美しい。これから先は山道らしい道が続く。
 すぐ二番目の尾根に抜け、切れ落ちた崖の上のかなり急な尾根を登りやせた尾根を渡る。ヤマツツジの花芽が大きく膨らみ2〜3輪ほころんでいる。ゴールデンウイークには花盛りになるだろう。再び杉の植林された森に入ると、高石峠への分岐と御堂山への案内がある。途中にも一ヶ所案内があり道を外す不安はない。
 植林地を抜け落葉樹の急斜面を登ると山頂である。途中一ヶ所10mほどのロープがある。
ジジババ岩分岐


ミツバツツジ 山頂からの妙義山


 山頂からは妙義山が見える。しかしそれ以外の方向は木々の枝にさえぎられて視界はほとんど無い。その妙義山の展望も、夏になって葉が茂れば見えると言うほどのものでもなくなってしまうだろうし、植林された檜も育っているから、数年で視界は完全に閉ざされるだろう。山頂には三角点の標柱があるが、山名表示板も何も無い山頂である。

 帰りは往路をジジババ岩分岐まで下り、痩せた岩稜を辿ってジジババ岩に向う。御堂山が花の山だとは聞いたことが無いが、この岩稜には既に花を落としたアカヤシオ、今は盛りのミツバツツジ、花芽を赤く膨らませて出番を待つヤマツツジなどが多く、三つ岩岳のアカヤシオとは趣が違うが、春の花をはずれ無しに楽しめるはずである。
 大きな岩峰の裾を巻いてから急な崖を梯子を登るように20mほど登り、岩峰と大岩の間に抜け、その大岩を巻くと、突然目の前にジジ岩とババ岩の奇岩がそそり立っている。麓の国道からも、尾根の上のジジババ岩は見えるが、あまり大した岩には見えない。しかしここから見るジジ岩は帝王のように堂々と空を圧し、下界を睥睨している。ババ岩はよくこんな形で岩が残るものだとあきれるような形で、古代の槍の穂先のように突っ立ている。
分岐からジジババ岩の奇岩群


ババ岩 ジジ岩:岩の基部を見ると
何故ジジ岩なのか一目瞭然だね


 今回の山歩きでは林道に入ってから山登りに関係ない人を含めて、人一人、車一台出会わなかった。歩いてみた感想は楽しくていい山である。幹線道路からのアクセスが容易で、休憩時間を入れて4時間の山というのは、中高年の健康維持のための里山ハイクのコースとしては理想的だと思う。沢あり、急登あり、花あり、新緑あり、妙義山の展望あり、何よりジジババ岩の奇岩あり、歩けば適当な負荷があり、程よいスリルもある。全てが揃っていて達成感も得られるが、ただ林道の注意書きといい、荒れ(荒され?)放題の沢といい、裏のガラクタ置き場から庭に通されたような、この山里に温かく迎えられたと言う感謝の気持ちになれないのが残念である。
さよなら;





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