05.03.21(MON) 御場山 西上州


 妻を10時に公民館に送ったのだから準備する時間は充分あったのに、”高立の一本岩”に着いて写真を撮ろうと思ったら、デジカメを忘れて来たことに気付いた。何時かはやるだろうとは思っていたがショックだった。しばらく歩いてないのでちょっと歩ければいいや、と山をなめているし、あまり期待もしていないという、少しだれてきた気分のせいだろうか。仕方なくほとんど使ったことのない携帯のカメラを使った。

コース:高立集落の駐車場11:30→コル12:40→山頂13:05-13:15→高立側の尾根→山頂13:55-14:20→コル14:35→駐車場15:25 (所要時間3時間55分)

下仁田から国道254で内山峠へ向い、途中の本宿(西牧)で右に分岐して軽井沢に向う。更に途中の初鳥屋の分岐を左折する。軽井沢ICの和美峠から下ってくると急坂のうねうね道を下り終わる辺りである。曲がるとすぐ彼方に”高立の一本岩”が見える。一本岩の方が有名で案内もある。

駐車場:高立集落の前の矢川川側に6〜7台のスペースがある。トイレはない。

登山口:駐車場の少し先の民家のその先を回り、畑の間の用水路沿いに矢川川に下る。飛び石で渡渉して土手を登った杉林に登山口の目立たないプレートがある。
御場山1059m
ほんとのピークはもっと奥にある


 駐車場は整備された場所ではなく単なる空き地である。地元の人に聞いたら皆そこに停めて登っているよと言うので使わせてもらった。
 高立の一本岩は矢川川に沿ってさらに非舗装の狭い林道を少し行った先にある。車で入っていいのかなと思うような狭い道で、一本岩の手前にUターンできる程度のスペースはある。すぐ融けると思うが、今は雪がでこぼこに凍り付いた場所もあるので、自信のない人は入らないほうがいい。歩いても僅かである。
高立の一本岩


 携帯のカメラはとにかくカメラモードにしてパシャパシャやったが、切替ボタンに指が触れていたらしく、勝手に大きく撮れたり小さく撮れたり、メモリーし忘れて撮ったはずの写真がなかったり。苦労して撮った浅間山は、露出オーバーで白く飛んでいたり。しかし欲を言えばキリが無い。只同然のピンホールカメラみたいなこのカメラ、コンピュータで見たら結構撮れてるし、撮影時間も分かって助かった。こんな時のためによく勉強しておこう(それもすぐ忘れちゃうんだけど)。


 御場山は登山口が分かりにくい。畑の人に道を聞いて河原に出たが、真っ直ぐ河を渡ればそのまま登山口なのだが、知らないから少し上流の渡りやすそうな平らな石のところで渡ったら、川岸のかなり深い残雪には踏み跡もなく、立ち往生である。河岸の2、3mの高さのコンクリートの壁の上の僅か20センチほどの雪の無いところ(しかも坂になってる)を、こわごわ登って上流の林道工事の資材置き場のようなところに出た。そこには朽ちかけた小さな案内があって登山道に合流できたが、工事の安全のためか一般人には入って欲しくないらしい。
沢の入口近くに2,30mの氷曝がある。


 駐車場に車を停めると、さほど高くも見えない御場山が正面に見えているので簡単そうに見えるが、沢に入ってみると見かけほど甘くない。歩きやすい所もあるがガラガラの岩に、落ち葉と残雪が乗った道は結構歩きにくい。もうアイゼンやワカンはいらないがスパッツ位はあったほうがいい。踏み跡がはっきりした所と不明瞭な所があって何度か道を外した。落石がからから落ちてきたり、滑り落ちたらやばそうな所もある。
沢を詰める

 向かいの山で発砲音がかなり聞こえる。獲物を追う沢山の犬のほえ声もする。まさか間違って撃ったりしないでよ、と気にしながら登る。
 1時間10分ほど掛かって沢を登りきってコルに出る。コルの少し手前から、木の枝越しに浅間山が見える。コルの反対側には非舗装の整備されていない林道があった。何か裏切られたような気がする。西上州の山では似たような経験が何度かある。尾根は荒れていて、松やクヌギなどの大木が無残に切り倒されたまま放置されたり、立ったまま樹皮を丸剥きされたりして無残な姿を晒している。周りは檜の植林地だが、何のためにこんなことをするのか素人には理解できない。倒された大木の枝の間を、シジュウガラがなき交わしながら餌を探していた。
 檜の植林地を登り、尾根に出て雑木林の急登を登ると残雪のなだらかな林の中の山頂にぬける。
すぐ右の下に林道のあるコル

 山頂は穏やかで、木の枝に括りつけられた粗末な山名の表示板と、三角点の標柱の頭がなければそれと気付かないようなところである。山頂の少しはずれに東面と南面が開けた崖があって見晴らしがいい。正面に妙義の岩峰が形よく見え、眼の下の山裾のには、矢川川沿いの集落が見える。南面には甘楽や南牧の山々が見え、遠く御荷鉾山から両神山まで見えた。
山頂付近


 ここで食事にして帰ろうと思ったが、「群馬の山歩き130選」を開いたら、北側に5分ほどで更に展望の良いピークがあると書いてある。北側の木の枝越しに浅間が見えるので、もっとよく見えるかもしれないと思って行って見ることにした。
 残雪の山頂ドームを北側に少し下って、尾根を渡って登り返すと狭いピークに出る。東側が船の舳先のような狭い高い崖の上で、粋がってタイタニックの真似をしたい人には向いているが、君子危うきに近寄らずである。特に山頂より展望がいいとも思えないし浅間山も見えない。
 更に雑木の尾根を西端のピークまで辿ってみたが木々に邪魔されて展望はない。西端の尾根のピークの少し下からやっと木の枝の間に邪魔されない浅間山が見えた。この尾根は南側を除きいずれも高い崖に囲まれ、特に高立集落に面した北側は切れ落ちている。
山頂からの展望


 山頂に戻りゆっくり食事をして来た道を戻った。下りの方が道はよく見えるが、それでも2度ほど道を外しかけた。矢川川を渡り畑のあぜ道を元気良く、カッコつけて一息に登ろうと思ったが、太ももが悲鳴を上げて登れなかった。携帯を取り出して御場山の写真を撮り直し一息入れた。
 山では誰にも遇わなかった。駐車場への道を歩いていると鉄砲撃ちのおじさんたちだろうか、林道を車が2台ほど下ってきて、先頭の車の元気の良さそうなおじさんが顔を出して、”御場山登ってきたんかい、道はどうだった”、なんて声をかけてきた。”はーい、雪はもう無いですよ”なんて答えながら何か嬉しかった。
北のピークから山頂ドーム


何でこんなことするんだろうね





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