04.06.02(WED) 飯盛山 南信

 妻が見つけた気軽に登れる楽しい山、小海線・野辺山駅近くの平沢峠から飯盛山を歩いてきました。標高差193m、歩程約2km、真面目に歩けば往復2時間程度のハイキングコースです。しかし標高は1643mもあって周囲にさえぎるものはありませんから八ヶ岳、南アルプスの展望台としては最適です。

コース:平沢峠駐車場10:00→平沢山11:30→飯盛山11:40-12:40→平沢峠駐車場14:05  (所要時間4時間05分)


平沢峠駐車場は、野辺山駅から宇宙電波観測所の前の道をスキー場への林道にぶつかる所まで走り、道案内に従い右折、すぐ左折で坂を上ると右手、獅子岩のある丘の先にある。野辺山高原・平沢峠、1450mと書かれた立派な標柱が立っている。目の前の八ヶ岳東面の展望がよい。広々とした非舗装の駐車場だがトイレは無い。
飯盛山:1643m

 飯盛山は国道141号の清里と野辺山の間のすぐ東側にあり、林道を山深く分け入る訳ではないからアクセスは楽である。八ヶ岳に向かい合い赤岳に一番近い山だからその展望は最高である。ただし八ヶ岳を眺めるだけなら平沢峠の駐車場に車を入れるだけで十分である。
 平沢峠駐車場の入口から2車線の広い舗装された林道を渡ると登山口である。しばらくは雑木の中の道をだらだら登る。ズミやヤマツツジ、レンゲツツジが咲いてるがズミはもう終わりである。道のすぐ近くにピンクのイカリソウが何株か咲いていた。途中、宮司の滝と書かれた分岐点があるが、滝は登山口のある林道よりはるかに下だから、ちょっと滝を見て行こうなんて気は起こさないほうがいい。(実は下りでその気を起こしたのは僕で、この道を林道まで下ってしまい、そのまま下るより3〜4倍余計に歩かされた。滝はそれより更に100m以上下。結局滝はあきらめたが道草はそれなりに楽しかったよ。)

キンポウゲと八ヶ岳 サクラソウ

 やがて道は尾根に出て一気に展望が開ける。正面は南アルプスである。甲斐駒、鳳凰3山、千丈、北岳が見える。良く刈り込まれた足元の草のあちこちにサクラソウが咲いている。ここのサクラソウは高山植物のハクサンコザクラとは違いオオサクラソウと言うらしい。
 ここから先、ほとんど登り下りは無い。尾根の南面は牧場として利用されているようで高木は払われているから、日当りも見晴らしもいい、気分のいい散歩道である。展望を楽しみながら前方に見える飯盛山のピーク目指して歩く。途中キンポウゲの中にアズマギクが咲いていた。
イカリソウ

アズマギク キンポウゲ(ウマノアシガタ)

 飯盛山の手前に平沢山というピークがある。二つの山があると言うより、一つの山に二つのピークがあり別々の名前が付いていると考えたほうがいい。巻いて飯盛山に直接行くことも出来るが鞍部からせいぜい2〜30mのピークだから越えて行く。平沢山の北面にはすぐ近くにスキー場のリフトの山頂駅がある。この日は地元の中学生が3〜40人、先生と共に凧揚げに来ており、平沢山山頂から飯盛山の鞍部にかけて大変にぎやかだった。飯盛山の山頂はハイカーに遠慮して空けておいてくれたようである。凧が揚げられることから分かるように高木は一本も無く、それぞれの山頂から鞍部にかけては草もなく裸地化している。放牧された牛が食べてしまったのか登山者が踏んでしまったのか知らないが両方だろう。飯盛山のアップの写真は痛々しくて掲載できない。
ヤマツツジと赤岳

山頂で:バックは金峰山と瑞垣山 南アルプスの空

 そして山頂、誰もいない山頂でザックを下ろし精一杯伸びをする。360度の大展望だ。浅間や茂来山、御座山などお馴染みの山も良く見える。冬の空気の澄んだ頃スノーハイクもいいかもしれない。山頂の岩以外は草山で、風に揺れるキンポウゲの花で金色に染まっていた。 
富士山:得したような気がするね

 帰路は清里の方に林道まで下り、舗装された林道を平沢峠まで登り返す手もある。しかし標高差で平沢峠より200mも下まで下り登り返すのも馬鹿々々しいので元の道を帰る。
 駐車場に着いたらガードレールの傍に行く時気付かなかった小さな手作りの標識がある。近づいてみたらそこが丁度分水嶺になっているという表示だった。そこに降った雨は南に下れば富士市より太平洋に、北に下れば新潟市より日本海に流れるそうである。思えば誰にでも分岐点、分水嶺はあった。




トップページへ 前へ リストへ 次へ


inserted by FC2 system