04.04.28(WED) 袈裟丸山;賽の河原 足尾

 今年はアカヤシオが早いようなので、もしや袈裟丸山もと、妻と2人偵察も兼ねてまだ一度も歩いたことのない寝釈迦コースから賽の河原まで登ってみた。

コース:塔の沢登山口駐車場9:00→寝釈迦10:10-10:20→避難小屋11:30→賽の河原11:40-12:00→寝釈迦12:45-11:15→駐車場14:05  (所要時間5時間05分)

道路:国道122号で足尾に向かい草木ダムのシッポのあたり沢入小のところから左に林道へ入る。寝釈迦登山口の案内がある。林道を2kmほど入ったところで3叉路を右折、ここにも案内がある。駐車場までは一本道。道は狭いところもある。落石なども転がっているが舗装路である。

駐車場:登山口前に5〜6台。その手前にも似たような駐車場が2箇所ある。トイレあり。寝釈迦、避難小屋にもトイレはある。
寝釈迦さんの居る大岩の前のアカヤシオ:袈裟丸山のアカヤシオ前線は今ちょうど寝釈迦さんのところです。

 最近袈裟丸山へは折場登山口コースか郡界尾根コースが比較的手軽で、クラシックルートの寝釈迦コース(塔の沢コース)はきつく時間が掛かるので避けられる傾向ではないだろうか。僕も袈裟丸山は5〜6回登っているが明るく展望の好い尾根歩きのコースに対して、寝釈迦コースは何となく狭くて暗いじめじめした急な沢登りのイメージを勝手に持っていて、一度も歩いたことがなかった。 

 実際に行ってみるとコースは最後の最後まで沢沿いのコースだが、沢は明るく広い。しかもそれほど急な登りもなく危険なところもない。沢の水は透明で水量も豊かである。沢は白い花崗岩の巨岩で埋め尽くされ小さな滝が連続し、両岸には城壁のような岩の壁が何箇所もあり変化に富んでいる。小鳥も多くニリンソウやコバイケイソウの群落もある。今の時期雪渓まで残っている。そして賽の河原までの中間点の崖の上に自然石に彫られた寝釈迦と、自然の造形である双輪塔があり一見の価値がある。休憩にもちょうど良い。檜の植林もあるがほとんどは落葉樹で新緑も、おそらく紅葉も綺麗だと思う。
 と言うことで袈裟丸山山頂まで登ってしまおうとすれば大変だが、賽の河原か少し左手の展望台の辺りが山頂だと言う事にしてアカヤシオ、シロヤシオを楽しむだけなら、我々のような標準コースタイム大幅超過組みにも半端でなく充分楽しめるコースである。さらに駐車場までの林道が短く車でのアクセスが他の2コース比べずっと楽である。
巨岩の壁:何箇所もある。


 27日は東京、横浜などは30m/sを越える風と雨で大変だったらしいが前橋はほとんど吹かなかった。その内28日の天気予報は晴れに変わり、”それじゃあ”と気になっていた駐車場までの道を調べてボケた頭に叩き込み、早起きして出かけた。前橋は快晴だが山には雲が張り付いていた。
 駐車場からしばし林道の続きを歩かされるが、滝の前の木の橋を渡ると登山道らしくなる。沢の大岩や巨岩の壁に見とれ、既に散ってしまったアカヤシオや残っているミツバツツジに期待を膨らませながら登る。駐車場で一緒になった同年輩の太田の男性が追いついてきて前後しながら登る。道はよく踏まれていて、いたる所に木の根が露出しているからけつまずかない様に注意が必要だが歩きにくくはない。要所には木の橋が掛かっているが何度かは飛び石の上を歩いて沢を渡りながら登る。
 右に崩落した大岩に埋め尽くされた広い沢を分ける頃、道はやや急な登りになって一登りで寝釈迦の大岩に着く。左手の巨岩を縫う小滝が連続した沢が綺麗である。数は少ないが寝釈迦さんに手向けられたようにアカヤシオと山桜が咲いていた。一休みである。寝釈迦さんからはすぐ前に双輪塔が見える。

双輪塔:昔、沢入の里にあって女人の信仰が厚く、彼女達が塔輪の上に登るので、それを嫌った天狗が一晩でここに運んだと言う。 寝釈迦:北枕で横たわる寝釈迦さんは誰の作かは分からないが江戸時代からのものらしい。


 ニリンソウや芽吹きのコバイケイソウや沢に残る雪渓などを眺めながら、再び勾配の緩んだ道をだらだらと登る。たまには日も当たるが小雨が降ったりその内みぞれまで降ってきた。寒いのでカッパを取り出して着込む。鹿の食害を受けた木が目立つ。小一時間で避難小屋に着く。新旧同規模のものが二つあり、それぞれ5〜6人なら何とかなりそうな規模である。常連さんが居るらしく毛布や炊飯具が乱雑におかれているが、使った事はないが避難小屋のマナーとはこんなものなのだろうか。これは備品?。旧の方も見かけより内部はしっかり維持されていて十分現役である。

ニリンソウ 避難小屋

 避難小屋から賽の河原まで10分と掛からないが、その間この明るい唐松林の中はアカヤシオ、シロヤシオ、ミツバツツジの木が多く、特に特徴的な木肌を持つシロヤシオが多い。まだ花芽も膨らんでいないがタイミングが合えば確かに綺麗だろう。
 賽の河原は晴れたり曇ったりで風も強く、袈裟丸山も赤城山もよく見えたがアカヤシオが無ければあまり長居はごめんである。左手の展望台まで登って一本ぐらい気の早いへそ曲がりアカヤシオが咲いてないか探したが無かった。しかしもう花芽はかなり膨らんで赤いものも多い。あと一週間であろうか?
 少し先に登った太田の男性によると、賽の河原で折場コースから来た人に聞いたら折場コースも全然咲いてなかったとのことである。我々が賽の河原に居る時他に人は誰一人居なかった。早々に寝釈迦まで下って食事にし帰ってきた。途中もう一人登ってきた男性に遇ったがこの日人に遇ったのはそれだけだった。 

賽の河原のアカヤシオ:最も膨らんだものを選択
賽の河原のお地蔵さん

 またまたご登場のガマさん:今回は割と可愛く撮れたのでご紹介しましょう。行く時駐車場から木橋までの間の林道の真ん中に2匹居ました。ストックで押したり突っついたりしたぐらいでは動きません。帰りには一匹はまだ居ました。”隠れてたほうがいいんじゃない、踏まれるよ”。



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