04.02.19(THU) 水の塔山・東篭の登山 浅間山

 前日の予報で19日は信越、上越とも晴れて、風も弱く暖かいと言うことなので、珍しく少し早起きして浅間山系の水の塔山・東篭の登山へ出かけた。先輩のTさんご夫妻は山で偶然2度皇太子と一緒になったそうである(僕はカモシカと会った)。その一度がこの水の塔山から東篭の登のコースで、宮内庁御用達の展望の良い尾根歩きだそうである。一度歩いて見たいと思っていた。

コース:浅間2000スキー場駐車場9:45→高峰温泉10:15-10:25→水の塔山頂11:55→東篭の登山手前のコル12:45-13:00→東篭の登山頂13:25→林道14:05→高峰温泉15:05→浅間2000スキー場駐車場15:30  (所要時間5時間45分)

スキー場までは完全に除雪されていて路面の残雪、氷結も僅かでほとんど無かった。

スキー場一番奥の第3駐車場から高峰温泉宿泊者送迎用の雪上車が出る。我々のような非宿泊者は雪上車の走行路を高峰温泉まで歩く。

トイレは第三駐車場前の無料休憩所の中のトイレを使わせてもらう。
水の塔山頂直下のガレ場から東篭の登山:帰りは下に白く見える林道を戻る。

 このコースを歩くのは初めてである。車でなら高峰温泉の前は何度も通った事があるが、しかし冬場林道がスキー場で分断されてしまったら、あの広大なスキー場のゲレンデをどう横断して高峰温泉に至るのか、山歩きよりそちらのほうが気になった。”山渓”の簡単な紹介記事には雪上車15分とある。高峰温泉にTELして確認したら宿泊客だけ乗せてくれるそうである。温泉のみ利用者も、たまたま運行時に席があるときだけ、とのつれない返事である。でもまあ歩いても20分程度とのこと。雪上車が走るのならその道があるのだろう。
 スキー場に着いたがやはり見当がつかない。リフトの周りを整備していたスキー場の人に聞いてみたら親切に教えてくれた。第三駐車場の前のなだらかなゲレンデとリフトに沿って下り、その先を左に登り返す。高峰温泉は見えないが水の塔山の稜線は見えているのでおおよその見当はつく。雪上車の走行跡も確認。後は歩行時間20分程度を信じて歩くしかない。
 下りは楽チン。登りに掛かったら気管支に問題があって、冬場から春先に弱い妻がちょっと苦しそうである。吸入薬に助けてもらってゆっくり登る。今日は温泉だけ楽しんで帰りかな、とあきらめかけたが温泉につく頃には少しづつ元気になった。登りのゲレンデは下りより急勾配だがアイゼンもスノーシューも無しで問題なく登れる程度である(この日は)。

 ”山渓”には高峰温泉で登山者カードの提出とコースの確認をするよう書いてあるので、ちょっと覗いてコースを教えてもらったが、特に登山者カードの提出は求められなかった。天気が好いからかな?温泉だけの利用は”今日は”利用できますとのことなので、いつも必ず利用できるとは限らない様である。
 


 高峰温泉から私はワカン、妻はスノーシューをつけて登る。山頂直下のガレ場までほぼだらだらの登りである。途中うぐいす展望台という、小諸側の展望のいいところがあるが、この日は雲ひとつ無い快晴であったが、春霞?が濃く遠いところは全く見えなかった。
 水の塔山への途中では2組の人達に出会った。
 1グループは同年輩男女5〜6人で登山道からかなり離れた樹林帯の雪の中で休憩していた。登り又は下りの途中なのか雪の中で遊んでいただけなのか分らない。
 もう一組は中年のペアで、山頂直下のガレ場を小型の樹脂製のスノーシューで下りてきた。挨拶だけですれ違ったがスノーシューの跡は稜線にもずっと続いていたので、彼らは先に林道を歩いて東篭の登山に登り、尾根を縦走して戻ってきたのだと思う。その方が急登が少なく楽かもしれない。
赤ゾレ付近:後ろのピークが水の塔山、背景は黒斑山


 妻はガレ場でスノーシューを脱ぎ軽アイゼンだけで登る。水の塔山は山頂直下でスノーシュー用に嬬恋側の樹林の中を巻くコースと、小諸側の崖の縁を登るコースに分かれている。崖側を登ったが腐った雪が滑りそうで怖い。山頂に抜けると、嬬恋側の展望が一気にひらけて、四阿山が目の前にどーんと控えているが、例の霞で薄ぼんやりとしか見えず残念。
 一休みで東篭の登山へ向け縦走開始。小さい凹凸を巻いたり越えてゆく。2、3箇所下が無くて怖いところもある。東篭の登山への最後の登りを控えて休憩、食事にする。
 東篭の登山の最後の登りの雪面は、危険と言う程では無いが高度感があって爽快な登りである。一登りで山頂に着く。山頂は吹き払われてほとんど雪は無い。山頂まで登ると黒斑山の長い山頂稜線の上にわずかに顔を出した浅間山とその噴煙が見える。
 妻は縦走中、東篭の登山の樹林帯に下るまでスノーシューは履かなかった。稜線の雪は少なく又良く踏まれていると言うことだろう。暖かく風も吹かず運が良かった。
東篭の登山への最後の登り:水の塔山の稜線と黒斑山の上に僅かに浅間山の山頂と噴煙が見える。


 東篭の登山の山頂まで来れば後は緊張するようなところはない。遊びながら下る。唐松の雪が解けてつららが下がり、光の向きによって虹色に輝くのを何とかカメラに収めようとしたが無駄だった。
 樹林帯の下りは池の平の登山口まで歩かなくても途中で左に分岐し、コースをショートカットして林道へ下る事が出来る。林道の上に出ると林道を池の平のほうへ曲がりかけている2人連れが見えた。林道へはお尻で滑り下りる。
東篭の登山頂:山頂標識には東篭の塔山と書かれている


 林道は雪上車で定期的に圧雪しているのか真平で大変歩きいい。少し下り気味なので更に楽に歩ける。歩いてきた稜線を眺めながらひたすら歩く。妻も快調で(ただし彼女のスノーシューは常に私が担いだ)何とか高峰温泉に戻ってくる事が出来た。温泉は後の一歩きが残ってしまうし、着替えも車の中なので、横川の峠の湯まで我慢する事にし、スキー場の駐車場まで歩き通した。

 高峰温泉の前で、宿泊してスノボーを楽しんでいる若いペアに出会ったが、彼らを見てスキー場から高峰温泉に入る方法はもう一つあることが分った。下りのリフトと登りのリフトを乗り継ぐ方法である。これなら歩く距離ははるかに短縮されるし登らずに済む。スキーを楽しむ若者たちと一緒に並んでリフトに乗るのが楽しくて、山道以外の歩きは省きたい方はこの方法がいい。

 
戻り道の林道

 今まで案内書や地図で篭の登山と言う山名に馴染んでいた。しかし山頂の表示板には東篭の塔山と書かれている。今年の山渓の紹介記事は篭の塔山で、同社で出しているマイカー登山便利マップも山の便利帳2004も篭の登山である。どちらが正しいのか分らない。
 





トップページへ 前へ リストへ 次へ
inserted by FC2 system