04.02.04(WED) 黒檜山 赤城山


 例によって妻を中央公民館に送る。少し早めに行くと言うので私は大至急用意して妻を送り届けた後、赤城の黒檜山に向かうことにする。朝は快晴であったが、出かける頃は国境を越えた雪雲が黒檜山のほうに掛かり始めていた。


コース:黒檜山登山口10:50→猫岩上部11:35→黒檜山頂12:20→赤鳥居のピーク12:25-12:40→大弛み13:00→駒ケ岳山頂13:20→鉄階段の下り口13:35→駒ケ岳登山口14:00→黒檜山登山口14:20  (所要時間3時間30分)

 赤城道路は箕輪のかなり下から雪が付いている。除雪されたばかりの真っ白で真平らな道が登山口まで続いていた。

 赤城道路の除雪終了点、湖岸道路との分岐点が登山口、数台駐車可。この日は私の前に2台駐車中の車があった。

 参考までに箕輪に駐車中の車は5〜6台、途中の駒ケ岳登山口に踏み跡はなかった。
大弛み付近から駒ケ岳

 私が登山口に着いたとき既に2台車が駐車していて、一台からは女性2人と男性1人の3人が身支度を整えて登山口に向かうところだった。みな私とほぼ同年輩だろうか。軽く挨拶して身支度開始。とんでもない忘れ物をした事に気が付いたが、まあ秘密にしておきましょう。とにかく年をとると(昔から?)念を入れても忘れることが多い。チェックしてもその後に忘れてきちゃうんだからどうしょうもない。


 念入りに身支度して出発。黒檜は雪雲の下で、かなり下まで霧氷に覆われて何か険悪な様相である。前の人の踏み跡がはっきりしているので、コースを気にする必要がないので気が楽である。夏場暗くて歩きづらくていやな急登も、雪に覆われれば真っ白な美しい山道である。急登は変わらないが、もともと山歩きはかなり自虐的で、つらければつらいなりに楽しいということだろう。雪は意外と締まっていて足が深く沈むこともなく、アイゼンもよく効いて見かけの様相とは異なりよいコンデションだった。
10:30頃の黒檜山:赤城神社駐車場から


 ネコ岩の上部で、何時もの大沼から地蔵岳の風景を見下ろしながら、霧氷の中で一息入れる。
 健康のために手近かな赤城山を歩き始めて、冬も黒檜へ登りたいと思ったきっかけは、山頂で白く輝く霧氷を見たためだろう。一瞬きらめいて落ちてくる氷の花、こずえを渡る風の音は魔性のささやきかもしれない。
 山頂が近づいても雪が深くなることはほとんどなく、無事山頂へ抜けた。昨年の奮闘が嘘のようである。
 山頂には私から見てはるかに若々しい、ひげなど生やした中年男性二人組みと、私に先行した3人組の2パーティがいた。二人組みは駒ヶ岳へ行くそうである。入れ違いに駒ヶ岳へ向かって行った。
 伊勢崎から来たという3人組は、ストーブなど取り出しこれから食事のようである。私も例によって暖かい紅茶で一息入れたが、どうもこの山頂は落ち着かない。挨拶して黒檜大神の赤鳥居のピークに移動した。
山頂直下の霧氷


黒檜山頂と赤鳥居のピーク:いずれからも雪が少ないことが分かる。


 赤鳥居のところには2人組みがまだ居た。私が到着すると彼らも気合を入れて踏み跡のない大弛みに下って行った。私は忘れ物をした事もあり黒檜山だけで下るつもりだったが、天候が良くて雪が少なく余力も時間もあり、その上二人組みが先行していて多少安心感もあったので、駒ケ岳まで足を伸ばす事にした。紅茶でサンドイッチを流し込み、フリースの上着をヤッケに着替えて二人の足跡を辿り大弛みに向かう。


 膝にこたえる夏道と違って雪の下りは早いし楽しい。大弛みに下りきる少し手前のこぶの前で、吹き溜まりに足をとられて道を失った先行の二人に追いついた。あちこち踏み跡を探していたようである。駒ケ岳の方向を教えてあげると彼らは躊躇せず深雪に苦労しながら進んで行った。私はここで初めてわかんを付け彼らの後を追う。すぐに追いつき先行して道案内が出来た。大弛みは雪が少なく、吹き溜まり以外よく締まっていたのは彼らにとっては幸運だったと思う。駒ヶ岳の登りに掛かると忠実に尾根を辿った私より、夏道を見つけて少し下を巻いた彼らのほうが先行し、駒ケ岳では私が最後だった。千葉県の市川から来たそうである。
 駒ケ岳からは雪庇で遊んでいる2人を置いて先に下る。鉄階段の上でわかんを脱ぎ、後の2人のことを考え夏道に忠実に下ってきた。登山口からの凍りついた湖畔道路は面倒なのでアイゼンをつけたままガチガチ歩く。重いアイゼンと、高々10mか20mの駐車場までの登りに太ももが悲鳴を上げるころ車にたどり着いた。
駒ケ岳の雪庇:雪が少ない割には例年になく発達していた。つぼ足の二人がぜんぜん沈んでいないことからも良く締まっていることが分かる。


 昨年は地吹雪の氷結した湖上でわかさぎを釣る釣り人のテントを紹介しました。今年は氷上を疾走する車です。
 氷結した大沼の湖面の縁に黒い点のように見えるのは、湖面を闇雲に走り回っている車です。ハンドルもブレーキも思うようにならない氷上で、思う存分車を操りたくて、万が一割れるかもしれない湖上をひたすら走る車と、かってあこがれた霧氷の中に、たった一人登ってゆく老人(?、中高年?)、楽しみというよりも、リスクのない人生だけを選んだ真面目人間の、ほんのささやかな、あるいは馬鹿げた抵抗なのかもしれませんね。
地蔵岳と大沼の氷上を走る車





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