03.10.23(thu) 地蔵岳 赤城山

 のんびりする予定だったのに起きたらいい天気。やっぱりちょっと歩いてこようと言うことになって二人で赤城山へ出かけた。

コース:小沼駐車場11:35→地蔵岳山頂12:10−13:00→駐車場13:30
(所要時間1時間55分)
地蔵岳山頂から黒檜山 03.10.23

 赤城の紅葉は箕輪付近まで下っていて鍋割山の山腹を美しく染め上げています。駐車場にもたくさん車が止まっていて、これから鍋割山や荒山に登ろうとする人達の姿もあります。一緒に登れば赤城山の紅葉を満喫できるはずなのに、登らないのは今日ははなからまじめに登る気が無いからです。
 新坂平の牧場や、鳥居峠から覚満渕を眺めて過ぎ行く秋を確かめます。心地よく頬を過ぎる冷気を含んだ風が、近付く冬を予感させます。小沼の湖畔で孫と遊ぶために購入した凧(バイオカイト)を揚げてみました。風が舞っているのか中々うまく揚がりません。あきらめてやっと地蔵岳へ向かいました。

 地蔵岳はいつの間にか登山道が改修されていて、立派な木の階段が登り口から続いていました。天まで続くかと思われる立派な木の階段に仰天したのは、今年の春三国山に登ったときでした。昨年から今年にかけて赤城山の駒ケ岳登山口から黒檜山の山頂まで、ほぼ同じ規格の階段が完成しました。先日行った平標山も平標小屋から山頂までこの階段でほとんど完全舗装になっています。よく知りませんが日本全国規模でこの登山道改修が行われているのでしょうか。
地蔵岳登山口 03.10
 確かにこのしっかりした階段でオーバーユースの登山道は崩壊から救われるし、そこを利用する僕も快適ですが、この木材はどこから来ているのでしょう。それを考えると寒気がします。間伐材のようなちゃちな木材ではありません。かなりの大木のそれもトロだけ使っているような木材です。どう考えてもこんな贅沢が許され続けるわけがありません。地蔵岳は同時に土砂の流出を止めるために金網に石をつめたものを使っていますが、登山道自体の改修もこの程度の現地調達可能な材料で行うことは出来ないのでしょうか。


 でも考えてみれば今の日本のありようそのものがこの木の階段に象徴されているような気もしますね。どっぷり浸かって何を言っても無駄か。


 山頂には立派な県立赤城公園の案内板が新設されていました。展望台の上は流石に大沼から吹き上げる風が冷たく、汗が冷えるので案内板の前の風当たりの少ないところで食事にしました。お腹が重いからおむすびひとつにして甘いものでも持っていくか、とい言ってセブンイレブンでアンドウナツ、コーヒーゼリー、ヤキプリン、チョコバー、ミントのど飴と大量に買い込んで結局みんな食べてしまいました。やれやれ。
山頂のコナシの実
赤城で遊んでいた戦闘機:そのときは気が付かなかったのですが日輪が出ていたらしく虹が写っています。
 食事している最中から高い空を飛び回るジェット機の爆音がしていました。山を下り始めた直後爆音がどんどん近づいて来て、矢のように飛んで行く戦闘機がたまに見えるようになりました。”かっこいい!!”赤城山上空付近には訓練空域があるんだよなどと知ったかぶりをしていた時、すさまじい轟音とともに渋川のほうから上昇してきた戦闘機が地蔵の頭から飛び出してきて、長七郎岳の上空を左に旋回しながら上昇して消えてえてゆきました。そのあと今度は逆コースです。長七郎岳の右から降下してきた戦闘機が地蔵の陰に突っ込みました。本当に近くて、故障で突っ込んできてそのまま激突して衝突音が聞こえるんじゃないかと思わず首をすくめたほどでした。その後も何度か近くを飛び回っていましたが、同じ機体なのか何機かいたのかははっきりしません。二機同時に見えることはありませんでした。

 戦闘機はアメリカ海軍のF/A-18です。厚木から飛来したものでしょう。イラク出撃から帰還して空母は横須賀で整備中ですから、パイロットたちは緊張から解放されてしばしお祭り気分、訓練に名を借りて文字通り羽根を伸ばしているのでしょう。でも圧倒的な力で敵をたたいて凱旋できた空軍はいいですが、イラクに残された地上軍は大変ですね。毎日誰かが殺されて次は自分の番かもしれません。すごいストレスの中で任期明けの帰還を待って耐えているのでしょう。ずっと戦い続けてきた自由の国の兵隊ですからよく教育されているのでしょうが、改めて自分が何故そこに居るのか考え続けているでしょう。

 憲法に守られて創設以来戦争の経験の無い我国の自衛隊も、いよいよ今度はイラクへ行くことになるのでしょう。そこはアメリカ地上軍にとっては戦地です。そこでアメリカ地上軍と同じような環境に始めて隊員がさらされることになります。日本人にとって戦争が終わってから58年間、世界中で戦争、紛争が続き、何時も何処かで戦いが続いていたにもかかわらず、戦争を否定し平和だけを願い続けてくることが出来ました。本当に良かったですね。

 でも今度はそうは行かないでしょう。イラクへ行く隊員は嫌でも考えるでしょう。その家族も。そしてあなたも。何故なら次は自分が銃を持って戦地に立つ可能性があるからです。軍隊とは何か、国民を、国益を守ると言うことはどういうことか、日本より豊かで自由で民主主義の国アメリカが戦い続けるのは何故か、人間にとって戦いとは何なのかについて。

 北朝鮮問題もあります。憲法改正もスケジュールに乗るでしょう。総選挙も間近です。私も自分の内なる声に従って結論を出さなければなりません。天皇が決めるわけではありません。軍閥が強制している訳でもありません。民主主義の国なんですから。みんなで考えて選挙に行きましょう。結果として国の方向が決まれば後で泣き言を言う権利は誰にもありません。


 物騒な乗り物の出現でつい余計なことを書きました。話題を変えましょう。コンパクトデジカメは孫の運動会のシャッターチャンスも捉えられないんですから、飛行中の戦闘機のような高速の被写体に対しては本当に無力ですね。カメラは取り出したって写せるようになるまでは何秒もかかるし、シャッターボタンは押してもシャッターがいつ切れるかはカメラ任せ、そのうえ何度ボタンを押そうが押し続けようが連写は効かないんですから。低空の戦闘機なんかあれれといってる間に消え去ってしまいます。最近200万画素の携帯が出たと言うし、HPの写真としてはIXYで十分と思っていましたがやはりもう少し上位の機種に触手が動きます。EOS Kissでデジタル一眼レフも手の届く価格になってきましたが、あのごろごろした大きくて重い一眼レフをいまさら買う気になれません。さてどうしたものか。もう少し待ってみましょうか。


 紅葉の終わった覚満渕です。今は小型建機が2台入って木道の改修が行われています。
 




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