03.03.12(WED)            黒檜山              赤城山
  今シーズンは前橋から見て、赤城山が真っ白になることが何度も有り、そういう時に一度黒檜に登りたいと思っていましたが、チャンスが無く、少しフラストレーションが溜まっていました。今週又真っ白です。今シーズンの最後のチャンスかもしれません。体調もよくなりました。さて水曜日、久しぶりに妻から開放されて一人、そんじゃ行ってみるか。
コース:大沼赤城神社駐車場 10:30→黒檜山登山口 10:50→猫岩下部 11:05→猫岩上部 11:40→山頂 13:10-13:30→黒檜山大神赤鳥居 13:35→駐車場 15:10 (所要時間4時間40分)

  箕輪駐車場の下から路面に雪があり除雪車が作業中であったが、その先も除雪は行われており走行に支障は無かった。どの駐車場も制約はあるが十分使える。
ビジターセンター前駐車場から見た10時頃の黒檜山
  最後は又「青い空と白い雲」と雪と霧氷で真っ白に輝く黒檜山の写真で終わります。ネガフィルムでは中々うまく写らなかった「青い空と白い雲」なのに、このデジカメは割と簡単に派手に再現してくれるということもあって、このHPではかなり拘って青い空と白い雲を撮っています。

  ・・・登り詰めればその先は空。
     ザックを枕にひっくり返ると真っ青な空だけが広がっている。
     そこに白い雲が流れていたら言うことは無い。
     それは限りない開放への憧れなのでしょうか。
     いったいこの心はどこへ飛び立ちたいと言うのでしょう。
     何か一生懸命枝先へ登って行く昆虫に似てますね。
  僕の山歩きは「青い空白い雲」が原則ですが、たまにはモノトーンの風景もいいもんですね。登山前の緊張が伝わります。何時もは風景を邪魔する道路案内の青い看板も、今日はやけに綺麗に見えるのが不思議です。氷結した大沼は地吹雪で白く霞んでいます。湖面上にかすかに見えるのはわかさぎ釣りのテントでしょうか。釣人は何を好んでこのうら寂しい湖の氷上に寒さに身をちじめ、僅かな釣果を求めて時を過ごすのでしょうか、・・・とは僕には言えません。深雪の急勾配をたった一人、あの黒い猫岩を越えて黒檜の頂きまで行って来ようと言うんですから。・・・何を好んで・・・
  あのテントの中は、釣り上げたわかさぎのてんぷらか何かを肴に、暖ったかい焼酎の梅割かなんかでご機嫌、なんて手も有るよね。やはり山歩きの方が罪深いか?
赤城神社駐車場から大沼越しの地蔵岳
 
  駒ヶ岳の登山口には踏み跡が無い。黒檜山の登山口には地吹雪に消えかかった踏み跡が残っている。昨日のものならとっくに消えているはずなので今朝誰か登ったのでしょう。道路の除雪の邪魔をしては悪いので車は大沼の赤城神社の赤い橋の前の駐車場において黒檜山登山口から登る。今日は駒ヶ岳まで一回りしてくるのは僕には無理だろうな。
  猫岩までの急登は踏み跡を追って行けばそれほど沈み込むこともなく、かすかな踏み跡を探しながら一歩一歩ゆっくり登る。猫岩の雪庇をこわごわ登る頃から少しずつ青空が見え陽が差してきた。黒檜から駒ヶ岳への稜線の霧氷が白く輝くようになり励まされる。樋のようにえぐられた急登を越えたあたりから踏み跡はほとんど見えなくなり、たまには深雪にはまってもがく。山頂直下は雪が深くアイゼンの上からワカンを着け着氷した雑木を頼りに全身で登る。そしてやれやれ山頂。期待通り「青い空と白い雲」、真っ白な霧氷が待っていてくれた。武尊は雪雲の中だが真っ白な黒檜の稜線の向こうに日光白根と皇海山はよく見えた。雪に覆われた山頂の雰囲気を味わいながら、立ったまま例によって暖かい紅茶とおむすびで食事。山頂は地吹雪が旋毛を巻いているがそれほど風は当たらなかった。
山頂直下の霧氷
  困ったのはデジカメ。気温が下がるとバッテリの電圧が下がるのかシャッターが作動せず写真が撮れない。ポケットで素手で暖めて取り出してすぐ1枚か2枚撮るが、今度はファインダーもレンズも曇ってしまって写真にならない。しかし何枚かはうまく撮れたようだ。
黒檜山山頂
山頂の黒檜大神の赤鳥居
  山頂でのんびりするほど余裕は無いので早々に退散。黒檜大神の赤鳥居の祠の方にも寄ってよく安全祈願をした。山頂に残された踏み跡は一人分で真っ直ぐ駒ケ岳の方に向かっていた。大弛みや駒ヶ岳の方を覗き込んで見たが人影は見えなかった。
  駒ヶ岳への一瞬の未練を断ち切って、来た道を下る。新雪の急斜面でのワカンの下りは本当に快適だ。しかし傾斜がゆるくなって新雪が吹き払われた部分では、表面のやや固い雪面に、沈んだ後ろ足のワカンの先端が引っ掛かって歩きずらい。ワカンを締めなおして慎重に下る。
  猫岩の上部当たりで着氷したブッシュや雑木を分けて歩くのが煩わしいので踏み跡を外し、稜線から外れない様に注意しながら少し下を巻いて林の中を下る。その内木に巻かれた黄色いテープの目印が目に付いたのでそれに従って下る。
  その目印は2〜30メートル置きに丁寧につけられているので迷うことは無い、気楽に下る。しかしそれは間違いだった。やけに遠いし見慣れた風景が出てこない。雪庇の上の見晴の好い所から下を見たらすぐ前の左下に赤城道路が見える。何と僕は五輪峠への尾根の上にいたのだ。登り返して戻るのもかったるい。五輪峠まで連れて行かれるのも辛い。結局そのまま尾根が低く道に接近する所まで下って、道路側壁の上の急斜面を滑り落ちる様に下って道路へ下りた。そして除雪していない赤城道路を登山口へ、赤城神社の駐車場へと歩いた。歩かなくても済んだものを歩かされる道の遠いこと。つりそうな足を騙し騙しやっとの思いで車に辿りついた。 
 
大沼湖畔:赤城神社駐車場からの3時半頃の黒檜山
  黒檜山の山頂から猫岩を経て黒檜山登山口に下るこのコースから、五輪峠への分岐点て有りましたっけ。何度も歩きましたが気が付きませんでした。黄色いビニールテープによる案内が有ることも知らなかったので、積極的に利用するにしろしないにしろ、僕と同様に気付かなかった人がいらしたら、そういうものがあることだけお知らせしておきます。 
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